#025 いいプロセスが生む2つの効果|プロジェクト成功の研究日記
こんにちは。management studioの吉見です。
プロジェクトは事業のアイデアと、そのアイデアで利益や意義を生む運営をつなぐ、実現のためのプロセスです。
最終的には具体的なアウトプットがありますが、プロジェクトマネジメントが対象にしているのはプロセス。
プロセスは目に見えないしタラレバがないので、プロジェクトマネジメントの有用性やパフォーマンスに対する評価は難しいのが実情です。
実際、プロジェクトを通じて価値のある成果が実現されたとしても、要因が複合的なのでプロジェクトマネジャーとしては胸を張って「自分がやった!」と言いづらかったりします。
しかしプロセスの良し悪しというのは確実にあります。そして、いいプロセスかどうかは2つの効果から判断できます。ひとつは成果、もうひとつは満足度です。
まずは成果。成果そのものに対して胸を張ってプロジェクトマネジメントの効果を主張しにくいとしても、成果実現に至るプロセスについてはハッキリと主張することができます。
価値実現につながる成果のためにはリソース活用と最適解の積み上げが不可欠です。そして、これらはプロセスによって大きく左右されます。
ただ何となく適当にプロジェクトを進めても狙い通りのものはできないし、いくらいいアイデアがあっても、いいアイデアだからこそ待ち構える高いハードルを超えられず実現できません。
いい成果はいいプロセスからしか生まれません。
もうひとつは、満足度です。
いいプロセスというのはステークホルダーの満足度が高いということがアンケートで分かっています。
そしてオーナーやクライアントだけでなく関わった人たちの満足度が高いということは、プロジェクト成功の指標のひとつであるQ、C、D(品質、コスト、納期)のベースラインを達成している度合いが大きいと言えます。
いいプロセスはステークホルダー全体のビジネスを成功させwin-winの関係をつくります。
みんなで仲良く、ということではありません。プロジェクトには様々な立場の人が関わるので利害関係が生まれます。
放っておくと発注者優位のゼロサムになりやすいですが、ひとつのプロジェクトで発注者が勝っても業界全体や社会全体の長い目で見ると、受注者が見つからずにプロジェクトができない、受け手がいたとしても人手不足で高値になる、という発注者にも不利益があるマイナスサムになり兼ねません。
長い目で見て社会全体がプラスサムになるためにも、いいプロセスは重要です。
プロジェクトマネジメントはなかなか評価されずらい職能です。
しかし、そんな中でも実現するプロセスの重要性とそのプロフェッショナルとしての自覚は大事だと思いますし、もっと主張していくべきだと思います!
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吉見周平
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