性教育オススメ本まとめ「境界線・NOという権利・同意」
包括的性教育の中で、最近特に力を入れて伝えているのはこのあたりです。というのも、単に一度きりの講演では子ども達に伝わり切れるものではなく、周りの大人達が日常生活の中で繰り返し繰り返し伝えていって初めて子ども達の中に根付いていくものだと思うからです。
だからこそ、子どもに関わる全ての大人達がその大切さを理解した上で、子ども達が小さいうちから伝えていって、これが当たり前に根付いていく土壌を作ってほしい。
そのためのオススメをこちらにまとめたいと思います。
絵本
☆「こちょこちょモンキー」
お子さんへ伝えるならまずはこの絵本から！「だいじだいじどーこだ」と共にあらゆる園などでフル活用しています。
こちょこちょが得意なおさるさん。当然みんなも喜ぶだろうと思ってこちょこちょしまくるのですが、あれ？喜んでない・・・？なんで、まさか、そんなわけないよね？
「自分が嬉しい、楽しいと思うことでも、相手がそう思うとは限らない」「じゃあどうすればいいか」「事前に聞くことが大事だよね！」
同意と境界線について、ポップな動物のイラストとともに楽しく学べる良作です。
☆「からだのきもち 境界・同意・尊重ってなに？」
自分のからだの主人公は自分。だれであっても同意なしで他人の境界に入ることは許されません。そして、自分の境界が守られるのと同様に、他者の気持ちを尊重することがとても重要です。
言葉だけだとなかなか理解しにくいかもしれないですが、それをわかりやすいイラストで表現してあります！
☆「子どもを守る言葉 『同意』って何？ YES、NOは自分が決める！」
この絵本の著者は、こちらの有名な動画を作成したレイチェルブラウンさん。
子ども向けに体の権利や同意の大切さを伝える動画。
性的同意を紅茶に例えた動画もわかりやすいです。
たぶんそもそも大人が、我が子の体の権利についてあまり意識していないかもしれません。
なのでまずは、例えば家族間でのスキンシップでも、「あ、ひょっとしたら子どもの権利を侵害していたかも」ってことに気づくことが必要なんじゃないかと思います。
ぜひこちらの絵本読んでみてください。
本・マンガ
☆こんにちは！同意 誰かと親密になる前に知っておきたい大切なこと
そしてさらに同意について詳しく知りたくなったらこちら。
自分や相手を守る、シンプルな「同意」の基礎がわかり、実際の場で役立つ言葉も学べて、気持ちのいい関係が持てる。そんな本なのです！
「10代のためのエンパワメントBOOK」となっています。同意について本気で知りたい10代から全ての大人の皆さんへ。
☆わたしはわたし。あなたじゃない。 10代の心を守る境界線「バウンダリー」の引き方
そして、10代のためのバウンダリーの本。別の記事にも書きましたがめちゃくちゃオススメなのでこちらでも紹介します。
周りを気にしすぎて苦しくなってしまうあなたへ。そしてそんな10代への大人としての関わり方のポイントも載っています。私もまだまだ何度も読み返したい１冊です。
☆マンガ「彼女はNOの翼を持っている」
こちらも別記事でも紹介済みですが、めちゃくちゃオススメです。マンガなので読みやすいですし、すごく心に迫ってくるものがあります。
「NO」を言うのが苦手な皆さんへ。みんなの「NO」が尊重される社会になりますように。
☆性的同意は世界を救う
これも他の記事でご紹介しましたがこちらでも。精神保健福祉士としてこれまで様々な加害者の臨床に関わって来られた斉藤章佳先生と、私の尊敬する性教育実践者であり助産師の櫻井裕子先生の共著。
お２人が共同で実践してこられた性加害者への更生プログラムを通して、これからの子ども達の育ちに必要なことは何かが述べられています。
子ども達に関わる全ての大人達の必読書です。
☆ソーシャルジャスティス
性教育本というジャンルではないかもしれませんが、途中の章で同意の大切さが詳しく書かれています。アメリカでは保育園でお茶を入れるアクティビティを通して同意について学ぶそうです。
ここに同意の本質について書かれた素晴らしい一節があるので引用します。
「同意」とは、後から問題にならないようにYESと言ったことの記録を残しておく契約のようなものではなく、同意がなければ何かが禁止されるというルールでもなく、気が変わったら答えを変えていいものであり、単純に「自分の身体や意思は自分のもの」という、自分を尊重する力を与えてくれるものだと感じます。子どもたちに、自分を尊重する発言をしてもいいと学んでほしい。また、他者が自身を尊重する判断をした場合には、それが自分の希望と違っていても、仕方がないと自分の希望を手放せる考え方を身に付けてほしいと思っています。
これからも繰り返し読みたい１冊です。
ぜひ参考になれば嬉しいです！
他のオススメ性教育本まとめはこちら。