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学習コーチの要領 #2|役割

今回は、学習コーチの役割についてです。役割については # 1 でも触れましたが、より具体的に書いてまいります。

1.前回の振り返り+α

まずは少し # 1 を振り返りつつ、意思決定に関することを書き加えます。

学習コーチとは、学習面で学び手の意思決定を引き出す伴走者です。そして、学び手の学習の先にある目標達成、および、自律的に学ぶ力を身につけることを支援します(明確な定義はないので、あくまでもこの記事上の位置づけです)。

「意思決定を引き出す」ということで、学習の内容も計画も、学び手が決めます。学習コーチは問いかけを中心として、その意思決定を支援します。

意思決定を学び手に委ねている一番の理由は、自律性を大切にしているからです。人は、指示されたことよりも、自分で決めたことの方がやる気が出ますし、実際にやるものです。このような背景もあって、コーチングの技法を活用しているのです。

ちなみに、自律性は内発的動機づけとも関連します。詳しくは自己決定理論の記事(たとえばこちら)に譲らさせていただきます。

2.教えない・指示しない・叱らない

「教師・講師と何が違うの?」と問われやすいので、ここでは役割の例として3つの観点で挙げておきます。3つとは「教えない」「指示しない」「叱らない」です。

①教えない
学習内容を教えたり解説したりしません。それらは、専門家・専門サービス・専門書などに譲ります。

ですので、学習コーチの専門外の学習内容であっても支援できます(たとえば、公認会計士や通関士の合格などを支援してきました)。逆に、学習コーチが教えられる内容であっても教えません(たとえば、中学生の定期テスト対策など)。

では学習コーチは何をするかというと、計画の立案・見直し、弱点の把握、弱点克服の立案などを支援します。

②指示しない
学習計画や学習方法などを指示しません。たとえば、「今週はこれをやってください」「次はこう取り組んでください」などと言いません。学び手に問いかけ、学び手が案を出し、学び手がその案の中から選択します。

学び手がA案を選び、仮にコーチはB案が良いと思っていても、B案を選ぶことを指示しません。提案というかたちでB案を勧めることもありますが、最終的な決断は学び手に委ねます。

③叱らない
学び手が自分の立てた学習計画どおりに進めなくても、叱ったり責めたりしません。

ただし、「計画どおりでなかった」という事実は伝えます。そして、理由や気持ち、今後の対応などを問いかけます。

3.放任しない

学び手に委ねている一方で、学び手の目標達成に対しては真摯です。ですので、学び手を放任しません。

「学び手の計画が甘かったから/学び手が計画どおりに学習しなかったから、目標達成しなかったのは仕方ない」というのは、放任の結果であり、学習コーチの怠慢です。

学び手の目標達成が危ぶまれないよう、問いかけや、必要に応じて提案もします。

4.おわりに

本記事では、学習コーチの役割について、例を挙げて書きました。具体的な活動プロセスなどは次回以降の記事で書いてまいります。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!

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