フォイラー長海苔が見る新セット Vol.32 サンダー・ジャンクションの無法者【Foil】
フォイラーに光りあれ!
最近暖かくなって雨の日が続いたりしてシングル買いやパックから出た裸のフォイルをすぐスリーブに入れないといけない強迫観念が増すばかりですね。
長海苔です。
ここでは光る紙をしばきまわす私が、構築フォーマット(主にパイオニア~レガシー)に使用する範囲で新セットから個人的にフォイルでおさえておきたいなーと思ったカードついて、買い物用メモついでにピックアップしたものを垂れ流していきます。
今回は記事も長め!
では前置きもほどほどにさぁいくぞ!
潜入者、悟
踏み倒しで非トークン生物が場に出るとキャントリップを付与するガラの悪くなった悟。
2マナ2/3威迫と生物としての素のスペックも悪くなく、キャントリップ誘発は下環境だと既存のものなら0コスト生物に親和に忍術にモダンホライズン産の想起エレメンタル群、『霊気の薬瓶』や『集合した中隊』といった踏み倒しカードなど、シナジーを形成するカードや能力は数多く存在するため思った以上にいろんなデッキで採用を検討できそうだ。
なんだったら統率者としての人気もありそうなため諸々ピンと来たなら光らせてみてはいかがだろう。
峰の恐怖
基本セット2021から、相手から対象に取られる度に3ライフを強要し、後続の生物が場に出るたびにそのパワー分のバーンダメージを飛ばすドラゴンが再録。
そもそもスペック的にしっかり使えるドラゴンというだけでなく、誘発にクリーチャータイプを問わないため統率者需要もありフォイル単価も全然落ち着かなかった(拡張版フォイルとかずっと高いよね。)
単純にドラゴン部族デッキに挿される以外にも、ドレッジに入れてリアニ呪文で釣り上げて横展開で焼き切る使われ方だったり、『明日への瞥見』のような豪快なパーマネント入れ替えデッキなどで使用されたりでの実績もある。筆者もレガシーの赤単プリズンにピン挿ししたりしていたので色々と思い出深い。
スタン需要が間違いなく強いであろう1枚なのでフォイル単価の下落自体はそこまで期待できないが、購入タイミングを見失ったままだったフォイラー諸兄にとっては購入を考える良い機会だろう。
嵐の咆哮、エリス(統率者)
統率者カードより、墓地にあるインスタントかソーサリーの『マナ総量の種類』の数だけコストが軽くなり、毎ターン自分が2つ目の呪文プレイでドラゴンを生成するエレメンタル生物。
取り敢えず墓地にマナ総量4種のインスタントソーサリーを揃えて最安で唱えた場合、2マナ4/4飛行果敢+クリーチャートークン生成能力(飛行果敢付き)とかいうアルティメット『若き紅蓮術士』みたいな性能となるため、まぁもし仮にモダンとかで使えちゃったら不味いパワーのカードだなぁという感じ。
しかし既に環境にいる『濁浪の執政』は墓地を食う都合で相性が悪く、加えて墓地に4種のマナ総量のインスタントソーサリーを揃えるのも、なんとな〜くURデルバーを例に思い浮かぶカードをマナコスト別にピックアップしてみると、
0マナ:
1マナ:『稲妻・邪悪な熱気・稲妻の連鎖』『渦まく知識・思案・定業・思考掃き・考慮』『もみ消し・呪文貫き』etc.…
2マナ:『目くらまし』『発展の代価』『予報』
3マナ:『否定の力』『舞台照らし』
4マナ:『火+氷』
5マナ:『意志の力・誤った指図』『ロリアンの発見』『水没』
8マナ:『乱暴+転落』
こんな感じで3マナ〜4マナ域のカードの確保が厳しいのと0マナの『ミシュラのガラクタ』がカウントされないことが辛いため既存のURデルバーで使うには『ドラゴンの怒りの媒介者』以外にもセルフミル出来るカードを入れたり構築を工夫する必要が出てくる。
または色を足して奇跡や続唱など、代替コストでプレイしたりテンポアドを稼ぐカードでマナ域を埋めるようにすれば2マナキャストの難度も変わってくるだろうが、何にしても色的にもキャスト軽減の能力的にも『濁浪の執政』との競合は避けられないうえ伝説持ちで手元でダブつくしカラカスにも引っかかるため4枚フル採用も難しいだろう。
