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【高校物理】共通テスト対策 2023
ここ4年は,共通テスト(センター試験)の10日ほど前から
「共通テスト(センター試験)対策」と称して,
過去の入試問題などを毎日数問ずつ出題し,解答解説も行ってきました。
今年は,授業中に生徒に解かせた問題の中から,
・ 正答率の低かった問題
・ 共通テスト直前のこの時期に復習してほしい問題
・ 一次試験対策期間なのだけれど,二次私大試験にもつながる問題
を選んで大問を数問ずつ分野別にツイートしました。
その内容を,この note にまとめてみました。
運動量保存則は立てられるのに,
「受けた力積」を「運動量の変化量」から求められない。
力学的エネルギー保存則は立てられるのに,
「された仕事」を「運動エネルギーの変化量」から求められない。
そういう受験生を何人も見てきました。
このタイプの受験生の特徴は一言で言うと「定義に戻れない」。
少し問題がヒネられると,手が止まってしまうのです。
共通テストは,そういう受験生が太刀打ちできない問題を好んで出題しているように感じます。
今回の「共通テスト対策2023」では,基本を再確認できる問題を多く採用しました。簡単そうに見える問題でもていねいに解いてください。
きっと疎かにしていた基本事項が明らかになりますよ。
どこからでも解くことができます。
興味のわいた問題だけでもいいので解いてみてください!
マナブ
【共通テスト対策】その1 力学1
(分裂・空気抵抗・浮力・力のモーメント)
受験生が苦手としている問題は,
・1本の式を立てただけでは解けない(二層構造)
・定義を知っていないと解けない
・いつもと異なる設定である
問題です。
今回はそういう問題を集めてみました。
まずは「力学」です。何となく…では解けない問題ばかりです。
必ず立式して,集中して解いてください。
アドバイス:選択問題の場合は,初めに選択肢を確認しよう!
注:問題2の選択肢のグラフは正確性に欠けていました。
訂正したものをPDFファイルに載せています。
【共通テスト対策2023】その1
— マナ物理 (@manabu_physics) January 4, 2023
力学1(問題)①
添付ファイル(8枚)は,共通テスト対策の選択式問題です。生徒の正答率の低かった問題やこの時期に見直してほしい問題を中心にまとめました。今回は第1回目として「力学問題」を3問出題します。2問目は小問集合でも出そうです。#共通テスト対策 #物理 pic.twitter.com/Cle1as0grG
【共通テスト対策2023】その1
— マナ物理 (@manabu_physics) January 4, 2023
力学1(問題)②
力のモーメントの問題は,【問題3】のように浮力などと組み合わせて出題される可能性があると私は考えています。問5の「いくら以上」という表現のときにも,不等式ではなく,等式を立てて考えられるようにしておきたい(未知量が少なくてすむのです)。 pic.twitter.com/NYYxLZVWMW
【共通テスト対策2023】その1
— マナ物理 (@manabu_physics) January 4, 2023
(解答・解説)
【問題2】「グラフ選択問題」は共通テストの前身のセンター試験では頻出。なんとなく選ぶと間違えるようにつくられています。必ず立式をして考える習慣をつけておきたいところです。【問題3】問2は 𝜽=𝟎 とするなど,sinとcosの取り違えをなくそう。 pic.twitter.com/YwwBpUvpvI
【共通テスト対策】その2 電磁気1
(電位差計・電磁誘導・アンペール力)
共通テストは基本的に時間が足りなくなるようにつくられています。
多くの情報をいかに読み取り,必要な情報を拾っていくか,
が問われます。
本質的には物理の力ではなく,読み取りの力を問うている問題も見られます(「単位長さあたりの抵抗」など)。
計算をさせなくても,問題の難易度を上げることは可能です。
→ 例えば,「誘導」をなくせばいいのです。
(問題2を解いてみてください)
【共通テスト対策2023】その2
— マナ物理 (@manabu_physics) January 5, 2023
電磁気1(問題)①
添付ファイル8枚が問題。問題1問2は共通テスト(センター試験)特有の「操作や選択肢をすべて読まなければならない」面倒くさい問題で,正答率は下がります。問3も式1本では求められない2層構造。問題2は次のツイートに続きます。#共通テスト対策 pic.twitter.com/VT3kqbMWoR
【共通テスト対策2023】その2
— マナ物理 (@manabu_physics) January 5, 2023
電磁気1(問題)②
「電磁誘導」は外せないですね。問題2は記述式問題から始まりますが,いきなり問3が出題される可能性もあります。正答率が落ちるのは問4。回路面に垂直な方向から傾いた磁場についての考察。誘導起電力やアンペール力にどう影響するのでしょうか。 pic.twitter.com/B5Y5fohaBW
