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長崎へ–まとめ1

1日目
・✈️移動(帽子をなくす。現在捜索中)
・スターバックス長崎時津店の接客に感動
・宿へ
・カフェオリンピックにてパフェ
・お散歩
・大浦天主堂、付近の住宅地で迷子
・ローカルスーパーたのしい

2日目
・浦上天主堂
・平和祈念像
・原爆資料館
・永井隆記念館
(修学旅行みたいなコースだ…)
・ブルーベリータルトとアジフライ定食
・お散歩

3日目
・ミサ
・立山公園
・カフェ&レストランボエームのトルコライス
・二十六聖人と信仰
・猫パンチとマダム
・お散歩
・宿にて荷造り

4日目
・宿をたつ
・スターバックス長崎時津店の接客に今一度感動
・✈️移動、東京着
(・愛知県へ)

以上、ざっくり足跡

まとめとして、あんまり日記に書かなかったことを書こうと思います。

◯平和公園、長崎原爆資料館のこと
2日目に行った平和公園、原爆資料館。
なにか“くらう”ものがあると思っていたけれど、原爆資料館で鳥肌が止まらなかったこと以外、特別トラウマになる、感情的になることはなかった。
3年前に『明日–一九四五年八月九日・長崎–』という舞台に出演した際、そして2年前に『樫の木坂四姉妹』(こちらも長崎の原爆が大きく関わるもの)の演出助手をつとめた際は、扱っている内容が本当にしんどくて、くらっていた。戦争ものはもうやりたくない!無理!と断固拒否/宣言していた自分とは思えない落ち着きっぷりで巡った。
むしろ、伏線を回収せねばという姿勢で若干前のめりによく見てよく聞こうとしていた。

伏線、とはなんだろう。
なんで今長崎に来たのか、だろうか?
「なんとなく」
「目的はなくて」
「行くと決まっているから」
行く前に会った人にはこう答えていた、と思う。
長崎に向かう飛行機の中で、その源流をちょっと思い出そうとしてみた。
長崎という土地が自分をかたちづくるものの中に入ったのは、かなり小さいとき、自分の誕生日が長崎の原爆の日と一緒だと知ったときだと思う。黒柳徹子と同じ誕生日だよ、なんて言われてもしっくりこなかったけど、原爆の日はしっくりきた。そして、なんだか広島ばかりが世間の注目を集めているようで、長崎だって…!と少し傷ついたのだった。テレビっ子だった私は8月6日と9日の放送を朝から晩まで見比べて(夏休みに超絶インドアである)、広島と長崎の扱いの差に落ち込んだりもした。
でも、それを家族に伝えたことはなく、長崎に行きたいとねだったこともなかった。
高校の修学旅行で広島に行った。
①広島奈良京都 ②東京 ③九州三県(長崎含む)
の中から投票で選ぶ形式で、嬉々として③に投票したが、①が7割、②が約3割、③は0.0何パーという散々たる結果だった。
中学の修学旅行は沖縄だったので、言い方が違うと思うが、ニアミスである。
長崎に惹かれる心はそのままに実際に行く機会は得られなかった。その後、大学時代は、人とはこうやって生活したり交流したりするものかと大いに戸惑っていて心が外に向くことはなかった。

今回の長崎の旅はタイミングが完全に合っていた。慌ただしい引っ越しのぽっかり空いてしまった4日間に決行したというのもあるけれど、小さい頃や、修学旅行という機会では絶対に得られない情報を受け取れる心身で行動できた。
受け取れる心身、と勢いで書いたが、的を射ていると思う。これを手に入れたのは最近で、この後に書く予定の信仰についてとも関わってくる。
私は、自分のことを根無し草だと思っていた時期があって、センチメンタルに書き換えると、どこにも居場所がない/しっくりこない。でも、私にも根を下ろせる土があることがわかり、それがきっと信仰で、土があるからこそ水や光を浴びてそれが内部によく渡る。イメージ。
え、ちょい恥ずい。黒歴史にならんかなこれ。
心は上記のイメージで、体はただただ健康であること!よく動きよく眠る。

さて、なんで今長崎に来たのか?をまとめると
小さい頃から積み重ねてきた衝動を受け取れる心身ができたよ!というタイミングがここだった、になるのかも。
受け入れるって変換ででてきたので書くけど、受け入れるのはしんどいけど、受け取るのはしんどくない気がする。自分の中に入れるのと自分の手で取ってみるのは全然違う。2、3年前の私だったら受け入れていたことも今なら受け取れるってことだろう。


全然、平和公園、資料館に触れないのもあれなのでちょっと詳しく書こう。
Googleマップで見直してみると、平和公園だと思っていたところが平和公園と爆心地公園と分かれていた。

爆心地公園の右下方向に原爆資料館がある
管轄が違うのか?

