![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146847640/rectangle_large_type_2_d8b8df1865aeb148205761395bc719cb.png?width=1200)
真夜中の電話
ある晩、大学生の美咲は一人でアパートにいました。
夜遅くまで勉強していたため、気づくと真夜中を過ぎていました。
静まり返った部屋の中で、突然電話が鳴り響きました。
驚いた美咲は電話を取ると
受話器の向こうから低い声が聞こえてきました。
「今、部屋の中にいるよ。」
美咲は冷や汗をかきながら周りを見渡しましたが
部屋の中には誰もいませんでした。
彼女は友人のいたずらだと思い、無視して電話を切りました。
しかし、数分後、再び電話が鳴りました。
「今、君のすぐ後ろにいるよ。」
恐怖で動けなくなった美咲は、振り返ることもできませんでした。
彼女は再び電話を切り、警察に通報しようとしましたが
電話が途切れてしまいました。
恐る恐る後ろを振り返りましたが、やはり誰もいませんでした。
その夜、美咲は眠れぬまま朝を迎えました。
翌日、友人たちにその話をすると、皆一様に驚き、彼女を心配しました。
警察にも報告しましたが、特に異常は見つかりませんでした。
それから数日後、美咲は再び真夜中に電話を受けました。
今度は受話器の向こうから、微かな囁き声が聞こえました。
「逃げられないよ。」
彼女は恐怖に駆られ、アパートを飛び出しました。
友人の家に避難し、その夜は一緒に過ごしました。
しかし、彼女の友人の家でも同じように電話が鳴り
美咲の耳元で囁くような声が聞こえました。
「どこにいても見つけるよ。」
恐怖がピークに達した美咲は、警察と共にアパートに戻り
部屋を徹底的に調べました。
すると、ベッドの下から古い携帯電話が見つかりました。
その電話はずっと通話状態になっており
美咲の声を録音する仕掛けがされていました。
美咲はその携帯電話を警察に渡し犯人が誰なのかを突き止める調査が始まりましたが、結局犯人は見つからず・・・
美咲はそのアパートを引っ越すことにしました。
それ以来、彼女は夜中に電話が鳴る度に恐怖を感じるようになりました。