【共通テスト対策2023】その2
— マナ物理 (@manabu_physics) January 5, 2023
(解答・解説)
問題1:電位差,電位の考え方は必須。
問題2:グラフ選択問題は,初期条件と十分時間が経ったあとのふるまいを考えることが基本。
解説の中の重要な用語や考え方はゴシック(太文字)にしています。抜けているところがあれば教科書にもどってください。 pic.twitter.com/S8psGNjPZ0
【共通テスト対策】その3 力学2
(衝突・2体問題・仕事とエネルギー)
力学の問題は多岐にわたるので,どの問題を選ぶか悩みます。
今回取り上げられなかった「円運動」「単振動」「万有引力」
はもちろん重要なのですが,
ここでは,
特に「考え方・式の立て方」に焦点を当てた問題を選びました。
それは次のような問題です。
・「使用できる物理量」を選択肢で予め確認しなければならない問題
・保存則が成り立たないときの対処が必要な問題
・1本の方程式を解くだけでは答えにたどり着かない二層構造の問題
【共通テスト対策2023】その3
— マナ物理 (@manabu_physics) January 6, 2023
力学2(問題)①
添付ファイル(8枚)は。共通テスト対策の力学問題大問3題です。衝突前後で成り立つ関係式,2体問題,仕事とエネルギーの関係をテーマとした問題です。式が1本では解けない「2層構造」の問題は正答率が下がります。
問題2は次のツイートに続きます。 pic.twitter.com/2iaJA96Pgr
【共通テスト対策2023】その3
— マナ物理 (@manabu_physics) January 6, 2023
力学2(問題)②
保存則が立てられるだけではなく,その保存則が成り立つ条件,その保存則の意味することまで考えられるようになろう。そして,(受験生が苦手としている)保存則が成り立たない現象(運動)も扱えるようになろう。
こういう願いを込めて問題を選びました。 pic.twitter.com/kXPl367rhm
【共通テスト対策2023】その3
— マナ物理 (@manabu_physics) January 6, 2023
(解答・解説)
問題文中の条件をよく読もう。問題1: はね返った後は 𝒗₁ で議論していきます。問題2:台車 𝐀 にはたらく力は複雑ですが,考えている時間内では一定値だと仮定して解きます。問題3:まず選択肢を見て,使える物理量を確認してから問題を解こう。 pic.twitter.com/0U7nNwg2c1
【共通テスト対策】その4 電磁気2
(3枚極板コンデンサ・ホイートストンブリッジ・相互誘導)
「電位(電位差)」を苦手としている受験生は多いと思います。
直流が流れる回路はもちろん,充電が完了した回路(定常状態),
さらに電磁誘導でも電位(電位差)が問われます。
電位を問うということは,エネルギー的な視点を問うているのです。
今回は「電位(電位差)」に焦点を当てた問題を選びました。
「3枚極板コンデンサ」
「ホイートストンブリッジ」
「相互誘導」
どれも少しクセのある問題です。
【共通テスト対策2023】その4
— マナ物理 (@manabu_physics) January 7, 2023
電磁気2(問題)①
添付ファイル(8枚)は。共通テスト対策の電磁気問題大問3題です。電気分野2題,磁気分野1題。3題全体を通して「電位(電位差)」の考え方を使う(問う)問題を選びました。テクニックに走らなくても手順を踏めば機械的に解けることを解説で示しました。 pic.twitter.com/WHXFBsIsVM
【共通テスト対策2023】その4
— マナ物理 (@manabu_physics) January 7, 2023
電磁気2(問題)②
磁気は「電磁誘導」が外せないのですが,今回は相互誘導を選びました。誘導起電力の向きまで含めてファラデーの法則を使いこなせるかを問う問題。向き(符号で判断)は機械的に導けます。
この問題はさらに,右側から磁石を近づける設定も考えられます。 pic.twitter.com/qbCCsj3EXI
【共通テスト対策2023】その4
— マナ物理 (@manabu_physics) January 7, 2023
(解答・解説)
問題3は「右ねじの法則」で誘導起電力(誘導電流)の正の向きを確認してください。問題2は「ホイートストンブリッジ」に気づかなくても解けます(別解参照)。ホイートストンブリッジに関しては,下の動画で詳しく説明してます。https://t.co/p3F9wATcZa pic.twitter.com/B9tmKw8uVO
【共通テスト対策】その5 波動
(2点波源問題・全反射・ドップラー効果)
問題文を読んでも何をすればいいか分からない問題を選びました。
そのような問題の特徴は…
・操作や設定が複雑
・誘導が不親切(手順をいくつか飛ばしている)
・式を2本(以上)立てなければならない(二層構造)
・物理ではなく,数学の問題(幾何学的条件・束縛条件など)
です。
今回はさらに,
いつもと異なる設定の問題も選んでみました。要注意です!
