「ぼくだってきっと忘れてく」
4月に配信で行われた演劇作品「夢路空港」のことを1ヶ月くらい前に書きましたが、
その作品のテーマソングとして耳にして以来、ちょくちょく聞きにきているこちらの曲。
心身が省エネモードになっているときなど、
音数の多いポップスやロックを聞くのはちょっと疲れるなあ、というときがあって、
そんなときは、シンプルなアコースティックの曲、ゆったりとしたバラードを聞くようにしているのですが、
そういうシチュエーションには本当にぴったりな曲です。
ハンバートハンバートさんの歌って、「唯一無二」な、なんとも形容しがたい独特な音色をもった音で、なんだかクセになっちゃいます。
歌詞も「夢路空港」のテーマに合わせて、
「夢」や「空」をモチーフにしたものになっていますが、これもまた素敵で。
YouTubeのコメントにもあったのですが、
この「ぼくだってきっと忘れてく」というのが、いいなあと。
普通「みんなは忘れていく」とくると、その後には
「でもぼくはずっと(決して)忘れない」と続きそうなものですが、
この曲の「ぼく」は、あっけなく忘れてしまう。
でも、きっとそうですよね。
いつまでも記憶の中にこびりついている、ずっと想い続けていられることなんて、日々を顧みても、たぶんそうそうなくて。
誰しも持っている「夢」とか「憧れ」とか、
大事に心のなかにしまってある気持ちも、
時が流れ、生活に追われていく中で、いつしか透明になって、消えていってしまう。忘れてしまう。
そういう「忘れた」気持ちを、それでもふいに思い出すことがあって、
そんなときを想像すると、私の頭の中には、誰かがぼんやりと空を見上げている光景が浮かびます。
たまにしか思い出すこともないけれど、
そんな「フラッシュバック」の瞬間は、ぐいっと心が引き戻されて、強烈に感情が揺さぶられる、記憶がよみがえってくる。
そんな不思議な、強いパワーを持ったものが「夢」だと思うし、
ときどきだってそうやって強烈に思い出せる「夢」というのは、たとえその通りに叶わなかったとしても、人生を前に進めてくれるエネルギーを秘めているような気がします。
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