診療報酬明細書(レセプト)の申請 #00075
国民皆保険の日本ですから、診療に伴う医療行為には加入している保険の枠組みから一部(7割以上)が支払われます。医療機関が申請するものを「レセプト」と言い、厳密なる審査の後、医療機関に支払われます。この仕組みについて解説します。(小野堅太郎)
レセプトとは「診療報酬明細書」のことです。ドイツ語のRezeptから来ています。動画では「保険者」と出てきますが、個人ではなく、国民健康保険保険団体連合会とか社会保険診療報酬支払基金などなど患者が加入する保険団体のことです。医療機関は、レセプトを電子的に提出しますが、これは保険者に届く前に「審査支払機関」にて機械的にチェックされ、その後、医療関係者によりチェックを受けます。そして、そこを通過したレセプトは「保険者」に送られ、再度チェックを受けます。こういった保健医療についての規則は、健康保険法の「保険医療機関及び保険医療担当規則」、略して「療担規則」で全24条に定められています。
歯科矯正は一般的に「保険がきかない」と思われていますが、一部の病態に関しては保険が効きます。これは厚生労働省が公開しているPDF「保険診療の理解のために【歯科】(平成30年度)」の20ページにリストがあります。興味のある方は、参照してみてください。
今回の内容も歯学部学生や研修医の皆さんにとって、結構ためになる話だと思います。ご活用ください。
00:23 診療報酬明細書(レセプト)
02:28 支払われる仕組み
04:00 審査支払機関とは何?
07:10 レセプト作成の流れ
12:23 レセプトを踏まえたカルテの記載例
16:24 歯科矯正も保険が効く場合がある
補足・訂正
医療従事者むけに「しろぼんねっと」というのがあります。「診療報酬点数」や「薬価・添付文書」といった情報は、頻繁に更新されるため、常に最新情報を得ておかないといけません。このサイトでは「点数」をいち早く検索して見つけることができます。1点は10円です。皆さんが受けた治療が「いくらなのかな?」と疑問に思ったら調べることができます。会員になると、質問ができるようになります。
動画クイズの答え
歯科医師免許は、歯科医療を行うためには絶対必要な免許です。他の職業としては、小野のように「歯科医療を行わない教員・研究者」や、他にも「保険医療行政関係(医系技官や保健所長、衛生監視員など)」の仕事に就けます。歯科医師免許を持っていると月当たりの給料にいくらか上乗せされます。これらの仕事に就くには、今の時代は博士号を持っていた方がいいです(募集段階で「博士号を有する」とある場合が多い)。