【共通テスト対策2023】その5
— マナ物理 (@manabu_physics) January 10, 2023
波動(問題)①
添付ファイル(8枚)は。共通テスト対策の波動問題大問4題です。2点波源問題,屈折に関する正誤問題,全反射,ドップラー効果です。問い方にクセのあるものを中心に選びました。問題文を読んでも何をすればいいか書いていない,いつもと異なる設定など…。 pic.twitter.com/Dc1lXXrY27
【共通テスト対策2023】その5
— マナ物理 (@manabu_physics) January 10, 2023
波動(問題)②
特に光波については,組み合わせレンズ,回折格子,くさび形空気層,マイケルソン干渉計,フィゾーの実験など,設定のバリエーションが多く,どれを選ぶかかなり迷いました。気になるものがあれば下のリンクを参照してください。https://t.co/zZfxuWxq1b pic.twitter.com/lmsyBAzYNn
【共通テスト対策2023】その5
— マナ物理 (@manabu_physics) January 10, 2023
(解答・解説)
波動問題は2つの直角三角形に注目することが多い。写像公式,ヤングの干渉実験など。問題1の問2は2つの直角三角形の共通部分に注目します。問題4の問3の式はドップラー効果の式を導いたことがある人ならば立てられるはず。波の個数に注目します。 pic.twitter.com/wox05juvcD
ツイート内でも紹介しましたが,
「光波」に関しては,設定のバリエーションが多岐にわたるので,
気になるテーマがありましたら,
下の「マナ物理 note『光波』」の目次から選択して,
「講義」を読んでみてください。
【共通テスト対策】その6 熱力学
(比熱・熱容量・状態変化・気体の分子運動論)
比熱は,純物質に対して用いられ,
熱容量は,さまざまな物質で構成される物体に対して用いられます。
その定義も含めてここで押さえておきましょう。
問題1は,どの物体(物体系)を考えるかで,複数の解法が考えられます。
問題2で,熱力学問題は基本的に,
「状態方程式」「熱力学第1法則」の2本で解ける,
ということを実感してください(一般の参考書とは異なる解法です)。
問題3は,力学と熱力学が融合する問題です。
できるなら,ゆっくり時間をかけて解きたいのですが…。
【共通テスト対策2023】その6
— マナ物理 (@manabu_physics) January 12, 2023
熱力学(問題)①
添付ファイル(8枚)は。共通テスト対策の熱力学問題大問3題です。問題1は比熱・熱容量の問題,問題2は気体の状態変化,問題3は気体の分子運動論です。解説では,重要な物理用語はゴシック体(太文字)にしています。問題2は次のツイートに続きます。 pic.twitter.com/G57yg0iE2l
【共通テスト対策2023】その6
— マナ物理 (@manabu_physics) January 12, 2023
熱力学(問題)②
問題2は,「与えた熱量」「奪った熱量」「された仕事」「変化量」を使って熱力学第 𝟏 法則を立てるときに符号に注意をしてください。また「なめらかに動くピストン」も重要です。問題3は,気体分子の運動から圧力を導き出す過程を確認してください。 pic.twitter.com/zapWnFWZFj
【共通テスト対策2023】その6
— マナ物理 (@manabu_physics) January 12, 2023
(解答・解説)
問題2問1・2は通常はボイルシャルルの法則で解くのでしょうが,必要ありません。問題3は「気体の分子運動論」。問1が意外と正答率が低い。問5は別解として,𝐍𝐞 と 𝐀𝐫 それぞれの状態方程式を立てて辺々割り算をしても求められます(分圧の比)。 pic.twitter.com/AMoGDXIBbd
【共通テスト対策】その7 原子物理
(原子の構造・半減期・放射性崩壊)
どこから復習すればいいか分からない人のために,
「最低限これだけは」というものを厳選しました。
「水素原子の構造」
「半減期」
「放射性崩壊」
「粒子性と波動性」
です(原子核分野が少ないのですが…)。
この問題の解説を読んで,共通テストに臨んでください!
注:問題3の問4の問題文を少し手直ししました。
訂正したものをPDFファイルに載せています。
【共通テスト対策2023】その7
— マナ物理 (@manabu_physics) January 13, 2023
原子物理(問題)①
添付ファイル(7枚)は,共通テスト対策の原子物理問題大問4題。問題1は水素原子の構造,問題2は半減期の小問,問題3は放射性崩壊,問題4は粒子性・波動性に関する問題。少し意地悪な問題も複数含まれています。慎重に解いてください。#共テ対策 pic.twitter.com/PbjS1NpSsu
【共通テスト対策2023】その7
— マナ物理 (@manabu_physics) January 13, 2023
原子物理(問題)②
原子物理は,19世紀末~20世紀初め頃からの物理学史を確認しながら学んでほしいのですが,問題4の「光の粒子性」「電子の波動性」が重要なキーワード。この問題の実験は名前は知らなくとも,説明を読めば何を意味するかは分かるようにしておきたい。 pic.twitter.com/9ckR6ziopE
【共通テスト対策2023】その7
— マナ物理 (@manabu_physics) January 13, 2023
(解答・解説)
問題2,そして問題3の問3はひっかかりませんでしたか? これは物理の力を問うているのではありません。でも,共通テスト(センター試験)ではこのタイプの問題が出題されるのです(個人的にはあまり好きではありません…)。「慎重に」解いてください。 pic.twitter.com/TAVBFJvJjr
以上です。
明日(物理は明後日ですね),応援しています!
マナブ