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体に埋もれている言葉を引き出す。

出来事の奥にある心の真実
ノンフィクションライター
大泉実成さん。自ら歩いて調べ体験して体が受け取った言葉を
文章にしている。
エホバの証人と輸血拒否事件・説得
麻原彰晃を信じる人びと。
潜入ルポ。エホバの勧誘、
オウムの霊的修行の体験を通して
事件を起こした人物のこころをルポしている。
私たちのこころの風景はどこかで繋がっている。
大泉さんが書かれた文章が
私の中の体に埋もれている言葉を
引き出していく。
この世の中に生きている同じ種族。
人間の物語。
其々のやり方で、一生懸命生きている人間。
その人の背景を読む。
自分で調べる。
体験する。そこに人間の物語がある。
テレビや新聞、雑誌に流れている
情報を鵜呑みにして、
感想を言い合う。
誰かが発信している文章を見て
感想をぶつけ合う。
言葉をめぐり闘い合う。
その物事の裏に生きている人間を
見ない。
人は、
自分の体験から物事を見る。
自分の物語を生きてない人は
誰かの物語に巻き込まれる。
誰かの言葉を自分の言葉と勘違いして生きてしまう。
物語は夢だ。
人の夢を生きていると心が不安定になり、いつもその人の言葉に頼らなくては生きていけなくなる。
大泉さんは水木しげるさんと
マレーシア、夢を操る民族、セノイ族に会う旅、メキシコ、インディアンの旅、夢から生まれ、夢へ還るアボリジニに会う旅にでている。
激戦地ラバウルで仲間たちが国の命令で亡くなっていった中、片腕を失くし帰還した水木さん。なんで自死を選ばなかったのか、非国民め!と言われながら日本に戻ってきた。
大泉さんは水木しげるさんと自然と精霊と夢の旅をした。
そこで何かが取り憑いたのに違いない。
夢は自分の物語。夢は人間の生の歴史に繋がっている。
自分の中にある生きる力に夢が導いてくれるのだなと思う。
大泉さんはご自身の夢を通して
夢の研究をされている方なので
言葉が私のこころに響く。
まるで小説を読んでいるようだ。
この夏、ハマっている作家です。

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