【高校物理】熱力学分野⑤ 「気体の状態変化」その2
【ヘリウムガス風船の熱力学】
(過去問解説 広島大学(1986年)改題)
熱力学問題では,
「理想気体の状態方程式」
「熱力学第1法則」
この2つの式を立てるだけ。あとは問題文の誘導にのってください。
熱力学問題は「国語力」が問われる問題が多くなっています
(この「国語力」については,
機会があればまた note などで取り上げようと考えています)。
【空気が冷たい・暖かいとは?】
ここで,シンプルな問題を解いてください。
「選択肢」にすると正答率が上がる問題ですが,
「記述」にすると途端に正答率が下がります。
【解答】の考え方はシンプルですが,【別解】も是非読んでください。
「熱気球問題」でよく使う公式がでてきます。
【液体排出時の仕事】
(過去問解説 横浜市立大学(2016年) 類題)
𝒑-𝑽 グラフ にしたときに
「直線的」に変化するならば,仕事はかんたんに求められます。
なので,毎年どこかの大学で出題されています。
断熱変化は,準静的変化であれば「ポアソンの式」が成り立つので,
𝒑-𝑽 グラフ から仕事を求めたくなります
(自分の計算力を過信してはいけません)が,
熱力学第1法則を立てると,簡単に仕事が求められます。
【V-Tグラフ】
(過去問解説 横浜市立大学(1986年))
気体のした仕事を求めるならば,𝒑-𝑽 グラフ で考えます。
この問題で与えられているのは 𝑽-𝑻 グラフ。
この 𝑽-𝑻 グラフ から 𝒑-𝑽 グラフ を描けるようになっておこう。
【断面積の異なる円筒容器】
問題としてはセンターレベル(大学入学共通テストレベル)なのに,
満点がなかなかとれない問題です。
【気体の混合】その1
「断熱変化」→「ポアソンの式」という発想は危険です。
何が起こっているのか,または何が起こっていないのか
を考える必要があります。
そこで登場するのがやはり…「熱力学第1法則」なんです。
「気体の混合」その2
ここまでくると,熱力学的には
・ 気体の状態方程式( ある瞬間に注目 )
・ 熱力学第1法則(「はじめ」と「あと」の状態に注目 )
この2つの式しか立てていないことに気づきます。
そしてこの後もこの2つの式しか立てません
(断熱変化のときの「ポアソンの式」を除く)。
「星の王子さま」
マジメな「熱力学」の問題です!
「夢」を壊してしまう可能性があります。閲覧注意(笑)
このような問題を楽しんで解けるようになれば,
あなたは立派な「理系の人」です。
「連結ピストン」その1
(過去問解説 横浜市立大学(2014年))
毎年どこかの大学で出題されるタイプ。
このように note にまとめなおしてみると,
私が選ぶものは横浜市立大学の入試問題がやたらと多い
という事実に気づいた。…それだけ良問が多いということやね。
「視点の移動」(「気体」⇔「ばね+ピストン」)は慣れないうちは難しい。「部分」⇔「全体」というような「視点の移動」もよく行われる。
「連結ピストン」その2
(過去問解説 東京大学(1984年))
「部分」⇔「全体」の「視点の移動」が必要な問題。
是非,これは時間をかけて解いてほしい。
結局,立てている式はいつもとおんなじだけれど,
見通しをもって立式しないと解けないよ。
【コンデンサの極板間に気体】
(過去問解説 東京大学(1994年)<後期>)
いよいよ熱力学最後の問題。
熱力学の問題だけで大問1問出題される可能性は少ないですが,
この問題のように,
他分野との融合問題としての出題は今後十分に考えられます。
以上です。
マナブ