東京の休日 137 〜【日本美術をひも解く展】(上野)芸術の秋の始まりに、皇室の国宝を〜
素晴らしい展覧会でした!
特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」
2022年8月6日(土)〜9月25日(日)
上野にあります
東京藝術大学大学美術館にて現在開催中です。
国宝5点を含む
豪華な展示品の多くは
皇室の美術品を所蔵する
三の丸尚蔵館
(さんのまるしょうぞうかん)のもの。
こちらの博物館は只今休業中のため
リニューアルオープン(令和5年秋)まで
その貴重な品々を拝見できないかと
思っていたのですが
今回ずらりと並んでいたのです!
さっそく展示品を
ご紹介いたします。
まずは国宝の5作品から。
《春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)》
鎌倉時代後期の最高峰の
やまと絵の絵巻なのだそうです。
「やまと絵」は、
中国風の絵画「唐絵」と対になる言葉。
こちらの絵巻には、
藤原氏の氏神(うじがみ)、
春日大社の「春日明神」の持つ力が
もたらしたエピソードが描かれております。
展示期間:通期展示(巻四:8/6(土)~9/4(日)/巻五:9/6(火)~9/25(日))
《蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)》
二度に及ぶ蒙古襲来に果敢に立ち向かった
竹崎季長(たけざきすえなが)が
主人公の絵巻です。
展示期間:通期展示(前巻:8/6(土)~9/4(日)/後巻:9/6(火)~9/25(日))
《唐獅子図屏風(からじしずびょうぶ)》
圧倒的な迫力の屏風。
桃山時代を代表する絵師
狩野永徳(かのうえいとく)の作品です。
当時は屏風ではなく、
障子や壁に描かれた障壁画だったよう。
その前に座られる殿様は
大いにご自身の威厳を示すことが
できたのではないかと想像します。
展示期間:8/6(土)~8/28(日)
《動植綵絵(どうしょくさいえ)》
伊藤若冲(じゃくちゅう)の代表作。
10年かけ描かれた大作です。
早く拝見したい気持ちでいっぱいです。
展示期間:8/30(火)~9/25(日)
《屏風土代(びょうぶどだい)》
中国から伝わってきた文字。
この模倣から日本独自の書体が
確立されたのが平安時代中頃。
その日本風の文字のお手本となったのが
小野道風(おののみちかぜ)の書でした。
展示期間:9/6(火)~9/25(日)
以上5つの国宝以外にも
心惹かれたのは
《花鳥十二ヶ月図(かちょうじゅうにかげつず)》
酒井抱一
ひと月ごとの麗しさが
結晶となったこちらの作品。
十二枚が並ぶ姿も
贅沢極まりないものでした。
展示期間:8/6(土)~8/28(日)
《雨後(うご)》
川合玉堂
風景の切り取られ方も
そこへ浮かぶ虹も美しく見入ってしまって。
展示期間:8/6(土)~8/28(日)
《羽箒と子犬(はぼうきとこいぬ)》
愛らしい子犬。
驚くほどに生き生きとしているのです。
目が離せなくなる作品でした。
展示期間:8/6(土)~8/28(日)
《官女置物(かんじょおきもの)》
旭玉山
十二単の豊かさが
そのままに表現された象牙の彫刻。
その緻密さに
見れば見るほどに感動を覚える作品です。
展示期間:8/6(土)~9/4(日)
《七宝四季花鳥図花瓶(しっぽうしきかちょうずかびん)》
並河靖之
細やかな模様に、色合い。
四季が雅に輝く惚れ惚れとさせられる
花瓶でした。
展示期間:通期展示
《菊蒔絵螺鈿棚(きくまきえらでんだな)》
(図案)六角紫水 (蒔絵)川之邉一朝 ほか (金具)海野勝珉
宮内省(当時)と
今回の会場となっている東京藝術大学の前身
東京美術学校とが共同で制作した至宝。
螺鈿の模様の優美さに
視線の釘付けになる作品です。
展示期間:通期展示
この他にも貴重な作品が
数多くございます。
作品によって展示期間が異なりますので
スケジュールをご確認の上、
お出かけされることをおすすめいたします。
また、併設のレストラン
「ホテルオークラ直営 ミュージアムカフェ」
のお食事もとても美味しかったです。
とくにビーフハンバーグ。
もう一度足を運んでしまいそうなほどに
お味がいいのですが
店員さんがホールにお一人しか
いらっしゃらないために
待ち時間は少々長くなります。
お時間に余裕のある方は
ぜひ訪れてみてくださいね。
今回は、
特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」について
お伝えしました。
展示替えの多いこちらの展覧会。
日本美術の素晴らしさにふれるため
また足を運びたくなっております!
(そして、ハンバーグをいただきに...♡)
写真・文=Mana(まな)