鏡の中の影

ある日、若い女性がアンティークショップで美しい古い鏡を見つけました。

彼女はその鏡に一目惚れし、すぐに購入しました。

家に帰ると、彼女はその鏡を寝室に飾り
毎日その前で身支度をするようになりました。

最初のうちは何の問題もありませんでした。

しかし、ある夜、彼女がベッドに横たわっていると
鏡の中に動く何かが映り込みました。

彼女は最初、それを自分の目の錯覚だと思いましたが
次の夜も同じ現象が起こりました。

鏡の中に映る影は次第に明確になり
それが人の形をしていることがわかりました。

影は彼女をじっと見つめ、次第にこちらに近づいてくるように見えました。

恐怖を感じた彼女は鏡を布で覆い、見ないようにしました。

しかし、影は布越しにも現れるようになりました。

彼女は鏡を捨てようとしましたが、何故か手放すことができず
鏡を家のどこに置いても影が現れるようになりました。

彼女は次第に睡眠不足になり
日常生活にも支障をきたすようになりました。

ある晩、彼女は決心して鏡を割ろうとしました。

ハンマーを手に取り、鏡に振り下ろしましたが、鏡は割れませんでした。

その代わりに、鏡の中の影がますます鮮明になり
影は鏡から抜け出そうとしているかのように見えました。

彼女は恐怖に駆られ、鏡を家の外に持ち出し、遠くの川に投げ捨てました。

しかし、その夜、彼女がベッドに横たわっていると、再び影が現れました。

今度は鏡ではなく、壁や天井に影が映り込み、彼女を追い詰めてきました。

彼女はその夜、恐怖に駆られて家を飛び出し
二度とその家には戻りませんでした。

それ以来、その家に住む者は皆
夜になると壁や天井に不気味な影が現れると・・・