見出し画像

〜恩返しだ!〜

そうですね。もう20年くらい前になるかな。
建築業書としていろいろなことに挑戦していたときです。
ある分譲地の新築を不動産業者から請負ました。
その不動産会社の社長さん50代くらいかな、芸術が好きなあの当時には珍しい品のいい人で、設計事務所から紹介された私に「これからは女性の時代、頑張って」と仕事をくれました。
分譲地の土地のひとつを買ったのが、一人暮らしのおばあさんでした。新築の請負契約の時にお会いした印象は、神経質そうな方だな・・と。もちろん娘さんらしき人も一緒でした。
設計契約も終わり、仕様も決まって、いよいよ着工。
着工して数日後、その時、出張でカナダのバンクバーにいた私の元に会社から電話があり、
分譲会社の社長がいまずぐ電話がほしいと。カナダは夜中でした。
慌てて電話をすると、めちゃくちゃ怒っている。
その内容は、着工した土地を買ったおばあさんが現地にいったら、職人がこの土地は地盤がよくない、こんな土地を買うなんておかしい・・くらいに言われたのでキャンセルしたいと言っていると。
その職人さんは父の経営する建設会社の時代からずっとお世話になっていた腕のよい、昔気質の職人さん。しかし昔気質なので口はうまくない。
本人に聞いても、そんなこと言ってない!というし、でも口が悪いからなぁ・・。とどちらを信用していいかもわからない状態で、
その社長さんには、「すぐに帰国してお客様へお詫びをしてキャンセルを取り消していただきます!」といい、
すぐに帰国してそのおばあさんと娘さんとお話しをしました。
もう20年くらい前なので正確になにを言ったか覚えていませんが、いろんなものをサービスして平謝りして許してもらったのです。
その時、横にそのおばあさんの販売した担当者も一緒でした。
そして、話し合いがついた後に、その担当者が社長に報告にいくために部屋を離れました。
その時!そのおばあさんと娘さんが「あの土地盛り土だって聞いてなかったのよ〜」って言ったんです!
私は当時不動産の重要事項説明の重要性についてあまり知識がありませんでした。しかも20年くらい前の不動産業界の営業マンなんてそんな人多かったんだと思います。
その担当者は盛り土の説明もせず販売し、そのおばあさんが現地を見に行ったら。杭を打っているから職人に聞いたらしいのです。
そしたらここは地盤がよくないから杭を打っていると。
それで地盤のことは聞いてないからと、その担当者にキャンセルしたいって言ったそうです。
その事実を社長に誤魔化すために、職人の口が悪くて怒らせたと報告していたということだったのです。
今だったらその場で「おいこら!」って不動産仲介担当者詰めているでしょうが、まだ若くて可愛い頃の私は、仕事をもらっている人の方を立てないといけないんじゃないか!と思い込んでしまい。
言い返すこともできず。そのまま条件を飲むことにしました。
帰り際、社長室から聞こえてきた「やっぱり女はダメだな」という声。
帰ろうと車に乗ろうとした瞬間、胃がよじれるくらいの胃痛を忘れることはできません。
結果、その現場15棟くらいあって、15棟請ける予定がその件で3棟しか請負もできず、サービス工事が多かったので大赤字を出してしまいました( ;∀;)
知識不足、経験不足が生んだ失敗談ですが、
誰を見て仕事をするべきなのか
そして、男女差別はないけど区別はある。

初めは女性だからチャンスがあって、でも失敗したときに女は厳しく見られるんだって。
だから人一倍知識や経験がなければいけないんだ!とその時思いました。
失敗は誰にでもあります。しかし、その失敗を真摯に受け止め改善していけば、かならず良い経験となります。
あれから20年、私はお陰で多くのおじさんから、おっさんオブおっさんの称号を得るまで成長しました。いまならどんな荒くれものが来ても勝てる気がします。

誰もが知っている発明家のトーマス・エジソンの名言
“失敗ではない。うまくいかない一万通りの方法を発見したのだ”
“失敗は積極的にしていきたい。なぜから、それは成功と同じくらい貴重だからだ、失敗が泣けれな、何が最適なのかわからないだろう“
“失敗すればするほど、我々は成功に近づいている”
“失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ”

つねにうまくいかない方法を発見している私にとって、エジソン様の言葉は心のオアシス❤️

そして、私を成長させてくれた、建築・不動産業界
これからは少しでも「恩返し」できるようなビジネスをしていきたいと思っています。

実務を学べる!不動産エージェントのための養成スクール
不動産の「知りたい」がギュッ!
まなべる不動産

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?