なんだかちょっとマイナスな文言が続いてしまったものの、仮にこれがURデルバーの新たな新戦力として加わった場合は昔の『若き紅蓮術士』がスタメンだった頃よろしく横展開のベクトルの攻め方も可能になるため、筆者としては実はかなり期待値高め。
何だったら青赤入りのコントロールデッキで使う際はデルバーよりマナ域が重めに散らせるので相性も悪くなく、疑似メンター的な使い方をしても全然機能してくれそう。
マジックにおける人気色なのと拡張版はコレクターブースター限定排出なのでフォイル単価は少し注視しておきたい。
身代わり合成機(ビッグスコア)
EtBで占術2。3マナ以上のファクト着地でファクト数参照P/Tの構築物が出てくる置物。
今回のセットで特にやらかしてるような気がするカードその1。下環境であれば親和だの即席だのでコスト軽減から出てくる高マナ域のアーティファクトがいるのは特に初代ミラディンを通った人やその時期以降のモダンを経験した人なら嫌ほど分かるだろう。
また、『歩行バリスタ』や『搭載歩行機械』のようなXコストのファクトも下環境で活躍し続けていることを考えるとモダンの親和や鱗親和での活躍が見込めるか。
上記2枚をサクるなりカウンターを0にして墓地に送り、『湖に潜む者、エムリー』で毎ターン3マナキャストすることで横展開も面白そうだ。あれ?なんでこいつ伝説持ちじゃないんだ・・・?
普通にスタン需要も凄そうなうえ、統率者でも無限コンボが既に発案されているシロモノのためフォイルを購入するタイミングは特に気をつかいたい。
倦怠の宝珠(ビッグスコア)
新たなるファイレクシアより生物のEtB誘発を封じるファクトが再録。
昨今のクリーチャーのインフレによりサイドに挿される機会も増えつつあったものの初版より再録が長らく成されずフォイルの単価もガンガン上がってきており、今回の再録発表に際して歓喜したフォイラー諸兄は多いことだろう。筆者もまさにその中の一人。
アーキタイプによってはこれ1枚で完全に機能不全に陥らせ、使う側にイージーウィンを提供するようなこともあるためメタによって本当に重要になってくる強力なサイド要員。
特に『静寂をもたらすもの』や『トカートリの儀仗兵』を使用できる白カラーに触れないデッキにとっては現状ほぼ唯一無二であるため、今回の再録では複数デッキのサイドに挿せる枚数を光らせておいても絶対に損はないだろう。
失われた十手
ファッ◯ンジャパニーズウェポンと名高い『梅澤の十手』亜種のような装備品。
本家よりマナ総量と装備コストが軽くなり、土地起こしとブロック禁止付与と+1カウンターを乗せる3モード、戦闘ダメージ誘発で乗る蓄積カウンターが1個に減るなど、元の十手とは殆ど別物といって問題ない。
とはいえマジックにおいて軽さは正義。
キャストして装備後、アタックを通して土地のアンタップまでそのターン中に行ったら実質1マナでキャストと装備を行えてしまうことになる。破格だ。
さらにブロック不可の付与は戦闘ダメージを通しやすくして蓄積カウンターを得る機会を増やし、土地アンタップ能力はステップやターンを跨いでも消えないな疑似マナ貯蔵庫、インスタントタイミングの+1カウンター付与は攻めにも守りにも強烈なプレッシャーを与える。
確かに元の『梅澤の十手』よりは多少見劣りするかもしれないが、こうやって字面にするとこの軽さでやれることの幅が広すぎてやはりこの十手もイカれてるのが分かるはず。
自身が無色1マナなのもあってこんなものスタンのいろんなデッキに入れられるだろうし、少ないマナでのコストパフォーマンスが上がっていく下環境ほど土地を起こすメリットが大きくなるので、本家『梅澤の十手』が禁止されているモダンあたりまでなら『影槍』と比較されることもあるだろうが、ブロック不可付与が『敏捷なこそ泥、ラガバン』とシナジーを形成するのも結構ヤバそうな気もする。
ということで、今回のセットで特にやらかしてるような気がするカードその2枠としてピックアップ。
無色でアホみたいに軽くてやれることいっぱいと書いてあるカードは取り敢えず光らせておくに越したことは無い!
