東京の休日 178 〜【特別展「永遠の都ローマ展」@東京都美術館】ヴィーナス奇跡の初来日!拝み、愛で、(心で)抱きしめました〜
今年の「芸術の秋」。
ほんのり旅気分をのせて
愉しんでおります。
特別展「永遠の都ローマ展」
2023年9月16日(土)~12月10日(日)
東京都美術館(上野)にて。
では、イタリア・ローマを訪れたかのような
気持ちにさせていただきました。
そのみどころをご紹介する前に
まずは概要から。
「永遠の都」と称される
ローマの歴史と芸術に
ふれることのできる今回の企画展。
約70点の
彫刻や絵画が展示されています。
その多くが
「カピトリーノ美術館」から来日していて。
ローマの歴史の中心地
「カピトリーノの丘」。
現在は「ローマ市庁舎」の建つこの場所に
佇むのが「カピトリーノ美術館」です。
同館の由来は
ルネサンス時代に
教皇シクストゥス4世(1414年〜1484年)が
ローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したこと。
1734年(およそ300年前)には
一般公開の始まった
世界でも最も古い美術館の一つです。
さらに、「カピトリーノ美術館」には
日本とも深いつながりが。
明治政府の派遣した
「岩倉使節団」
(1871年(明治4年)から
1873年(明治6年)にかけて
日本から欧米に派遣された使節団。)が
訪れているのです。
ちょうど150年前のこと。
「カピトリーノ美術館」が
日本の美術博物館の発展の礎に
なったといっても過言ではないようです。
それでは
みどころのお話をしてまいります。
・偉大な皇帝に慄(おのの)いて
大迫力でした!
カピトリーノ美術館誕生のきっかけともなった
彫像の一つ
《コンスタンティヌス帝の巨像》原寸大複製。
1.8メートルの頭部に、
左足、左手、さらにルーヴル美術館で近年発見された人差し指が
今回展示されております。
当時の帝国の繁栄ぶりと
皇帝の権力の偉大さを
目の当たりにしたようでした。
・ローマ建国神話、子どもを育てる狼の話
ローマのシンボル
「カピトリーノの牝狼(めすおおかみ)」。
軍神マルスと巫女レア・シルウィアの間に
生まれた双子のロムルスとレムス。
ローマを建国したといわれる二人は、
「牝狼」に育てられたと伝わっているのです。
乳を飲む双子の彫像が付け加えられた
《カピトリーノの牝狼(複製)》が
今回出迎えてくれます。
またこのモチーフの古代彫刻やメダルも
展示されておりました。
余談ですが
こちらの彫刻は
「日比谷公園」にもございます。
《ルーパ・ロマーナ/ローマの牝狼》
の作品名で
1938年(昭和13年)に
イタリア大使館から「東京市」に寄贈されたそうです。
・「カピトリーノのヴィーナス」の神々しさに
そして!
《カピトリーノのヴィーナス》
2世紀 大理石 カピトリーノ美術館蔵
東京会場のみの展示。
門外不出のこちらの作品が
今回奇跡の初来日を果たしております。
ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、
メディチのヴィーナス(ウフィッツィ美術館)と並ぶ
古代ヴィーナス像の傑作。
こちらを360度ぐるりと
愛でることができます。
展示されている空間そのものも
神々しく照らしてしまうほど
美しくて。
拝みたくなるような、
抱きしめたくなるような作品でした。
展示も素晴らしく
あっ!と驚かされたり
へ〜!と感心したり
ととてもワクワクとさせられる
企画展でした。
どうぞ皆さまも
永遠の都ローマ、2,000年の歴史を
心躍らせご堪能くださいませ。
なお、2024年1月5日(金)~ 3月10日(日)
福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園1-6)
にも巡回いたします。
写真・文=Mana(まな)