稼ぐ力と思考力を兼ね備えた子どもが育つ家庭には、共通の特徴がある

まなび研究所では「稼ぐ力と思考力を兼ね備えた子ども」の育成を大切にしています。私自身も経営者ですから、小学生の授業や中学生のコンサルティングおいて、ビジネスの本質を取り上げて思考法や勉強法として伝えることが少なくありません。

さて、稼ぐ力と思考力を兼ね備えた子どもが育つ家庭には、ある共通点があります。それは「ビジネスの本質」に触れる対話の場が自然と生まれていることです。

家庭での何気ない会話の中に、世の中の仕組みやお金の流れ、人の行動原理などを織り交ぜる習慣がある家庭の子どもたちは、学校では学べない「社会を見る目」を自然と身につけていきます。

例えば、スーパーで買い物をするとき。
「なぜこの商品はセール品なのに、あっちは定価なんだろう?」
「お店はどうやって利益を出しているんだろう?」

こうした「問い」を子どもと一緒に考えることで、子どもの頭の中に「ビジネスの構造」が少しずつ形作られていきます。

私の教え子のある大学生は、小学生の頃に家族との夕食時にお祖父さんが「このままでは郊外の大型ショッピングモールばかりが栄えて、街の中心部が空洞化してしまう」と話していたことを覚えていました。彼女はその問題意識を持ち続け、今は都市計画を学ぶ大学生として「持続可能なコンパクトシティの実現」をテーマに研究しています。彼女の研究では、単なる理想論ではなく、地域経済の活性化と行政コストの削減、住民の利便性を両立させる具体的なモデルを提案。現在は行政とも連携し、実証実験の計画を進めています。彼女は「小学生の頃の家族との対話が、今の自分の原点になっている」と振り返ります。

「気をエネルギーに変換できる人でないと、実現するまで夢を追い続けられない」

これは私がよく使う言葉ですが、周囲の応援や期待を力に変える能力は、子どもの将来において何より貴重です。そして、この能力は家庭での対話によって育まれます。

読書や新聞を通じて見つけた社会課題について、「もしあなたが解決するとしたら、どうする?」と問いかけてみましょう。最初は戸惑うかもしれませんが、考える習慣がつくことで、徐々に自分なりの視点を持つようになります。

そして、子どもの意見をしっかり聞き、対話を重ねることで、子どもは「自分の考えは価値がある」と実感します。この自己肯定感こそが、どんな困難にも立ち向かう原動力となるのです。

ビジネスの本質に触れる家庭の子どもたちは、勉強においても「なぜ学ぶのか」という目的意識が明確です。そのため、学びに対する姿勢が自ずと変わり、主体的に取り組むようになります。

明日の夕食時、ぜひお子さんと「世の中の仕組み」について語り合ってみてください。その対話から、お子さんの未来を切り拓く力が芽生えていくでしょう。

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