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2拠点「婚」はじめました。⑤

さて、いよいよ入籍という段取りまで辿り着いた私たち。
しかし、法律婚においても事実婚の良さを取り入れたい、という思いもありました。
しかも、正直に言うと、このまま2拠点婚に突入していく不安というものが少なからず私にはありました。
妻は、不安に思っていなかったと思いますが。

そこで、私なりにどうするのが良いのか、考えた結果
・・・・

「婚前契約書」を作る、ということにしました。

「婚前契約書」を作った理由

なぜ、そういう結論になったのか?
これについては以下に説明していきます。

1 正当理由
同居義務違反を回避する方法として、同居していないことに「正当理由」が必要という話をしましたが、その正当理由を明確にするために、記録に残す必要がありました。

2 夫婦生活としての実態の確保
次に、2拠点婚を無理なく継続し、かつ、夫婦としての実態を確保するための方法としてどうすべきか、ということを考えたときに、実際に会う(共に過ごす)頻度を明確にしておいた方がよいのではないか、と思いました。

3 経済的な独立
法律婚では、以前書いたように、経済的自立・独立は前提とされていません。そのため、共に働く私たちは、妻の希望もあって、経済的に相互に独立した存在としてあろうと考えました。

4 家事・育児への平等な参加
これについても、法律婚では前提とされていないので、私たち夫婦は平等な負担、対等な関係であることを明確にしてきたかった。

以上の事情を考慮して、それらを実現するための方法は何か?
と考えたとき、答えは自ずと「婚前契約書」の作成というものにたどり着いたというわけです。

具体的な内容

私も仕事上、作成する機会があるのですが、婚前契約書には、通常以下の項目を盛り込むことが多いです。

婚前契約書に記載する内容
①夫婦の協力合意(家事の分担など)
②出産・育児の取り決め
③財産関係の取り決め(独立か共有財産の定めなど)
④離婚時の取り決め(慰謝料・養育費・財産分与など)
⑤不貞・DVなどの場合の慰謝料の取り決め
⑥親族との同居について(親の介護など)

大きくは上記のような内容を協議して定めることが多いです。
私も仕事として請け負っているときは、上記の項目を漏らすことなく、きっちりと定めていきます。
ただ、自分事となると、そうはいかないのが人間というものでして。

私は、まず、婚前契約書という名称を「婚姻誓約書」と少しマイルドな印象の文言に変更し、かつ、離婚や不貞といった将来夫婦関係が失われることを前提とした規定を結婚前のこの時点で、定めることがどうしてもできませんでした。
これまでの依頼者の皆様が、いかに冷静で、覚悟を持って婚前契約書を作成していたのか、ということを痛感しました。

それで、私はどういった内容にしたのかというと・・・

まず、第1条に、拘束力などまったくないけど、結婚するにあたっての理念を掲げて、その後は誓約事項を定め、同居しないことの正当理由を規定しました。
共に過ごす回数は、少なくとも月に2回と定め、財産的な独立と家事・育児を平等とし、規定の見直しを毎年行うことも定めました。

ちなみに、よくよく考えると、同居しないことの正当理由を定めなかった場合、離婚時に、そもそも同居していないので、夫婦共有財産は存在しないという主張ができてしまうのではないか、ということにもなりかねず、改めて定めておくことがお互いのためになったのではないか、と思う今日この頃です。

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内容については、妻にも確認してもらい、入籍直前にお互いが署名押印し、1通ずつ保管しています。
私は、部屋の見えるところに貼っていつでも確認できるようにしています。
妻は、トイレに貼っています。
それほど多くのルール、取り決めをしたわけではないですが、都度確認できることや実際の生活に従って毎年規定をし直すことができることは、離れて暮らす夫婦にみならず、同居している夫婦にとっても大変有意義なことなのではないかと思います。
ちなみに、私たちは、公正証書にはせず(そもそもできるのか問題もありますが)、内容を自由に設定でき、毎年の見直しがやりやすいように私文書による方式を採りました。

こうして、無事、2拠点婚生活をスタートさせたわけですが、
これからは、2拠点婚生活の実際を日記的に綴っていきたいと思います。

それでは、良い1年、良い1日を!

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