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【スウェーデン2024.3】 #0 旅先を決めてから出発まで

「なんでスウェーデンを選んだの?」といろんな人に聞かれた。

理由はあるといえばあるけれど、ないといえばない。

1番しっくりくるのは「なんとなく」という言葉だろうか。

結果、スウェーデンはイメージ以上に素敵な場所で、「他の国にも行ってみたい」「いろんな国の文化や歴史を学びたい」と思うきっかけにもなった。


なぜスウェーデンに?

スウェーデンへは婚約者の彼(旅行時点ではまだ婚約してなかった…!)との2人旅。

ざっくり言えば「彼がスウェーデンに行きたいと言ったから」というのが理由。

私も、ヨーロッパに行ってみたいという気持ちは何となくあったけれど、基本的には「行ったことがない場所ならどこでもいい」というスタンス。

私自身、友達や会社の人から「なんでスウェーデンなの?」と聞かれ、その度に「綺麗な景色を見たくて」などと答えていた。
そして「実際のところなんでだっけ?」と毎回のように彼に聞いていたのだけど、忘れてしまう。

ただ、「スウェーデン」と聞いてイメージする、美しい景色や豊かな自然を見てみたい!とか、福祉が充実していて幸福度が高い国がどんなところなのかを肌で感じてみたい!という気持ちはあった。

あと彼は「スウェーデンの国旗がカッコいいから!」と…。

つまり、きっかけは「なんとなくカッコいい感じがするし街並みも美しいイメージがあるから」という軽いものだった。

ただ、2人とも働いているし、すぐに行ける距離ではない。

それでもスウェーデン旅行を実現しようと思ったのは、彼は普段あまり自分の意見を主張しない人で、そんな彼が「行きたい」と言ったから、というのが私にとっては大きい(国旗がかっこいいから選んだのだとしても)。

私は旅行の計画を立てたり、より安い手段を探したりするのが好きだし、得意な方だと思っている。
1人旅も大好き。

でも彼は、その辺りの細々したものが苦手で、旅行は好きだけど面倒くささが勝ってしまうことが多いらしい。
だから、「私が連れて行ってあげなきゃ!」という気持ちが湧いてきた(今思うと押し付けがましいんだけど)。

いついかなるときも「今が1番若い」し、若いときの経験は「お金では買えない」!

そう思って(自分に言い訳して?)、スウェーデンのことを調べ始めた。

…のだけど、その頃の私は北欧の国々を完全に混同していた。

2人で本屋へ行ったとき、私が「あ!良い本があるよ!」と彼に渡すと、「これフィンランドじゃん!俺が行きたいのはスウェーデンなんだけど!」と笑われてしまった。

それで私は、「スウェーデンはIKEAカラーの国旗で、フィンランドはサウナの国と覚えれば間違えないかな…?」という程度に、ほんの少しだけ解像度を高くしたのだった。

なぜレクサンドに?

私たちはストックホルム以外に、レクサンドという町にも足を運んだ。

レクサンドは、「スウェーデン人の心の故郷」と言われるダーラナ地方にある。
スウェーデン土産の定番、ダーラナホースが生まれた場所でもある。

レクサンドには、ファールンレッドのいかにもスウェーデンらしい家々が並んでいて、美しいシリヤン湖の夕焼けも、忘れられない最高の思い出になった。

こんなかわいらしい家がたくさん並ぶレクサンド。
夕焼けも最高。



スポーツ全般好きな彼は、アイスホッケーをきっかけにレクサンドを知ったそう。

ダーラナ地方について調べる中で、「スウェーデン人の心の故郷」という言葉に惹かれ、「もはやアイスホッケーは見れなくても、ダーラナ地方には行きたい」とのことだった。

確かに、日本人から見ると心豊かな毎日を送っていそうなイメージがあるスウェーデン人の心の故郷…つまりきっと「心が落ち着く場所」であり「ほっとする景色」ってどんなものなんだろう、と私も興味が湧いた。

