訪看運営のヒント(5)ー私の推しフレームワーク『GRPI』①ー
今回は私が色々な媒体での寄稿やセミナー等で繰り返しお伝えしているGRPIという組織の状態を考えるフレームワークについて書こうと思います。
なぜ、私がこんなにもGRPIを推しているのかというと・・・看護の職場でよく聞く人間関係の悪さについて根本的な解決の糸口になると考えているからです。
皆さんは看護の職場で人間関係が悪さについて「女性の多い職場だから」「ストレスの多い仕事だから」「看護師は元々気が強い人が多いから」といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。これらに対して、男性職員比率を増やす、職員のメンタルヘルス対策を取り入れる、穏やかな職員を採用する、といったことが提案されるのをよく見かけますが果たしてそれらの施策は根本的な解決になるのでしょうか?
何故女性が多いと人間関係が悪くなるのでしょうか?そして男性が入れば人間関係は悪くならないというのは何故なのでしょうか。看護の仕事は対人援助職でストレスが多い職場だというのは確かにその通りです。しかし、同じ看護の職場でも人間関係の悪い職場だけではなく、人間関係が良い職場もあります。その違いは何でしょうか。気の強さと人間関係の悪さはイコールなのでしょうか。このように一般的に言われている原因とその対策について私自身は懐疑的な立場をとっています。
そこで、人間関係の悪さについて根本的な原因を探り、かつ対策を打っていこうという時にヒントになる切り口がこのGRPIです。
GRPIとは
GRPIは、組織開発のコンサルタントでありMITで教鞭を執っていたリチャード・ベックハードが1972年に発表した論文で紹介されています。
良い組織では『目的・目標(Goal)が明確』『役割(Roles)が明確』『段取り(Process)が明確』『人間関係(Interpersonal Relationship)が良好』の4つの条件が揃っており、それぞれの英単語の頭文字をとって、GRPI(グリッピィ)と呼ばれています。現在では、特に組織開発の文脈において、この4つの質問について考えることで組織や組織の状況がどのようになっているかの診断に活用されています。
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