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大企業で出世する方法(1)3つの勘違い

大企業ともなれば出世することは大変なことです。出世を目指し努力されている人も多いと思いますが、その中でよくある勘違いが3つあります。まずは、そこを押さえておきましょう。

経営3.0note

3つの勘違いはこれです

最初に書いておきます。わかっている人はこの記事を飛ばしてください。
(1)与えられたことをきっちりやれば出世できる
(2)とにかく数字を作れば出世できる
(3)斬新なアイディアや画期的な企画を提案できれば出世できる

自分の感覚で(1)〜(3)のように考えているのであれば、それだけではあまり効果はありません。では、順に解説していきましょう。


与えられたことをきっちりやれば出世できるわけではない

責任を持って、ちゃんと仕事をきっちりとやりこなせば、いずれは出世できると思っている人もいます。でも、それだけではNGです。与えられたことをきっちりやるのは、当たり前のことで、アドバンテージにはなりません。

このような人は要領の良い人や仕事がしっかりできていないような人が出世すると「自分のほうが仕事ができるのに、なぜ仕事のできない人が出世するのだ」と不満を言いたくなるでしょう。ゴマをすっているだけの人に自分が負けたと思えば、自尊心が傷つきます。

では、なぜ、その人が出世したのでしょうか?

仕事をきっちりやること以外に、大事なことがあるということです。

指示待ち、あるいは、言われたことだけをやるという人は、出世できません。たとえ仕事を完璧にこなすことができたとしてもです。

仕事をきっちりやって認めてもらえるというのは、あくまでも従業員としての評価です。従業員としての立場を超えるものが見えてこない人は、あくまでも従業員であるべきでしょう。


とにかく数字を作れば出世できるわけではない

営業担当者は数字で評価されます。そこで、数字を作れば出世できると思う人もいるでしょう。しかし、数字だけではNGなのです。

実際に多くの企業では営業の数字を作れば出世するケースは多いです。出世をモチベーション材料にして、営業に力を入れさせる企業が多いのは事実です。

こんなケースを考えてみてください。企業全体の数字が悪い場合です。そのようなときに数字を作った人はどんな評価を受けるでしょうか。悪い状況の中でも数字を出す人がヒーローのように出世することもあります。しかし、多くの企業の場合は違います。そのノウハウを部署全体に波及させて、企業全体の数字をあげるようにしてもらいたいと会社は考えるのです。自分のノウハウを他人に与えるのはもったいない、自分だけ飛び抜けた成績を収めたいと考えるの出れば、せいぜい課長止まりでしょう。いや、管理職よりも専門職や歩合制の仕事がフィットするでしょう。

これからの企業の人事政策として、ゼネラリストより専門職、メンバーシップ型よりジョブ型を志向する企業が増えていくかもしれません。そのような企業であれば、出世ではなく「個人成績」を上げて収入を上げることは可能です。しかし、出世はできないでしょう。

出世するのであれば、会社全体にとってプラスになる人間でなくてはなりません。ただ、数字を作る人は会社にとっては役に立つ従業員です。地位よりも報酬で応えればよいと会社は考えます。


斬新なアイディアや画期的な企画を提案できれば出世できるわけではない

行き詰まった企業を打開させるような画期的な企画や、まわりをあっと言わせるような斬新なアイディアを提案できれば出世できると思う人もいます。でも、それだけではNGです。

新しい企画が必要な時に、サッと提案できることは重要なことです。しかし、今、会社が求めているのは、新しい企画なのでしょうか? 新しい企画が重要だと、あなたが思っているだけだとしたら、どうでしょうか?

もし、上司が部署の目標を果たすべく、キリキリしているときに、無関係な企画を持ってこられても、読む気にもならないでしょう。場合によっては、能力を認められるどころか「今やるべきことをやってくれ」と言われてしまうかもしれません。そんな上司を企画の重要性をわかってないと思うかもしれませんが、あなたが上司の立場だったらどうでしょうか?あなたこそ、今の部署の状況をわかってないと思うでしょう。

自分が思う価値観や優先順序と、企業や会社が求める価値観・優先順序がずれていたら、出世することは難しいのです。

あくまでも、出世というものは今の価値観にのっとって評価された人が手にするものです。


ただ、企業としても、一つの価値観が通用しなくなったとき、つまり顧客から支持されなくなり売上が減少し企業の存続が危ぶまれたときになったとき、そこで初めて新しい打開策を探しに行きます。「そのタイミング」で「それなりの立場」で新しい価値観を打ち出すのでなければ、出世にはつながりません。


出世への勘違いは、自分視点だけで見ているから

こうすれば出世するだろう・・と自分勝手に考えていては、独りよがりの「ずれまくった努力」になってしまう恐れがあります。

そもそも、出世する人を選ぶのは、誰でしょうか?