本、ウェブサイト、YouTubeなどで情報を集めようとしてみたけれど、驚くほどスウェーデンの情報は少なく、当然ダーラナ地方やレクサンドの情報はもっと少ない。

そもそも、旅行ガイドブックを探しても、「フィンランド」や「北欧」はあれど、「スウェーデン」はほぼない。
愛読書の地球の歩き方でさえ「北欧」と4カ国一括りになっている。

日本人にとってスウェーデンは物理的にも心理的にも「遠い国」なのだと感じた(IKEAに行けばいつでもスウェーデンを感じられるけれど!)。

ただ、それでもやっぱりありがたいのが地球の歩き方!

ダーラナ地方が紹介されているページで、SJ(スウェーデン鉄道)でどうやら行けそうだというヒントを得た。

とりあえず行けそうならOK!細かいことは後から決めよう!ということで、目的地をストックホルムとダーラナ地方に決定!

ツアーの選び方

このスウェーデン旅行では「旅工房」さんに大変お世話になった。

旅工房さんにお任せして本当に良かった(何の宣伝でもありません!)。

準備期間のスケジュールはだいたいこんな感じ。

2023年8月:スウェーデンに行こう!となる
2023年9月:主な目的地をストックホルムとダーラナ地方に決定
2023年10月:旅工房に問い合わせ・予約
2024年1月:レクサンドの宿を予約(個別手配)
2024年3月:旅行

初めてのヨーロッパで勝手が分からず、半年ほど前に予約した。

ツアーを申し込むに当たっては、いろんな旅行会社を比較した。

せっかくなら2人だけで旅したい(飛行機とホテルのみのパックを予約したい)という希望がありつつ、スケジュールや金銭面のバランスが取れているのが旅工房さんだった(※以前、シンガポール旅行記をアップしたが、時系列的には、スウェーデン旅行手配→シンガポール旅行手配→シンガポール旅行→スウェーデン旅行、という感じで、このときはまだ私の中に飛行機やホテルを個別手配するという選択肢がなかった)。

見つけたのは羽田発ストックホルム5泊8日のツアー。
そのため、旅工房さんへは、要望欄にプラスで以下のような内容を入力して問い合わせた。

  • ダーラナ地方に行きたいため期間中の一部のみ宿泊先を変更できるか。

  • 福岡〜羽田の便も手配してもらうことはできるか。

旅工房さんからの返信は「希望の行程ではツアーの取り扱いが無く、オーダーメイドプランでの案内になる」とのこと。

加えて、以下のように返信いただいた。

  • ダーラナ地方については、「ファールン」という都市は手配可能だが、希望日程は不可のため、自己手配が必要。

  • 福岡〜羽田は片道10000円の追加で手配可能。

お見積もりをお願いすると、ツアー代金、燃油サーチャージ、税金等込みで、

1人あたり約300,000円!

これは、他のツアーと比較してもかなり安いと感じた。

何より、メールの

「*残り→4席(本日時点)」

の文字を見て、「これは予約するしかない…!」となった。

さすがに5ヵ月前だったので、本当に4席しかないのではなく「この値段で予約できる席が残り4席」という意味だったのかなと思うけれど、「まだ最悪の場合キャンセルもできるし!」ということで、旅行の半年ほど前に予約した。

準備して良かったもの・こと

  • 地球の歩き方を購入!
    回し者かと思われそうだけど、それでも推し続けたい地球の歩き方!!
    これがなければアーランダ国際空港からストックホルムまでもたどり着けていないかも…。
    毎回ありがとうございます。

  • 英語の旅YouTuberの動画で予習!
    日本人旅行者が多くない地域だからだと思うけれど、日本語だと情報がかなり限られていた。
    一方で、英語だと「こんなにいろんな動画があるのか!」と驚くほどたくさんの情報が得られた。
    そのため、スウェーデン(それ以外にも日本人観光客がそれほど多くない地域)に行く場合は英語で検索するのが良いと思われる。
    彼も私も英語がペラペラなわけではないのだけど、字幕をつけて何とか理解できたり、ときには理解できなかったりした。
    スウェーデンは、英語が公用語ではないにも関わらず、ほとんどの人が英語を話せるので、英語の勉強にもなって一石二鳥。

