野村総合研究所(NRI)の企業研究!
NRIの歴史
NRIは、野村證券の一部署から発足し、日本初の民間総合シンクタンクとして1965年に誕生しました。
その後、1988年には野村コンピューターシステムと合併し、シンクタンクのサービスだけでなくITサービスを提供する企業になりました。
現在では、日本を代表するコンサルティング・ITソリューション企業として、幅広い価値貢献を行っています。
NRIの事業
NRIは大きく「コンサルティング」と「ITソリューション」の2つの事業を提供しています。
コンサルティングで問題発見から解決策を提示し、ITソリューションで課題解決を一貫して行っています。
詳細を解説していきます。
コンサルティング事業
NRIは企業や官公庁に対する経営コンサルティングや未来予測、社会提言を行っています。
様々な論文や社会情勢から未来予測を行い、クライアントに提言を行います。
一例ですが、NRIのレポートを紹介しますのでぜひご覧ください。
上記はあくまで、抽象度の高い「未来予測」となりますが、更に具体的な企業の戦略立案も担います。
NRIのHPを見ると様々な企業へのコンサルティング事例が掲載されていますので、ぜひご覧下さい。
(例)
・JR西日本
・日立造船
・ソニー生命
ITソリューション事業
ITソリューションと言っても、ピンとこない方も多いと思うので、具体例を上げて説明します。
上記はNRIのソリューション事例ではありませんが、「ITソリューション」としてのイメージを持つために、参考にしてください。
NRIのITソリューション部門では、特に金融機関や事業会社とタッグを組みソリューションを提供しています。
ここでは簡単に金融機関・事業会社それぞれのITソリューション事例を紹介します。
財務情報から見るNRI
次にNRIを財務の観点から分析していきます。
①時価総額について
NRIの時価総額は2兆7千億円です。(2021年10月時点)
この時価総額は、第一生命ホールディングスやJR東日本などと同等です。
同業のSIer大手のNTTデータ(3兆2千億円)と比較すると、劣っています。
ただしNRIの従業員数はこれらの中で最も少ないため、従業員一人当たりの時価総額としては高いです。
②2020年度通期の実績について
(図表はすべてNRIのIRライブラリより筆者作成)
上記のグラフをご覧いただき、まず特徴を掴んでください。
(a)コンサルティング事業の売上は全体の7%
NRIを「コンサルティング企業」と考えている就活生にとっては、少し驚くかもしれません。
確かにNRIはコンサルティング事業で、戦略を提案できますが、それだけにとどまりません。
その後具体的なITソリューションまでを提案し、開発、運用が可能です。
システム運用まで担うことで、安定的かつ長期的な売上を実現することができます。
(b)ITソリューション関連が9割程度
NRIは紛れもなくSier企業です。
近年では、コンサルティングとITソリューションは切ってもきれない関係にあります。よってNRIの競合も多岐に渡ります。
NRIをSIerとコンサルの両側面をもっているため、NRI志望者は必ず競合企業もチェックしておきましょう。
(c)金融ITソリューションが約半分
NRIは野村証券から生まれた背景から、金融機関向けのサービスに強みを持っています。
特に証券会社の決済システムや社内効率化のシステムなどを得意にしています。
また金融機関が扱うビックデータの分析基盤を提供しており、金融機関にとってはなくてはならない企業になっています。
③コロナに負けないNRIの強さ
NRIはコロナ禍において、7%の売上(約200億円)の成長を遂げました。
上記図表はコロナ前後のNRIの事業別売上比較です。
NRIはコンサルティング以外で、すべて売上を増加させています。
なぜNRIがコロナ禍でも売上を伸ばすことができたのか。
その理由は以下の通りです。
ここでNRIは上流のDX戦略から関わり、IT投資全体を俯瞰したソリューションを提示できました。
一般論では、景気が悪くなると、高単価の戦略コンサルティング案件が減ると言われます。(事業売却等は増える傾向があります。)
コロナ禍においては、景気が悪くなったものの、一気にデジタルで改革を推進する必要が生まれたため、NRIがチャンスを得たのです。
NRIの今後の戦略
①DX戦略
NRIはITソリューションを活用し、顧客のビジネスモデルやプロセスを改革します。
戦略だけでなく、その後のシステム開発運用を担うことで顧客との強固な信頼関係を実現しているのです。
またNRIはビジネスのプラットフォームを獲得することが強みです。
NRIが社内の中枢システムを担うことで、長期的な売上の向上を実現しています。
②グローバル戦略
NRIは豪州と北米を中心に事業拡大を狙っています。
特に豪州では顧客拡大に加え、追加買収による成長も目論んでおり、さらなる投資が行われると考えられます。
今後は海外での事業拡大案件に携われるケースも増えると想像されます。
外資系企業の日本支社に入ってもこのような体験は出来ません。
まさに日系トップレベルのNRIだからこそできる体験です。
③人材戦略
NRIはビジネスデザイナー、データサイエンティスト等を育成する戦略を発表しています。
またDX案件を支えるアプリやITサービスの人材育成も打ち出しています。
つまり、明確にITソリューションに関わる人材が増えて行く事が分かります。
新卒採用を毎年300名以上、中途採用を4年で倍増させることからも今後人員の拡充が見込まれます。
ピュアな戦略案件を行いたい就活生だけでなく、ITソリューションに興味がある学生にとってもNRIの門戸が開かれていることは朗報だと思います。
NRIの選考
NRIの選考では、「構造化」力を見られることで、有名です。
数年前のインターンでは、「隣の人のガクチカを聞いて、構造化して、面接官へ説明せよ」という選考が行われていました。
まさしく地頭の良さを見ています。
「地頭は今更鍛えられない…」と落ち込む必要が有りません。
ある程度の知識やフレームワークで、地頭の良い人の考え方を取り入れることができます。
私が就活時、参考にしていた「構造化力」を鍛える本を紹介するので、ぜひ役立ててみてください。
実はこれらの本は、コンサルタントであれば100%知っている本です。
当然、NRIの面接官も読んだことがあるはずです。
これらの本に記載されていることを息を吸うようにできる人材がまさしく”コンサル向き”な就活生かもしれません。
しかし、上記のような本を読んだ上でも、中々実践して結果をだすことは難しいです。
情報をインプットをした上で、ぜひ実際ESを書き、様々な企業の面接を受けて見てください。
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