2日目の道順通りに、まず爆心地公園から振り返ろー

当日は重たい曇天で、予報では昼過ぎから雨が降るとのことだった。前日と比べると明らかに寒い。
それでも人はいて、旧浦上天主堂の壁や被爆50年の像、原子爆弾落下中心地碑の前にぽつぽつと立っていた。カメラで碑を撮り、すっと去っていく。そうすると人が入れ替わるように来て、またカメラやスマホに碑をおさめ、去っていく。
その日、私は『祈り/長崎』を持って聖地巡礼のようなことをしていたのだけど、なんというか、写真撮るだけ撮って映えとか重視で写真オッケーSNS頼みな展示かよー云々…ハッシュタグ使って平和祈れる人種になりたかったわというもう世界全部敵みたいな気持ちになって、ここが一番しんどかった!!!

前述を裏切っていく…超感情的。

その感情を持ったままお祈りすることは良いことなのかわからないまま、落下中心地碑に向かった。
1945年8月9日11時02分。
落下中心地碑はその名の通り、原子爆弾の落下地点から黒い石碑が天に向かって延びている。時間を巻き戻そうとして途中で硬直してしまったようにみえた。
その前に立ち、いろんな感情が渦巻いている中、目を閉じ手を組み合わせると、(説明難しい)、するすると、お祈りのことばが紡がれる。
少し長いくらいそうしていたのかも、しれない?
お祈りが終わり、後ろを振り返ると男女がこちらをうかがっていた。もしかして長いこと待っていたのだろうか?会釈して離れる。
次は平和祈念像をみに行こうと公園を出る直前、先ほどの2人が気になり振り返ると、石碑の前で手を合わせていた。なんだかとても救われた気持ちになった。傲慢で贅沢な気持ちだった。

どうしてもこんなに曇りだったよってみてほしい写真

空が崩れたのは、平和祈念像の裏にある、作者の言葉を眺めながら、ここ最近の自分が影響を受けた作品を反芻している時だった。
微かに頭痛がしていた。
考えすぎたなーと思い、離れる。
普段持ち歩いていない折りたたみ傘を持っていたのは私の手癖ではないので、きっと誰かがしらせてくれたのだと思う。
誰だろう。

平和祈念像の空を指す右手は原爆を、地平を撫でる左手は平和を表しているらしい。
みていると、飛んでくる。あたらない透明なミサイルが頭上を通過する。

雨を避けるように移動して原爆資料館に入った。
たくさんの折り鶴。
核兵器廃絶日本キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞したのは去年の12月だ。これまでの活動をまとめたパネルやメンバーのサイン、受賞おめでとう!の寄せ書きが展示されていた。
実はチャリティグッズを購入を通じて活動を応援していたので、しみじみうれしい。
下記のURLから3/3まで支援できます。ぜひ。
https://jammin.co.jp/c/charityfor/nuclearabolitionjpn/

常設の展示を鳥肌たてながらよくみて、よくきいた。全体的に黒く、冷たい雰囲気だった。
その後、企画展の部屋に入る。
常設展示と趣が異なり、白壁の部屋で、明るい。

『遺され、引き継がれた8月9日』フライヤー

当事者または遺族から、資料館に寄贈されたものが展示され、寄贈時のエピソードが記されている。
記憶に残っているものだと
学徒動員先で亡くなった兄からの手紙。寄贈したのは、この資料を多くの方にみてもらうことが供養になると考えたためだそうだ。寄贈者は生き残ってしまった負い目を感じていた、とも記されていた。
自身の8月9日の体験を思いおこして書かれた原稿。寄贈者はその記憶を墓場まで持っていくつもりだったそうだが、孫をみていて、その子にだけは伝えたいと心境の変化があったそうだ。

時間の経過によって薄れていくものもあれば、時間の経過によって変化し、後世に遺す、引き継ぐ、という方向に向かうものもあることに感動を覚えた。

収蔵品とともに納められたエピソードは貴重なものらしい。資料館が出来た当初から寄贈品は多かったそうだが、体制が充分ではなく、開館当時の寄贈品にはエピソードまで遺されてはいないとのことだった。

長崎の地形を感じてもらえるのではないか、?な写真

資料をみながら、1日目に散歩した長崎市の地形やこれまで関わった演劇作品の想像上の長崎市の地形をなぞっていた。聞き覚えがある地名が実際に地続きに繋がり、だんだん立体的になっていく、そこに原爆の被害/熱線が放射状に拡がっていく。
おそろしいとか、そういうものでなく、もっとシンプルな命の危機だ。ぞわぞわする。

この日は曇っていた。
1945年の8月9日も曇りだった。
その雲のために、ファットマンを積んだB29は撤退も選択肢のうちにあった。
ひと筋の晴れ間ができ、そこに原爆は投下された。
資料から知識としては知っていたけれど、やっとわかった。
こうやって、いろいろなことをちゃんとわかっていきたいと、やっとわかったこと。
今回の長崎への旅で得たもののひとつだ。


(まとめ1にした。本当は長崎まとめ!として全部書いてしまおうと思ったけど、ここでいったん切ってしまう方がよさそう。ここまで読んでくれた方、本当にありがとう!次は信仰について、近況を交えながら書きたいと思ってます。)

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