京都の休日 #10 〜あの絶世の美女がラブレターの”想い”を供養した平安のお寺へ〜
世界三大美女のひとりとされている
歌人・小野小町。
彼女が晩年を過ごしたと伝えられている
随心院(ずいしんいん)を訪れました。
寺院の入り口には
こちらの歌が。
「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに」
長雨がふっている間に、桜の花の色がむなしく色あせてしまった。
物思いにふけっているうちに、私の美貌が衰えてしまったように。
百人一首の一つにも選ばれた
小野小町を代表する和歌ですね。
さて、こちらのお寺。
中へ入ると平安時代に
タイムスリップしたかのような
空間が広がっていました。
美しく見渡せる日本庭園。
そして、
御本尊の如意輪観世音菩薩坐像や
阿弥陀如来坐像や薬師如来像が
ずらりと並ばれている本堂の光景は圧巻でした。
(↑境内にある文化財はこちらからご覧いただけます。)
さらに、襖絵も素晴らしいのです。
表書院の《四季花鳥図》や
奥書院の《竹虎図》の
生き生きとした絵柄はとても印象的でした。
現代アートが襖絵になっているところもまた
こちらのお寺の特徴かもしれません。
《極彩色 梅匂小町絵図》
小野小町の一生が描かれているという
こちらの作品。
供養するほどのラブレターを数多の男性から
もらっていたと言われる彼女ですが
晩年は寂しく過ごしていたそうのです。
でもこうして今も随心院にはたくさんの人が
足を運んでいて、寂しくないですよ。
という想いを作者のだるま商店さんは
こちらの絵に込めたのだそう。
そのために、華やかな色合いとなっているのですね。
ちなみに、恋文を供養するために
彼女自身がつくったとされている文張地蔵や
朝夕、お化粧に使った井戸も境内にあるそうです。
今も多くの女性が
小野小町の美しさと才能に
肖るべくこちらの寺院を訪れているとのこと。
だるま商店さんの想いが伝わっているようです。
その絵画のもう一つの主役
梅の時期にもまた訪れてみたい
場所でした。
写真・文=Mana(まな)
真言宗 大本山 随心院
住所:京都市山科区小野御霊町35
拝観時間:9:00〜17:00(受付終了は16:30)
http://www.zuishinin.or.jp