精神壊しの罠(速報)
初代ゼンディカーより対ストームカウンターの罠カードが速報カードで再録。
対ストームデッキ用のサイドボードとして長らく使用されてきたカードだが、0コストでキャスト出来るということで最早フォーマットもデッキカラーも問わずに採用されまくった挙げ句、再録なしで需要ばかりが上がるためそのフォイルの価格もイカれた額に跳ね上がっていった。
安価なデュアランが買えるような単価に心を折られたフォイラーもいることだろう。筆者もその1人であった。
モダン以下のフォイラー諸兄、取り敢えずおめでとうである。単純に買おう。光らせて買おう。1枚とか生易しいので複数デッキ分ちゃんと光らせて筆者も買うぞ!
力線の束縛(速報)
団結のドミナリアより、モダン環境を定義づける除去の一つが再録。
基本土地タイプを3つ持ちフェッチランドからサーチも可能なトライオームランドにより2ターン目には1マナでキャストしていたものが、昨今カルロフ邸殺人事件で『ギルドパクトの力線』が登場したことによりトライオーム無しで1ターン目1マナキャストとかいう更にぶっ飛んだ性能と化したことでブイブイいわせているだけにこのタイミングの再録は素直に嬉しい。
刷られた当時はモダンで高Tierの『豆の木をのぼれ』禁止前の4色エレメンタルデッキがガッツリ積んでいたこともあってレアながらフォイルも中々の価格帯で、高Tierのデッキ帯を変えながら現在もトライオームに『ギルドパクトの力線』と『ドラコの末裔』のコンボが強烈なトライバルズーデッキが環境的に良いポジションになって使用され続けていることである程度の高値をキープし続けていた。
今回は初再録&特別枠の神話レア収録ということで下手をすれば元の初版カードよりフォイル単価が上がってしまう可能性もあるが、意外と供給量が出て安くなるようならこのタイミングで揃えてしまって良いだろう。
活性の力(速報)
モダンホライゾンより、緑のピッチ版アーティファクトエンチャント除去が再録。
こちらもモダン以下の環境においてサイドボードの候補によく上がる1枚。
相手が初手から『ギルドパクトの力線』や『虚空の杯』や『血染めの月』を置いてきてもこちらにターンが返ってくる前に最大2枚まで割れてしまうため、ピッチのタイミング制限とピッチコストによるハンドの消費はあれど、使える環境で尚且つコストにする緑カードの枚数に困らないデッキであればまず問題なく採用される。
特にカードのコストパフォーマンスが高くなる下環境ほど1ターン目から強力なエンチャントやアーティファクトを複数枚数展開しやすいため、コンボデッキが相手の先行1ターン目で置いてくる複数枚の妨害カードを突破する用にサイドインすることもよくあるほど。
元々がスタンダードを経由せずモダンに直に持ち込むために作られたセットのカードなだけあって、そのカードパワーと実績は折り紙付き。そして続くモダンホライゾン2にて再録を経験したもののフォイル単価は高値を維持し続けているため、問題ないならこの供給タイミングで光り物を揃えてしまうのもアリ。
再活性(速報)
テンペストより、強力な1マナリアニメイトカードが再録。
解決時に釣ってくる生物のマナコスト分ライフを支払う、と聞くとデメリットがエグいと感じるかもしれないが結局は自分のライフが0にならなければOK&こちらが死ぬ前に相手に勝てば問題ないのでこのカードが使えるレガシーではマジック最強生物の『引き裂かれし永劫、エムラクール』や大量ドローの『偉大なる統一者、アトラクサ』、アド差を押し付ける『残虐の執政官』、ほぼアンブロ6点パンチじゃねーか『カザド=ドゥームのトロール』などのマナコストに相応しい暴力のカードがこの『最活性』と1マナの『納墓』の計2マナで飛び出してくる。
アルティメットマスターズやコマンダーコレクションによる再録も経験しているが、指輪物語より『オークの弓使い』と『カザド=ドゥームのトロール』の登場で黒デッキがTierを上げ、青黒デルバーが『再活性』を積み始めたり、直近ではカルロフ邸殺人事件から諜報ランドでマナを使わず釣り上げる生物を墓地に送る手段が増えたことでこの『再活性』を使用する本家のリアニメイトデッキがTierを上げ、フォイル単価はいつの間にか高値に。
そもそもレガシーで昔からリアニメイトデッキは人気も実績もあるアーキタイプであるため今後も需要は上がり続けるだろう。加えて統率者需要もガッツリあるため、この再録は非常にグッド。レア再録ということで供給量もそこそこありそうな気もするため、このタイミングで一気に光らせ終えてしまうのも悪くない。
