東京の休日 143 〜【イッタラ展】@Bunkamura:伝統あるブランドの哲学に優しくふれるひと時を〜
今回ご紹介する美術展は、
「イッタラ展:フィンランドガラスのきらめき」。
2022年9月17日(土)~11月10日(木)
(休館日:9月27日(火))
現在、
Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷)
にて開催されています。
「サスティナビリティー」
「エシカル」
「多様性」
などの言葉を頻繁に
耳にするようになってきたこの頃。
企業やブランドのつくる
「もの」から
その背景にある
「哲学」へ
人々が関心が移りつつあるように
感じます。
さて、フィンランドを代表する
ブランド「イッタラ(iittala)」。
19世紀末にフィンランドの
イッタラ村にあるガラス工場から始まりました。
こちらの赤の「i」マーク、
一度は目にしたことがあるという方は
多いのではないでしょうか。
140年の歴史ある
ライフスタイルブランド
「イッタラ(iittala)」。
その哲学のかけらが散りばめれた
空間となっていたのが今回の展覧会でした。
さっそく、展示からみえてくる
「哲学」をご紹介したいと思います。
✴︎基本のかたち/カラー
フィンランドの湖から
着想を得たという
《アルヴァ・アマルト・コレクション》
シンプルかつ優美な曲線が
印象的です。
この削ぎ落とされた中に宿る美
という感覚は
どこか日本の「わびさび」と
通ずるところがあるでしょうか。
また、毎年新しいものが登場するという
「色」。
例えば、2022年のアニュアルカラーは
「ウルトラマリンブルー」と「コッパー」です。
生き生きと輝く湖の青、
温かみのあるナチュラルなアースカラー
となっていて。
自然の美しさが
切り取られているようですよね。
✴︎気候と文化
「森と湖の国」として知られる
フィンランド。
国土の70%近くが森林、
10%が湖や川などにおおわれているのだとか。
さらには、
夏至の頃には
日の沈まない「白夜」が
冬には
日の昇らない「極夜(きょくや)」があります。
これが、しっとりと表現された
「ボウル」はこの展覧会の中でも
とくに心惹かれたものでした。
《カーモス(極夜)》
《マットゥマーリ(夏至)》
《ロスプーット(春の雪解け)》
《ルスカ(紅葉)》
まるで日本の茶器のようで。
また、極夜に
人々のよりどころになることが
想像されるキャンドル。
これをより温かなものにする
「キャンドルホルダー」や
その灯りに集い
繰り広げられる豊かな食事に寄り添う
器やカトラリー
なども展示されておりました。
✴︎対話
イッタラには
個性あふれるデザイナーさんたちが
いらっしゃいます。
初めにご紹介した
《アルヴァ・アマルト・コレクション》の
アルヴァ・アマルト氏。
愛らしいバードコレクションの
オイバ・トイッカ氏。
彼らが「ガラス」と向き合うことで
数々の魅力的な作品が生まれてきました。
技術と表現、
芸術性と機能性、
を行き来することもあったでしょうし
そうした「ガラス」との対話を一度離れ、
大いなる神々や自然とのそれが行われ、
またガラスへと戻っていくことも
あったのでしょう。
✴︎外交とデザイン
21世紀に入ってから
「イッタラ(iittala)」は国際的な
コラボレーションを積極的に進めて
いきます。
例えば、
日本との間では
「イッセイ ミヤケ」と
「ミナ ペルホネン」、
建築家の隈研吾氏と行われた仕事を通し、
交流を深めてきました。
✴︎サスティナビリティー
2030年までに
事業から出るすべての廃棄物を
リサイクルまたは再利用しすることを
目標としている「イッタラ(iittala)」。
この目標がすでにフィンランドの
イッタラガラス工場では達成されているそうなのです。
その中では
リサイクルガラスの
「Recycled Collection」も発表されていて。
展覧会では
100%リサイクルガラスの作品が
展示されておりました。
製品ごとに絶妙に色合いが
異なることも
こちらのコレクションの
魅力のように感じます。
ということで
ブランドの哲学の視点で
「イッタラ展:フィンランドガラスのきらめき」に
ついて綴ってまいりました。
そして、もう一つご紹介したい場所が。
(お付き合いいただけますと幸いです。)
「イッタラ(iittala)」に
魅了され始めたことで
渋谷から向かった表参道。
こちらには、
「イッタラ表参道 ストア&カフェ」が
あるのです。
美術展で感じた
「イッタラ(iittala)」の魅力が
ぎゅっと詰まったような店内でした。
なんと、デザインを手掛けたのは
隈研吾氏。
北欧の優しく穏やかな
ライフスタイルを感じられるのです。
ショップに併設するカフェで
フィンランドのパンケーキ
「レットゥ」をいただきました。
サーモンとアボカドと
ひよこ豆のペーストの
たっぷり入った一品。
とってもいいお味でした!
おごちそうさまでした。
(展覧会のチケットを
提示しますと割引もございます。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_iittala/collaboration.html)
「イッタラ表参道 ストア&カフェ」の
紹介動画も素敵ですので
ぜひご覧くださいね。
隈研吾氏のインタビューからは
「イッタラ(iittala)」の魅力が
さらに伝わってまいります。
また、最後のフィンランド語の
あいさつが可愛いのです。
「イッタラ(iittala)」という
ブランドを通して
どういった
ライフスタイルを送りたいか。
そこにはどのような
プロダクトがあったら理想かな。
などということを考えるきっかけとなりました。
芸術の秋、2022。
ちょっぴり新しい
美術鑑賞ができたように感じます。
写真・文=Mana(まな)
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