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教育観アップデート 習い事と親のコミット

クルクルクルー、パッ!
五人の2回転と着地がキレイに決まった時、じわーっと涙が溢れてきました。私は、あまり涙を感動で流さないので、目から水分が溢れてきたことに自分で驚いてしまいました。
 
今日は、チアダンスの大会。大阪にあるエディオンアリーナに、ポニーテールで、お化粧をした小学生たちがたくさん集まっていました。どの集団も厳しい練習をやり抜いてきた自信が溢れ、とても強そうに見えました。
 
私たち親子にとっては初めての大会です。初めて訪れる会場の様子に圧倒されました。ライオンの群れに囲まれたしまうまのような気持ちでした。



 
会場について間もなく、しまうまちゃんチームの娘たちは、選手入口から会場に入っていきました。先生と代表の保護者の方に引率され、私の方を振り返りもせずに入っていきました。母親の私には、しまうまちゃんチームの健闘を祈るしかできませんでした。
 
ここに至るまで、めちゃくちゃ練習を頑張りました。半年くらい前まで、娘は週に1回1時間だけで、お遊び程度のチアダンスを楽しくやっていました(約3年)。しかし、
「辞める前に1度は大会に出てみたい!」
という娘の希望を叶えるため、教室を変え、大会出場を目指すチーム編成ができるコミュニティに参加しました。
 
新しい教室には、世界大会に出場しているお姉さんたちがいました。お姉さんたちは、娘のような小さい子にとても丁寧に動きを教えてくださいました。できることが一気に増えて、娘は
「教室を変えてよかった。とっても楽しい!」
「5回転できるようになったよ!」
と、喜んでいました。
 
大会に向けての練習が始まると、その和やかな様子が変わりました。いつも通り、娘の送り迎えだけをしていると、突然、
「〇〇ちゃんのお母さん、練習に付き添ってもらわないと困ります。自分の娘のできないところは、自分で見て、指導してください。私たちだって、勉強しながら頑張ってるんです!」
と言われ、母親の参加が求められました。
「知らなかったー」
は、通じそうにありません。なんと、先生やお姉さんたちが教えてくれるのではなく、母親が自分の娘の動きをチェックしてできるようにさせないといけないらしいのです。



 
驚きました。
「そんな世界だったとは……」
わかっていなかったのは、私だけだったのでしょうか?狐にばかされたような気持ちでした。
「これは、同調圧力?」
「勝負の世界なら、普通のこと?」
「こわい」
と、頭の中がぐるぐるしていました。
 
しかし、大会に向けてもうチームは動き出しているので、娘のためにもやるしかありません。とりあえず、娘と共に練習に参加してみることにしました。当然、指導なんてできるわけもなく……今さらお母さんたちのコミュニティに入れるわけもなく……その場にいるだけ状態でした。
 
周りの様子をよく観察してみました。親たちが自分の子に放つ厳しすぎると感じる言葉の数々。親の指導により涙を流す女の子たち。それでも笑顔を作って頑張る子供たち。先生の指導を信頼して入れたのに、どうしてこんなことになったんだろう。本当にこのコミュニティにいることが、私たち親子にとっていいことなのかと悩み始めました。



 
親の熱中は、スポーツの世界では大切な要素なのかもしれません。「勝ち」にこだわることは、ある種の狂気が必要だと知ってはいます。しかし、私には経験がありませんでした。母親に相談してみると、
「強いチームは、親が子供より夢中。そうならなきゃ無理やで、そんなもんやで」
「そういうの苦手やから、先生にお任せのところに行かせてた。好きなら自分でやればいいと思ってたから」
と、全く参考にならない意見しかもらえませんでした。笑
 
体育館での練習だけでなく、家での練習も続けました。毎晩、お家の床に穴が空きそうなくらい飛んだり跳ねたり回ったりして練習する娘を応援しました。こんなに努力を続けたことはないくらい、親子で頑張りました。努力するとは、「できるまでやり続けることだ」と、娘は学んだようです。
 
そして、本番。腕の動き、角度が揃いとても美しい2分間でした。チームの2回転が上手に決まった時、涙が溢れました。毎日見ていた2回転なのに、じわーっと涙が溢れたことに自分が一番驚きました。このことを娘に伝えると、
「なんで泣いてるの?私たちのチーム、他より上手じゃなかったやん」
と、軽くあしらわれました。その時は、うまく娘に説明できませんでしたが、今なら言葉にできます。
「他と比べて上手かどうかじゃなくて、今までの努力を思い出して、あなたの成長に涙を流しているのよ」
 
試合で頑張るたくさんのチームをみて、気づいたことを最後に。私(チアダンス素人ですがすいません)が特別賞をあげたいと思ったチームがありました。揃った動きが評価されるチアダンスの大会で、決して優勝することはないでしょうが、一人一人がとても楽しそうで、個が生きているチームでした。先生の思想がチームの動きに現れているように感じました。そんな指導ができる先生に憧れました。
 
自分の教育観をメタ認知できた機会を下さったすべての方に感謝です。

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