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スタイルオブ東京の変遷NO10

〜IT業界は昭和〜

I社を辞めたけど、建築業界をよくしたいという志は消えない。むしろ絶対よくしてやる!という気持ち。
とはいえ、どうやって・・。
I社のY社長はよく言っていた。ポスシステムを考えろ!って。藤木のようにいろんなことを考えている人間は少ない、ほとんどの人は何も考えてないんだから、そういう人間を使うにはポスシステムを作れと・・。レジで“ピッ”ってやるやつね・・。
そうではない!と反発してたけど、建築業界を知れば知るほど、“ピッ”ってやらないと無理かな・・とも思う。
となるとITか・・。ITはどちらかというと苦手。
まずはITを勉強するか・・・。ということでまた良いか悪いかわからないけどトコトンやる癖が笑
まずは私の定番、紀伊國屋にいく。ITコーナーに行き各コーナーで目に付く本を買う「これ一冊で全てのITがわかる」とか、IOT、AI、ジャバ言語、データーサイエンス?なんだかわかんないけど買う。
それで読んでみたけど、そもそもよくわかってないから全く頭に入って来ない。
SAAS、MAAS、IOT、AI、なんだよ!
あ・・。
私には私の脳構造が全く違う優秀な兄がいた。兄は大手H社のIT、インドに駐在しているインド責任者だった。兄に聞いてみよう。
兄も迷惑な話。まったく意味がわかっていない私からトンチンカンな質問が来る。優しい兄は親切丁寧に解説をしてくれる。そして、インド人で日本にも支店があるシステム開発会社の女性社長Sさんまで紹介してくれた。
彼女はとても優秀、日本語はベラベラ。彼女の会社はIOTの開発プラットホームをもっている。そこで彼女から初めに教えてもらったのはパソコンの基盤となっているラズベリーパイという言葉。何をベースに開発をするかという話に出てくるキーワードだ笑
ということでITの業界を知るために初めにラズベリーパイを使ってパソコンを作ってみた。秋葉原にいき、セットを買って作ってみた!秋葉原はとても面白い街だということも知った笑
パソコンを作るところから始めることもないけど、やってみると何がわからないのかが見えてくるものだ。
はじめはIOTのプラットホームもなんのことやらと思ったけど1年も勉強させてもらったら少しITの業界も理解できるようになった。
そしてドローンやIOT、VR、AR、ロボットなど気になるものは全部見にいった。
ITを活用した会社の情報も収集した。インドの彼女の会社に訪問したり、IT展、IOT展などの展示会にも行った。アメリカの建築展示会にまで行ってみた。全て意味のあるものだし、活用をすればいいと思ったけど、どうしても自分がこれさえあれば!というものが発見できない。
ITってなんなんだろう。どうやったらITを使って業界が変わるのか。
そのヒントが知りたくて、インドのIT会社のS社長が取引をしている先にとうとう一緒についていくようになってしまった笑
そんな中、あるビックプロジェクトが。
クライアントは日本で有名な超大手。元請はこちらも有名な大手広告代理店A社、開発請負がインドのS社長の会社、しかしインドの会社のなので大手広告代理店A社の下請けに日本のシステム会社B社が入る。
IT業界も建築業界と全く同じ構造。クライアントの要望を設計し予算を出し作る。大きなプロジェクトとなればゼネコンが入り下請けが工事するのと一緒。
打ち合わせにS社長の会社の名刺をもらって潜入笑
(なにやってんだ!っておもうよね)
そこで私は本当にびっくりした。
クライアントとの打ち合わせでは偉そうにしているクライアントのメンバーにヘコヘコしていた元請の広告代理店A社がクライアントの居ない、システムの打ち合わせの時になるとクライアントの悪口を言う。あいつら馬鹿だって!
システムの打ち合わせには、広告代理店のA社の会議室にA社の人間が何人も参加している。悪口をいいながらA社のプロジェクトのトップの人がタバコを吸い出した。それに続いて他の人もタバコを吸う。吸わない人は文句も言わずに笑っている。
私はS社の一員。下請けだ。その下請けにタバコ吸っても良いですか?と聞きもせず。
この光景・・どこかでみたぞ!
あっ!
父の会社のマンションの現場仮設事務所!いつもタバコの煙で真白になっていた。ゼネコンの打ち合わせ現場じゃないか!20年以上も前の・・。
クライアントの言うことに振り回され、何度もやり直し、それであいつら馬鹿だって上司がタバコ吸って、部下が愛想笑い・・・。
ひぃ〜〜〜!
進んでいると思っていたITが!建築業界より遅れてるじゃん。今時建築業界はタバコ吸わないよ!
しかもクライアントに振り回されてあいつら馬鹿って言わないよ!
IT業界は遅れている。
建築は歴史があるので、見積価格も予測が立つけど、ITはまだまだどのくらいの予算でできるか読めないしクライアントも値段がわからない。だからこんな昭和なことができるのか!
やっぱりITじゃない。
ITから建築業界は変えられない。
ITは使うものであって、使われるものではない。
ベンチャー企業の仕組みに乗ってお金ばかり取られるのは本意ではないぞ!
もう一度原点に戻ってITをうまく使いながら人が変わる方法を考えないと・・。
つづく笑

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