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居場所を作る

学習塾をやっていて嬉しいことがある。

教え子が大学生になって指導するスタッフになることだ。

20年以上この仕事をやってきて多くの生徒が講師となり、活躍して巣立っていった。

教室は通っていた教室と異なることが多いが、担当している責任者に聞くと、活躍してくれている教え子が多数を占めるようだ。


自分が教えた生徒は、スタッフになると卒業まで仕事をしてくれる。

本当に感謝しかない。

スタッフになるとこちらが求めている対応について、理解が早いし、今まで行ってきたやり方も実際にしてもらっているので、真似ることで実践してくれる。


実際に働いてくれる教え子に聞くと、教室そのものが生徒の時と同様、居場所なんだそうだ。

居心地の良い職場は、スタッフ達にとっても有意義な場所だ。これは子どもたちも一緒。

もちろん、いいことばかりではなく、時にはチャレンジしていく中で大変なこともあるだろう。

それでも何か自分自身を成長させられた場所であれば、愛着も湧いてくるのかもしれない。


居場所は教室という建物だけではない。そこに関わる人達も重要だ。

飲食店でも同じだが、店長が変わると店の雰囲気が変化する。良い方向に向かっていれば問題ないが、間違った方向になれば、衰退していく。

教室の責任者は、教室が居場所として適正なのか判斷する必要がある。


私の判断基準は以下の通りだ。
・授業後に生徒が入口付近で残っているか?
・授業後にスタッフ同士や責任者と雑談しているか?
・スタッフが帰る際に笑顔で帰っているか?

ポイントは帰り際だ。

入室前は何かと忙しいことも多い。スタッフなら、授業準備や引き継ぎをしなければならないし、大学から直行して疲れなどもあるため、余裕がないだろう。

しかし、帰り際は、用事があって早く帰る場合は別だが、比較的ゆっくりすることができる。その時に、逃げるように帰宅するなら、居心地が悪いと言えるだろう。

うまく連携や連動、コミュニケーションが取れていない状態なら、そのような状況に陥りやすい。


実際、私が引き継ぎで配属された教室でもこんなことがあった。

私の授業が終わったときにスタッフは誰もいない。それほどズレてもいないのにも関わらずだ。

業績はそれほど悪い状況ではなかったが、スタッフと前任の責任者の間で溝があったことは知っていた。生徒も直ぐに帰ってしまう。

普通なら、スタッフと生徒が雑談して帰るはずだ。それが配属されてから数日間見ることが無かった。


スタッフへ正直に聞いてみた、直ぐに教室を出る理由を。案の定、苦言を言われたり、帰り際にいきなり業務を振られることがあったそうだ。


私のやり方として、子供たちやスタッフも同様、気持ちよく帰ってもらうことを徹底している。

笑顔になってもらえれば、次も頑張ろう!また、仕事に取り組もうと思ってもらえる可能性が高くなる。

そうすれば、モチベーションも上がり、精神的にも安定して居心地の良い職場を作り出すことができる。


愛着がある場所を創るには、そこに関わる人たちが作り上げるものだ。

特にリーダーを張っている責任者がカラーを創ることになる。

スタッフや子供たちにとってかけがえのない居場所を作り続けることは、店舗経営を行っている業界にとって、一番やらなければならないことと言えるだろう。

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まむお@副業ライター
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