バイクの免許を取りたい③ 1段階前半
初の実車教習から1時間。2時間目の教習が始まる。
教習車を少しだけ引き、二輪コース手前で半クラッチの復習。とにかく感覚を掴むため、何度も何度も繋いでは切るを繰り返す。
そしてコースへ。
この時間ではとにかく発進と停止を繰り返した。
前回は半クラッチだけで発進していたが、今回からはアクセルを開けながら半クラッチをして安定的な発進を練習する。
アクセルを開けることでエンジンの回転数が極端に下がることを避け、エンストの確率を減らすためだ。
ここに大きな落とし穴があった。
毎日のように非力な原付に乗っている私は、アクセルを開けすぎてしまうのだ。
原付ではどんだけアクセルを回しても大してスピードもでなければ、大きな音も鳴らない。
しかし、今乗っているのは排気量400ccのバイクだ。少しアクセルを捻るだけで、ブォンと大きな音がマフラーから発せられる。
その音にビックリする私は、焦りのあまりクラッチを離してしまう。そうするとエンストをしてしまうのだ。
とにかくアクセルワークに気をつけなければならない。
何度も何度も練習をする。
そして停止にも問題があった。
毎度毎度ガックンブレーキになるのである。
ここでも原付との違いが障壁となっていた。
原付は自転車と同様に両手がブレーキだ。すなわち停止しようとしたら必ず手でブレーキをかける。しかし今乗っているバイクは右手が前輪ブレーキ、そして右足が後輪ブレーキである。
私は後輪ブレーキを使わず、いつもの癖で前輪ブレーキだけで止まろうとしていた。前輪ブレーキは掛かりが強いので、ガックンと止まってしまう。また、バイクでガックンブレーキをしてしまうと、最悪の場合その勢いのまま身を投げ出されてしまう危険がある。
この時間では後輪ブレーキのみで停止をする練習をした。
この経験が後に効いてくることになる。
そんなこんなで進んでは止まりを繰り返していた。
そんな時事件が起こる。
発進をし、半周して帰ってこようと思ったその時だった。
他の教習生が居て、狭いところを通らざるを得なかったが幾分オーバースピードだった。焦った私は思わずブレーキを握る。
クラッチを握っていなかったばかりにエンスト。そして転倒。
私の身体は無惨にもアスファルトの上に投げ出されてしまった。
ショック…を受けるかと思ったが意外とそうでもなかった。教習所という安全な場所で転けただけの事だ。次の時間は
転けれる時に転けておかないと、実際に免許を持って公道で転ける訳にはいかないからだ。
受け身もしっかり取れた。日頃からプロレスを見ているおかげだろうか(絶対に関係ない)
幸いにも今あげた課題は、しっかりと原因が分かっているので、あとは練習あるのみだ。
次の3時限目では、S字と8の字を練習した。
この課題は特に問題なくこなすことが出来た。
4時限目はシミュレーター教習だ。
シミュレーターを使用し、曲がるには車体を倒す必要があることや、ブレーキは前後輪どちらも使った方が止まりやすいよだとか、橋の上は突風が吹いて危険だよなど、二輪の特性を学んだ。
シミュレーター教習は3人で受けたのだが、私以外の2人は女性だった。バイク女子…居るのだな…と感じた瞬間でもあった。
次からは課題をどんどんこなしていくことになる。
続く。