基本は上司(所属長)と人事部です。

多くの企業では、所属長の評価の悪ければ昇進は難しいでしょう。稀に上司からの評価がイマイチでも多部署から引っ張られていくこともありますが、それはあくまでも例外です。上司が良い人でも悪い人でも、とにかく上司の評価は重要なのです。

もう一つは人事部からの評価です。新しい部署の創設などがあれば、過去の評価にとらわれず、本人の経験や保有資格など様々な要素で抜擢されることがあります。また、昇格試験などの成績が良ければ、昇格の可能性が上がるのは確かです。しかし、一番近くで見ている所属長の評価が低ければ昇格は見送られる可能性が多いでしょう。多くの企業では試験だけで昇格できるのは低位の職位に限られいるはずです。

上司と人事部と言いましたが、実際は上司が8割握っていると思って間違いないでしょう。


いずれにしても「出世させたいような人物かどうか」を判断するのは、あなた本人ではなく、上司や人事部だということです。

自分視点で、企業のために必要な努力するのも悪くはありません。いつか花開くことがあるかもしれません。しかし、最速で出世するためには、上司の視点、人事部の視点で社内をみることが必要なのです。これは従業員目線ではなく課長目線でものごとを見ているか、あなたが課長であれば、課長目線ではなく部長目線で物事を見ているか、ということになります。

上司のごますりをしろと言っているのではありません。自分目線だけの人は自分の都合でものごとを考えてしまいがちです。間違った努力ではもったいないですよね。自分にとって良いこと、会社にとって良いこと、顧客にとって良いこと、複数の視点で考えた上で、最善の手を打てるようになりましょう。

会社という組織の中で出世していくためには、組織の流れや力関係など、組織そのものをある程度は知っておかなくてはならないのです。たとえあなたが正しくて、会社の方向性が間違っていたとしても、それが現実なのです。理不尽かもしれませんがそれが組織でもあります。もちろん、理不尽なことをずっと我慢して欲しいとは思っていません。このNOTEでは、あなたがやりがいを持って頑張ってもらえるようにサポートしたいと思っています。

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意識的に、視野を広げていきましょう

忙しいと目の前の仕事で精一杯になり、視野が狭くなってしまいがちです。

ときどき、会社全体の動きを見るようにしましょう。そして、上司が何を求めているのかを理解しましょう。単なる従業員として使えるというレベルでは、従業員止まりです。部署全体、会社全体がどの方向性で動いているのかを知ったうえで、自分の仕事に生かさなければなりません。


たとえば後方部門である経理担当であれば、会社全体の経営戦略の能力を求められていないでしょう。求められているのは、経理を切り盛りできて、時代に合った新しい経理の切り口についても対応できる能力です。「この部門はあいつに任せておけるな」と思ってもらえるようになるのが第一歩です。経理担当の中でも、さまざまな役割が分業されていると思いますが、自分の役割だけでなく部署全体の役割についても理解しておきたいものです。さらに社内における経理という部署の役割と部署全体の大きな方向性を知っておかなくてはなりません。所属長の意図を理解して、部署としてその目標を達成できるようにサポートしましょう。

第二歩は経理部門と関係性の強い部門の要望を把握したり、対立した場合に折衝したり、あるいは社外の業者と調整するなどの能力です。自分が関わる他部署に対して、相手の要望を正しく聞いて真意を理解すること、自部署の立場を正しく伝えること、会社のために何がベストか判断し提案することが望まれます。ここでも、自分視点だけではうまくいきません。相手の視点、会社の視点を持つ必要があります。

第三歩は会社のための戦略を描くだけの知識や能力をつけ、人脈や社内への影響力をつけ、実行力を上げることです。しかし、従来型の出世を考えたら、そのアイディアはまだ表に出さないほうがベターかもしれません。このあたりは企業によって差が大きいので、なんとも言えません。最終的にはあなたに企業の戦略的な経営に携わって欲しいと思っていますから、いずれ別の記事でお話しします。


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「あ、今までちょっと自分目線でものごとを考えていたな」と思ったら、とりあえず第一歩に立ち戻ってみることをお勧めします。


大企業で出世する方法、次の記事はこちらです。


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