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私の靴歴4
オールデン、オールデン、オールデン。
とにかくオールデンが気になる。
そんな毎日を過ごしていた。
アメリカのショップへの発注も覚えて、カーメル、unionmadeなどからオールデンを取り寄せた。バリエーションも適度に揃ったころ、無性に欲しいオールデンに出会う。レアカラーオールデンである。ウィスキーコードバンは単にタン色のコードバンで最初は全く興味がなかったのだが、オールデンを集めはじめた人が誰しも最終的にいきつくように、私もウィスキーコードバンのオールデンを探すようになった。2010年前後だと思うが、当時でも日本では店頭で目にすることがほぼなかった。少量は入っていたと思うがマニアの方がサッと買うので普通には目にすることが出来なかった。ビームスの銀座店の試着室にオールデンの年季の入ったウィスキーコードバンのローファーがあり、お店に入っては、遠目によく眺めていた。
マイファースト オールデンウィスキーコードバンが9905だ。想いが引き寄せたのか、当時西海岸へよく行くようになっていた私は、サンフランシスコのオールデンショップでディスプレイされた9905に出会い、マイサイズを見つけて興奮して買った。非常に薄い色のウィスキーコードバンだった。オールデンショップには、日本では見かけることのないウィスキーコードバンとシガーコードバンのプレイントゥが普通にディスプレイされていた。手に入れてみてわかったのは、ウィスキーコードバンの素晴らしさだ。コードバンと言えばバーガンディがメジャーな色で、コードバンの艶とよくあっていて私も大好きだった。ウィスキー色はさらにコードバン艶と相性がよかった。コードバンの艶を纏ったウィスキー色は本当に美しい。黄金の靴。私は心をガシッと掴まれて魅了された。それからは血眼になってウィスキーコードバンの靴を探した。
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その後、ウィスキーコードバンチャッカーブーツをサンフランシスコで手に入れたが、それ以外の型はなかなか手に入らなかった。当時西海岸によく行っていたので、時間を見つけては探したが、ウィスキーコードバンの靴は簡単には手に入らなかった。
ネットの情報やオークションなどを本当に地道に未使用のブーツやローファーなどを少しづつ集めた。想いが縁を手繰り寄せ、ウィスキーコードバン、ラベロコードバン、シガーコードバンと、なんとかレアカラーコードバンのコレクションは満足できるものとなった。そしてオールデンの購買欲も一段落した。(一時的にではあるのだが) 終わりがあれば始まりがある。私は次の靴の扉を開けることになる。
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