  • Googleマップで行きたい場所を登録する!
    旅好きの人にとっては常識だろうけれど、改めて推したいGoogleマップ。
    事前にダウンロードしておけばオフラインでも使用できるので旅行中も安心。
    さらに、「共同編集者を招待」の機能を使えば2人でも編集可能。
    何より、日本に帰ってきた後に「ここに行ったなあ」と思い出に浸るときにとても良い!

  • ネットの手段を調べる!
    今回は、彼のahamo回線のみ。
    ストックホルムではカフェやホテルなど、いろんなところでWi-Fiが使えるとのことだったので、私は契約しなかった。
    基本は2人で行動するので必要なときは彼が調べてくれて、朝と夜はホテルで使えるので特段困ることもなかった。
    もし彼とはぐれたら困るな、とは思っていたので、一応docomoの世界どこでもギガの契約方法は調べておいたが、使用せず済んだ。

  • 寒さ対策は万全に!
    この旅行に向けて、mont-bellのダウンとユニクロのヒートテック超極暖、ヒートテックイージーパンツ、ヒートテックタイツを購入。
    さすが信頼の日本ブランドたち、しっかり寒さから守ってくれた。
    旅行したのは3月で、日本は暖かくなり始める時期だけど、ストックホルムの最低気温は1℃、最高気温は6℃(地球の歩き方より)。
    私は超が付く寒がりなので、1日外を散策する日は、上半身はダウンに超極暖2枚、下半身はタイツにヒートテックイージーパンツという重ね着防寒スタイルで何とか外を歩くことができた。
    「おしゃれは我慢」と言う人もいるけれど、そんなことを言っていられないくらい寒かったし、北欧の人はあまり人のファッションには関心がないらしいとも知ったので、完全に寒さ対策に振り切った。
    冬に旅する場合、寒さが苦手な人は特にしっかりした対策が必要だと思う。
    雪はほぼ積もっておらず、スノーブーツは不要だった(地域や年によって異なると思われる)。

  • ツアーキャンセル保険に加入!
    結局、当初予約した日程で旅行できたけれど、ツアーキャンセル保険の安心感は大きかった。
    予約したのは半年前。
    おおよそ仕事のスケジュールもこの期間なら大丈夫だろうと目処はつけていたけれど、例えば自分の体調不良、家族の体調不良で行けなくなる可能性は当然ある。
    私たちにとって30万円はとっても大きな額。
    行けなくなる=何かしらショックなことが起きているということなのに、さらに全額お金も返ってこないとなると、さすがに立ち直れない…と思い、旅行代金の50%が補償される保険に加入。
    ツアー代金30万円の50%、つまり約15万円が補償される保険が約4000円だった。
    これが高いと思うか安いと思うかは人それぞれだろうし、適用されるための条件もあるけれど、私はこれでかなり安心できた。
    ちなみに、なぜ50%補償にしたかというと、旅工房さんでは「前々日・前日・当日の旅行開始前」であれば取り消し料は50%で、100%になるのは「旅行開始後・無参加不連絡」のときだったから。
    100%になるタイミングでキャンセルせざるを得ない状況になることも早々ないだろうし、もしそうなったときは大人しく半額は払うしかない…と思い、50%補償にした。
    まだコロナに罹ってしまう人もちらほらいる時期だったので、結果保険は使わなかったけど入って良かったと思っている。

