おうちで美術館に行った気分になりたい
前回の更新から1ヶ月近くが経ってしまった。
あれからも色々と書いていたけれど、なんとなく納得がいかなくて全部下書き行きになっているので、久々にちゃんと更新してみようと思います。
緊急事態宣言が出てから、街中の商業施設は一斉に閉まって買い物ができなくなった。そればかりか、楽しみにしていた美術展も日付未定の延期になってしまい毎日家で鬱々と過ごしているので、去年行った徳島県の大塚国際美術館で撮った写真を振り返って擬似的に美術館に行った気持ちになろうと思います…。
お家で暇してる人、美術鑑賞がお好きな人はぜひご覧ください(写真の腕はないのでご了承ください…)。
美術館について
大塚国際美術館の展示作品数は1000点以上。それら全てが陶板名画の複製品で、写真撮影・SNS投稿・絵に触れるなど全てが自由。
陶板名画とは、陶器の大きな板に原画に忠実な色彩・大きさで作品を再現したものだそうで、紙などとは違って劣化もしないうえ原寸大で忠実に再現が可能だそうです(公式ホームページより引用)。
この陶板は鳴門海峡の砂からできている高品質なものらしく、美術館も徳島県にできるべくしてできたという気もします。
鑑賞ルートが約4kmにものぼるこの美術館は日本一入場料が高いことで知られているほか(大人は3100円!)、2018年、滅多にテレビに出演しないことで有名な米津玄師氏が、紅白歌合戦に初出場した際に地元徳島県での中継先としてこの美術館を選んだことで一気に知名度が上がりました。
紅白歌合戦の様子(写真はネット上から拝借)
美術館に行ったいきさつ
昨年9月、縁があって仕事で兵庫県に呼んでいただき、1週間近畿地方を放浪して回りました(この話はそのうちまた書きたい)。
そのときの知り合いが淡路島へ観光に連れて行ってくれることになったので、東経135度、日本の標準時子午線の通る明石市から明石海峡大橋で淡路島へ行き、そのまま勢いで鳴門海峡を渡って徳島県まで行っちゃったのです。
明石海峡大橋を渡る車内にて(無加工でこの青さ!)
まだまだ残暑が厳しい近畿、空は快晴。日差しも強く、気温は36度超え。北国で暮らしている私にはとてもとても暑く、滞在中は毎日汗だくであちこち見て回りました。
瀬戸内海沿いに行ったのは初めてで、どこまでも遠く青く透き通っている海が目に眩しかったのを今でも覚えています。ここでちょっとだけご紹介。
徳島の青い海
大塚国際美術館に向かう途中で、車を降りて鳴門海峡大橋を渡りました。
鳴門海峡大橋は上段が車道、下段が歩道になっていて「渦の道」の入り口で入場料を払うと生身で途中まで渡れるのです。天井の上では車がたくさん通行しています。
渦の道にて
(床にはガラスが。はるかかなた数十メートル下は海が広がっています)
鳴門の渦潮
この日は残念ながら渦潮は発生しませんでしたが、潮のにおいと波の音がとても心地よかったです。綺麗な海に後ろ髪を引かれながら、再び車に乗車し走らせることおよそ15分。ようやく大塚国際美術館に到着です。
いよいよ美術館へ
紅白で知名度がぐっと上がったからか、ひっきりなしに観光バスが次々とやってきて、駐車場は満車。思い出しても300台近くは停まっていた気がします。
入場券を買うにも長蛇の列。この日は京都や兵庫、千葉など一緒に仕事をしたメンバー8人で来たのでちょっと時間がかかってしまったものの、なんとかチケットも手に入れいざ入場!入り口をくぐると長い長いエスカレーターが。ゆっくりと少しずつ上へ進むたび、期待がどんどん膨らんでいく。
エスカレーターで記念撮影
京都の知り合いがカコタムTシャツを着てくれました。嬉しい!
エスカレーターを登りきると、目の前には米津玄師氏が紅白で使用したシスティーナ・ホールが。高い天井の隅々まで壁画が広がっていてまさに圧巻。お客さんの大半がやはりこのホール目当てで来るんだと思います。
ミケランジェロ 「システィーナ礼拝堂」
天井をこまかく見ていくと、様々な場面が描かれています。
教会のように並べられたベンチに座り、どの人も熱心に天井を眺めています。
ホールを後にし、館内を散策。たくさんの作品が並んでいます。
エル・グレコ 「エル・グレコの祭壇衝立復元」
エル・グレコ 「聖三位一体」
ジュゼッペ・アルチンボルド 「夏」
ジョン・エヴァレット・ミレー 「オフィーリア」
(実はかなり好きな絵の一つです)
ジャン=フランソワ・ミレー 「落ち穂拾い」
グスタフ・クリムト 「接吻」
(これも好きな絵です)
フィンセント・ファン・ゴッホ 「タンギー爺さん」
ヨハネス・フェルメール 「牛乳を注ぐ女」
メアリー・カサット 「庭で縫い物をする若い女性」
ジョルジュ・スーラ 「グランド・ジャット島の日曜日の午後」
作品は館内だけでなく中庭にも展示されているということで一旦外に出ることに。ドアを出ると目の前には大きな絵画が。
クロード・モネ 「睡蓮」
そして絵の隣には実際に作られた睡蓮の池が。
睡蓮の花がとても綺麗で、奥には瀬戸内海が。空も海も青い絶景。
こうしてたくさんの絵を見るまで自分でも気づかなかったのですが、私は絵全体を見るよりも描かれている人物の表情や好みの部分を切り取って見ているようで、カメラロールを遡っても絵の一部分しか写っていないものもいくつかありました。
次はそんな一部分を切り取った絵を紹介。
尾形光琳 「風神雷神図屏風」より
サミュエル・ファン・ホーホストラーテン 「窓から外を眺める老人」より
イヴァン・アイヴァゾフスキー 「第9の波」より
マリ・バシュキルツェフ 「集合」より
どうしてもこれだけタイトルと名前が思い出せなくて困っている。何だっけ…。
最後に
ということで、たくさん写真をずらっと並べてみたけれど、小学生の頃に図書室へ行っては絵画の写真集を読み漁っていたほど絵画が好きなので、大塚国際美術館へ行けて本当によかった。高い入場料を払うだけの満足感は十分に得られます。全部贋作だけども。
でも陶板に写し出す技術も含めて見応えはあります。
本物は本物で絵の具の乗り方とか匂いなどもちゃんと感じられるので本物を見る価値ももちろんあると思います。
かなり長くなってしまったけど、外に出れない悶々とした気持ちがちょっとだけ晴れたのでまた数日間家で色々やりたい。早くお出かけがしたいよう。
見てくださった人たちが美術館に行った気分になれますように。
お付き合いありがとうございました。