人生の処方箋として(行き詰まった時に役立つ名言集)2

第1回目目次
1.「言志晩録」(60)
2.「言志後録」(33)
3.「言志録」(34)
4.「言志晩録」(13)
5.「言志録」(2)
今回は2.の「言志後録」と「言志録」(34)です。
少年の時に学んでおけば、壮年になってからそれが役立ち事を為すことができる。壮年の時に学んでおけば、老年になっても気力が衰えることはない。
老年になっても学んでいれば、見識高く社会により多く貢献できるから、死んでも朽ちることはない。
「これは三学の教え」と言われるもので、人生の「小・壮・老」それぞれの時期にはすべて学ぶべき意義がある事が説かれています。「老いて」の所はちょっと大げさな感じがしますが、要するに学ぶこと自体が気力と体力の源泉になり、元気に充実して長生きできる、というふうに捉えていただくといいでしょう。老いるほどに学ぶことの素晴らしさに重きを置き、若々しい精神を保ちたいものです。

「言志後録」(33)
春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛(つつし)む。

現代語訳とポイント
なごやかな春風のように人に接し、秋の霜のように厳しく自らを規制しなければならない。
比喩に自然を用いているのは、日本人の感性にフィットするところ。
人と会うときに春風を、自分がちょっといい気になっているなと思うときに秋霜をイメージしてこの言葉をつぶやくと、自ずと言動が違ってくるように思います。

次は「言志録」(34)です。
少年の時はまさに老成の工夫を著すべし。
老成の時はまさに少年の士気を存すべし。

現代語訳と味わうポイント
若い時は経験を積んだ人の様に十分に考え、手落ちがないように工夫するがよい。年をとってからは、若者の意気と気力を失わないようにするがよい。
若者に遭って年配者にないもの、というものがあります。年齢を重ねると、どうしても気力・体力が落ちてきますので、若い人と積極的に交流し、彼等のエネルギーをもらう一方で、彼等のお手本になるような熟練の思考・行動を示す。後半生はそういう生き方が理想でしょう。

次回は「言志晩録」(13)と「言志録」(2)を。