不屈の独創力(速報)
霊気紛争より、それぞれ対象を取って破壊したアーティファクトかクリーチャーのオーナーのデッキトップから捲れた他のアーティファクトかクリーチャーを踏み倒して場に出す豪快な能力のソーサリーが再録。
主にモダンやパイオニアにて、土地から出したトークンを呼び水にデッキから一種類しかないデカブツ生物を叩きつける豪快なコンボデッキの核となるカード。
こちらは単純に初版から7年の間、一切の再録がなかったためにフォイルの価格帯がエライことになっている。モダンとパイオニアというプレイ人口の多いフォーマットでの需要の影響も大きくあるだろうが、新セットでデカブツが新たに刷られるたびに強化されていく類のカードではあるので、大味なコンボが好きなフォイラー諸兄はこれを機に買い揃えてみるのはいかがだろう。
思考囲い(速報)
ローウィンより、マジックの代表的な手札破壊カードが再録。
使用率=強さという観点で見るならこの『思考囲い』はマジック最強のハンデスと言って差し支えない。
再録自体はもう幾度も経験しているものの、中途半端に1〜2枚積む程度で終わるようなカードではないためいろんなデッキで必要過ぎて頻繁な入れ替えを避けるために使うデッキ枚数分買い揃えるなどする人もそこそこいるハズ。
近頃はスタンダードも下環境も黒の隆盛が激しいためプレイを別フォーマットに切り替えるたびに『思考囲い』のデッキ間移動するのがしんどくなってきたそこのあなた、5枚目以降の思考囲いをここで買い揃えてみるのは如何だろう。
外科的摘出(速報)
新たなるファイレクシアより、墓地対策、デッキ破壊、デッキと手札覗きをマナ無し2点ライフ払いのみで同時に行える最強サイドボードの一角が再録。
こちらもマジックにおける墓地対策の代表格カード。
単純に墓地から出てくるカードを手札とデッキからも追放出来るが、特定のカードに頼ったコンボカードをハンデスやカウンターで墓地に落としたものを狙い撃ちするような使い方もするなど、単純な墓地対策カードというにはあまりにもやれることの範囲は広い。
ファイレクシアマナによる支払いのためデッキカラーを問わない具合は随一。こちらも使用できるフォーマットならば大抵のデッキ(初手から『虚空の杯』をというようなデッキは除く)で大体2枚ほどサイドに入るので、こちらもまだ買い揃えていないようなら買い揃えて問題なし。そして『思考囲い』同様に複数デッキ用に追加購入もアリ。
未認可霊柩車(速報)
ニューカペナの街角より、タップして2枚ずつ食った墓地カードの枚数だけP/Tが上がっていく機体が再録。
こちらも下環境にて優秀な墓地対策として活躍中。
2マナと環境で使われる墓地対策カードとしては少し重めであるものの、一度着地してしまえば相手のアクションに対応しながら何度も使い続けられるうえ大体2回ほど起動を終えれば殴りにいけるだけのパワーとタフネスを持つようになるため地上戦力としても申し分ない。
レガシー以下のフォーマットであれば『古えの墳墓』や『金属モックス』など1ターン目に2マナ以上出す手段は数多くあるほか、1マナでないことで自身が設置した『虚空の杯』のX=1に引っかからない利点にもなるため更に強みを活かせる。
フォーマットを問わずに使われる定着しきった墓地対策カードの中では新参で再録経験もなかったが、使用率の割にやや安価めを維持しているのが不思議なくらいなので、初版も含めて今のうちに買い揃えてしまうのが吉。
最後に。
なっげぇ!しっかり記事のピックアップを削ってこの長さでした。
下環境用の速報カード群はまだしも、スタンで使用可能なビッグスコアのカードがどいつもこいつもヤバくて中々にぶっ飛んだセットなのではないでしょうか。
特にビッグスコアのアーティファクトカードの中には統率者で人気になりそうなものが幾つもあったので、公式のカードリストから色々見てみるのが良いでしょう(本記事は統率者メインのピックアップはしていないので割愛)
さて、次回はモダンホライゾン3あたりでしょうか。
モダン以下の環境がここからさらに激変するのは過去のモダホラシリーズが証明しているので、嵐に備えましょうね。
ではまた。
フォイラーに光あれ!!
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