【高校物理】原子物理分野「原子核」
1.【原子核崩壊】(講義・例題)
香川大学(2021年) ・早稲田大学教育学部
(2020年) 過去問解説
「原子・原子核・原子力」(著:山本義隆 出版社:岩波書店)
という興味深い本があります。
私は,この本を「原子分野」の教科書にすればいいのに…と
個人的に思っています。その中から一部紹介しましょう。
2.【原子核崩壊】(実戦問題)
東京大学(1995年) 過去問解説
マナブ追加問題
「半減期」の公式は,指数関数です。
これは,放射性崩壊に限ったものではありません。
身の回りの現象には指数関数的に変化するものが多いのです。
例えば,
終端速度以上の速さで鉛直下向きに投げた物体の運動
(空気抵抗を受け,減速し,最終的には終端速度となる運動)
は,まさしく 𝒗-𝒕 グラフが指数関数型の変化をします。
(残存原子核数の時間変化 𝑵-𝒕 グラフと同様のグラフ)
もう一つの例は,
2つ目のツイートの「マナブ追加問題」を参照してください。
この東京大学の問題は,
半減期の公式を丸暗記しているだけでは対応できないものです。
逆に「放射能の強さ」を知らなくても,
問題文に説明があるのでどういうものであるかが分かります。
その場で考えて法則性を見つけ,それを利用して問題を解いていく。
東京大学は,この問題構成が非常にうまいと感じます。
(旺文社「’95 全国大学入試問題正解」の解説に書いているような
「近似式」などのテクニックは必要ありません。)
3.【質量とエネルギー】(講義・例題)
長崎大学(1991年)・岡山大学(2003年)
過去問解説
原子核の基本事項をまとめておきます。
「質量欠損」「𝑬=𝒎𝒄² の導出」「結合エネルギー」です。
「𝑬=𝒎𝒄² の導出」については,
「原子・原子核・原子力」(著:山本義隆 出版社:岩波書店) を
参考にしました。
この議論は「物理入門(現:新・物理入門)」(著:山本義隆)で
私は初めて見ました。
(教科書では,相対性理論とともにいきなり登場する)
𝑬=𝒎𝒄² が導出できることに,
当時高校3年生だった私は衝撃をうけました。
(この本を読んだことで,私は「物理学科」を目指すようになった
のかもしれません。物理の全国偏差値30台だったのですが(笑))
注: PDFファイルの下を参照
高3の最後に受けた模試
4.【質量とエネルギー】(実戦問題)
信州大学(1992年)・大阪歯科大学(1998年)
過去問解説
質量とエネルギーの関係を,
・ 核子1個あたりの結合エネルギーのグラフ
・ 原子核の安定性
・ (統一)原子質量単位
・ 核融合と核分裂
をテーマ(題材)として考察していきましょう。
5.【原子核反応】(講義・例題)
信州大学(2017年) 過去問解説
原子核反応(核反応)において,4つの量が保存します。
(講義)の中で確認してください。
さらに,「反応の 𝑸 値(反応熱)」についても押さえておきましょう。
具体的な核反応をあげ,
「反応の 𝑸 値」に様々な表現があることを確認しました。
ツイートの最後の(マナブ補足)で,
相対論的なエネルギーから,近似公式を使って,
「静止エネルギー+運動エネルギー」が導けることを示しました。
6.【原子核反応】(実戦問題) その1
広島大学(1991年) 過去問解説
原子核の熱運動で核融合反応が起きるには10億度が必要…。
これは,地上(密度小)でこの反応を起こすには
これだけの温度が必要だということです。
密度が大きければもっと低い温度で核融合反応は起こります。
例えば太陽の内部は,1500万度です。
ちなみに,「ウルトラマン」の最終話に登場する
怪獣「ゼットン」の吐く「火球」は1兆度(笑)
7.【原子核反応】(実戦問題) その2
大阪大学(1985年) 過去問解説
他分野との融合問題を解きましょう。
特によく出題されるのは,「力学」「波動」との融合問題です。
大阪大学や京都大学の過去問を解いていると,
そういう問題によく出会います。
この問題は,
全国大学入試問題正解(旺文社)では「難問」とされているものです。
ここでは,赤本(教学社)の解説を載せておきました。
教学社は,こんな難しい解説をしておいて,
(B)の問題を「やや難しい」と評しています(本気か?)。
以上です。
マナブ