ネカマをやってて3か月ぐらいやりとりした男

ネカマを高校時代から11年ほどずっとやっています
そんなにやっていけるのはキモイ男がいるからであって、そいつと会話することで「良いネタくれ!」感覚でやりとりをしちゃうんですよね…

勿論、ネカマ自体飽きてきて放置したり、ずっと毎日出会い系開くのも労働だし、ち◎この配信を2時間見せられる苦行もしなきゃいけない時もあるしでかなり大変なんです…。


今までネカマをしてきてキモイ男がいるのは当然です、ですが、キモイ男ではなくて、ぼく個人的に気になる男性が一人だけ居ました。
その人とはネカマという偽った身分のままで3か月やりとりをしていました。
相手はモテるような陽キャでもないし、紳士でもない…。なんというか人間臭さがあって、それもちょっとしたサイコパスだけどいろんな人生を歩んできたんだろうなって伝わる男でした。

その人はエレベーターのエンジニアをしていて、ぼくよりか年上の男性です。友人も少ないみたいで、ぼくも最初は「きもい男だったら釣ろう」という感じで話していました…、やり取りを進めていくうちに「この人話してて楽しい…」ネカマではあるまじき感情が芽生えてしまったのです。
ぼくとの会話の趣味が同じだったため、いろんな会話で意気投合しちゃったんですよね。

正直、長期間やりとりしてるから、ネカマだとばれていたんだと思います
それでもぼくは相手のことが気になってやりとりしていました…。ぼくの周りにはいない人間臭さにすごく魅力的で、頭もいいし、絵も上手だし、歌も急に歌いだす怖さはあるけど楽しい人ですし、誰にも理解されない部分を持ちながらも前を向いて歩いてるところに惹かれてしまいました。

やりとりを続けていくうちに僕はネカマである罪悪感が雀の巣も構うに溜まる状態で、すごく悩んでいました。ネカマであることを打ち明けるかどうか…。
当時のぼくは若かったのもあり、ネカマでここまで悩むのは初めてで純粋に友人として歓迎されたい気持ちになっていました。若い人ってイエスかノーしか答えが出せないんです、中間の解決策は愚策だと思っていましたし、答えを先送りにしているだけで何も解決にならないっていう頭カチコチ思考型人間だったんです。

でも、相手を傷つけたくない、ならば、ネカマだということを知らせずにすべての連絡をブロックしちゃえ。
これがぼくのやり方でした。中間的な答えを結局求めてしまったがその答えが愚策のなかの愚策…、そう、バカが行きつく答えを出してしまったんです。

僕は泣きながらブロックしました。
ネカマやっておいて泣く?みたいなこと言われそうですけど、申し訳なさと今までにいない友人のタイプで話していて楽しい人だし、当時のぼくがいろいろと仕事で頑張れるようになったのはこの人のおかげだし、思考がとても素敵だった。そんな人を傷つけるか傷つけないかで勝手に悩んで何がしたいんだろうって頭のなかがぐるぐるしていました。



そんな彼とやりとりしなくなって3か月経過したとき…、まだ彼のことは頭の中に残ってるもののそこまで引きずらなくなっていったので、何をしているんだろうと思って、教えてもらった個人情報をもとにグーグルで検索しました。

彼に関するSNSが出ました、フェイスブックやツイッター…、インスタグラムも。勿論、彼本人のものでしたし、少し多めのフォロワーがいて「おぉ」ってなりました。
フェイスブックを開いて最新の書き込みを見たんです、ちょうど1年前に書かれていたことが最終更新日でした。


「先週に彼くんが亡くなりました、今まで彼くんの応援をしていただいた皆様本当にありがとうございました」




…えっ?
ぼくは頭が真っ白になりました、彼に関するSNSはすべて亡くなっていたことを1年前の最終更新日に呟かれていたのです。
ぼくと彼がやりとりしたのはこのSNSの情報を見ている日から3か月前のことです。

怖いという感情よりか、「えぇ?!マジで?わし誰と喋ってたん?!本人しか知らんであろう情報わんさか聞いてるねんけど!やべえええ!!」って謎のテンションが込みあがり、ネカマは何があるのか分からない、それを実感し今日もネカマ活動をしております。

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