技術革新!!ブロックチェーンを解説
最近よく「暗号資産」「NFT」というワードを聞くことがありますが、「これは一体なんなんだ」と思うでしょう。まずはこのワードの構造基盤となる「ブロックチェーン」という技術について解説します。
■ブロックチェーンが誕生した背景
2008年頃、すべてのサービスや物について管理者が管理している「中央集権型」に異議を唱えた「サトシナカモト」はみんなで管理する「分散型」技術を基盤とした「ビットコイン」に関する論文を発表しました。
下記の図は「中央集権型管理」のモデルケースです(銀行の場合)
個人が自分でお金を管理しようとすると物凄く大変なため、「銀行」を利用して管理してもらいます。このため自然と銀行に集中して管理される体制が作られ大きな力をもつようになります。銀行の他には、「GAFA」(ガーファ)と呼ばれるgoogle,Amazon,facebook,Appleは巨大プラットフォームビジネスを展開することにより顧客情報を集中的に管理し強い力を持っていることが分かります。
■ブロックチェーンの仕組み
「ブロックチェーン」の技術は、世界でも称賛されて世界に認識が広まりました。下の図でその仕組みをざっくりみます。
何かをするとお互いに共有された台帳(図で言うとノートのイラスト)に同じ記録が書き込まれます。例えば、AがBにお金を預けた場合、「Aの持つ台帳」と「Bの持つ台帳」に同じ記録を書き込みます。
またBがお金をAに貸し出した場合、「Aの持つ台帳」と「Bの持つ台帳」に同じ記録を書き込みます。
このように、一つの取引(預けたり融資したり)を箱(ブロック)として捉えて、それをお互いの台帳につないでいく(チェーン)ことを「ブロックチェーン」と呼びます。
この図を見ると分かりますが管理していくのは自分達であるため、中央集権型管理をする企業はいないことが分かります。
■ブロックチェーンは何がすごいのか?
利用者が何かアクションを起こせば利用者全員の台帳にすべて記録するため、台帳の中身を改ざんしてもおかしいのが一目で分かるので、実質的に不正改ざんが不可能になります。
図で言うとAとBの取引データをAが改ざんしても他のBCDの台帳には同じ取引データが記録されているため、すぐにAが改ざんしたことが分かります。
■利用されている事例
①暗号資産
代表的なのは、「ビットコイン」暗号資産は、利用している人すべての台帳に記録されるため、いつ、どこに、何を買ったり売ったりしたのか履歴が残ります。ビットコインが買えるビットフライヤー(取引所)では、利用者には、売ったり買ったりリアルタイムにその状況が確認できます(実際には「だれが」という部分に関しては、「暗号化」されて見えないようになっているので「暗号資産」になっているのでしょう。)
②コンサートのチケット
一部このブロックチェーンの技術を使い(正確にはNFT。今回は説明を割愛)コンサートのチケットを販売している。これは、「転売目的」の利用者を監視でき、誰が誰に転売したのかファンの方に監視してもらおうという狙いで始めたそうです。
③アート作品
アート作品は摸造やコピーができてしまうため、信ぴょう性に欠けてしまうのですが、このブロックチェーン技術を利用すれば、履歴がすべて追えるし取引データを改ざんできないため信ぴょう性を担保できます。
デジタルアートの売買市場は現在活発です。
■時代が変わるのか?今その分岐点
このブロックチェーン技術の応用により、データと物を「交換」ができるようになりました。「暗号資産」は以前「仮想通貨」と呼ばれており、次世代のお金と呼ばれています。デジタルアートでは、子供の落書きが億単位で取引されています。
この時代を「よく分からない」とするのか「知っていこう」とするのか今まさに分岐点が来ているということになります。