レクサンドの宿

レクサンドの宿は自分たちで手配。

まずは評価が高い施設に絞り、最終的に決め手となったのはズバリ、コメントで複数の人が書いていた「ホストの人柄」。

どの口コミを見ても「素敵なホスト」「親切なホスト」とあって、「もうここしかない!」となった。

本当に本当に素敵な宿&ホストで、このスウェーデン旅行1番の思い出になった。

一つだけ悔やまれるのが、こんなに素敵な場所にたったの1泊しかしなかったということ…!!!
少なくとも、もう1泊はしたかった。

限られた時間で言葉の壁もあったけれど(私たちが英語を話せないので…)、ホストとはいろんな話をした。

別れ際には、なぜか涙が溢れて止まらなかった。
寂しさはあったけど、それだけでは言い表せないような気持ち。
大袈裟ではなく、レクサンドでの1泊2日で私の人生観は変わった。

ありがたすぎることに、ホストには宿泊料金以上のことをしていただいた。

そのため、私がこういう記事を書くことでこれがこの宿の「普通」となってしまうのは間違いかもしれないという迷いもありつつ…

でも、たくさんの人にこの素敵な宿とレクサンドという町を知って欲しいので、調べればここだと分かるかなという程度に情報を載せておきます!(素敵すぎたので秘密にしておきたい気持ちもあるけれど…!)

あくまでも「私たちの思い出」ということで読んでもらえたらとても嬉しいです。

この宿はご夫婦で運営されているのだけど、お2人とも本当に優しい方だった。

きゅん!とする内装。
外観も素敵。
晴れていたら、きっともっと素敵。
ダーラナホースも嬉しそう。
雪をイメージした飾り付け。
きっと季節ごとに変わるのだろう。


とってもありがたいことに、ホストさんはレクサンド駅まで迎えに来てくれただけでなく、町のドライブにも連れて行ってくださった。

写真を載せたダーラナホースは、ホストに連れて行ってもらったお店で購入したもの。

どこか行きたい場所はある?と聞かれて、ダーラナホースを買いたい、と伝えたところ、快くこのお店に連れて行ってくれた。


しかも、お店に着くと「どこにあるかな」と一緒にダーラナホースを探してくれた。

ダーラナホースは最も小さいサイズでも4000円ほど。
職人の手作業なので安くはない。

値札を見て「思っていたよりちょっと高いな!」と感じたけれど、覚悟はしていたので予定通り購入しようとしたら、ホストさんが他の価格が抑えめなお土産も勧めてくれた。

私の勘違いかもしれないけど、「せっかく連れてきてもらったから絶対買わなきゃ!って考えなくても良いからね。買わないという選択肢でも良いんだよ」と嫌味なく伝えてくれたのかな?という感じがして、本当に本当に良い人だなあと思った。

言動の一つひとつに優しさと思いやりが溢れていて、私もこんなふうに見返りない優しさを与えられる人間になりたいな、と尊敬の念を抱いた。

そのあとも、レクサンド教会や車がないと行けない高台にも連れて行っていただいて、美しいレクサンドの町を満喫することができた。

夕日に照らされるレクサンド教会。
以前は電話ボックスとして使用されていたらしい。


「次はぜひ夏至祭のシーズンにおいで」と言ってもらったので、それを実現するのが直近の目標であり夢。

スウェーデンで1番大きなメイポールで、なんと2000人もの人が集まるそう。
宿の近くにも小さくてかわいらしいメイポールが。


夏至祭とは、冬が長く厳しいスウェーデンの人々が、夏の到来を喜び祝うお祭り。
人々は民族衣装を身に纏い、このメイポールの周りで踊るのだそう。

これは後から気付いたのだけど、地球の歩き方の表紙もメイポールだった。

2024年に発刊された最新版はデンマークに変わっているので、たまたま自分が買ったのが北欧4ヵ国あるうちのスウェーデンで、しかもそれがメイポールなんて、何かに導かれたとしか考えられない!

…と、都合良く捉えている。

レクサンドに訪れ、ホストのお2人と話したことで少なからず私の人生には変化があった。

本当に、本当に、お2人には感謝でいっぱい。

ぜひ多くの人にレクサンドを知って欲しいし、レクサンドに行く際にはこの宿に泊まって欲しい。

心が洗われ、温かい気持ちになれること間違いなしです。

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