言語② 日本語はごちゃ混ぜ!? #00082
言語として用いられる視覚記号(文字)は表音文字と表意文字に分類することができます。日本語ってごちゃ混ぜで珍しいんですよ。(吉野賢一)
表音文字:一文字(A、あ、ア)で特定の音を表し、複数の文字を用いること意味を表す(Art、あい、アオ)視覚記号です。英語、アラビア語、フランス語、ドイツ語など多くの外国語、そして日本語のローマ字、ひらがな、カタカナなどが該当します。
表音文字の場合、その文字に関する少しの知識があればとりあえず「発声・発話」が可能です。だから若者でも「アベック」「じびき」を、高齢者でも「あざます」「メタバーズ」を声に出すことはできます。意味は分からなくても・・・。
表意文字:一文字だけで意味をもつ視覚記号です。代表的なのは中国語や日本語の漢字です。そのほか数学記号(+×=)、アラビア数字(ⅠⅡⅢ)、絵文字・顔文字(^O^)(≧▽≦)や色々(〒&℃)該当します。
表意文字の場合、その文字に関する少しの知識があればとりあえず「意味の理解」が可能です。ただしその文字を声に出すとき、色々な音で表現されてしまったり(例えばⅠは、いち、ワン、アインス・・・)、そもそも(^O^)や〒のように発声・発話ができないものもあります。
日本語はごちゃ混ぜ:「天気が良いからゴルフをする」の日本語の文章には表音文字(ひらがな、カタカナ)と表意文字(漢字)が使用されています。世界では様々な言語が使用されていますが、このように表音文字と表意文字とミックスして使用しているのは日本語だけではないでしょうか?たぶん、日本語ってとってもユニークです。
言語の脳と表音・表意文字:前回の言語①で、私たちの脳には日本語の語彙と文法を理解するための言語野が存在すると述べました。この言語野にトラブルがあると「文字の読み書きができなくなる」ことがあります。読みの障害を失読、書字の障害を失書といいます。この失読、失書の症例などから、表音文字と表意文字はそれぞれ別の脳領域で理解していると考えられています。
つまり日本語話者が日本語を読み書きするとき、ひらがなやカタカナなどの表音文字を理解する脳領域、および漢字を理解する脳領域を共に働かせなくてはならないことになります。う~ん、日本語も特別だけど、日本語話者の脳も特別!?
00:15 問題 表音文字と表意文字
02:25 表音文字とは
03:05 表意文字とは
03:50 日本語はごちゃ混ぜ
04:20 言語の脳と表音・表意文字
05:00 吉野の脳(余談)
補足・訂正
私は言語学者ではありませんので、表音文字や表意文字の正確な定義は知りません。ここでは(^O^)などの絵文字・顔文字を表意文字に分類しましたが、そもそも文字として取り扱ってよいのかどうかも疑問です(´ε`;)ウーン…
お伝えしたかったことは「いつも使ってる日本語って、へっ~ユニークなんだ。文字で使われる脳領域が違うんだ~」ってことです。
今回も「ある論文」が元ネタになってますm(_ _)m