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家庭内LAN環境の輻輳をどう回避するか テレワーク時代のネットワーク帯域制御

この記事は解決までの工程を無料で閲覧できます。有料部分はおまけ。

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テレワークが常態化した中で困っていること。会社のネットワークは常に輻輳状態にあるので最近は気にしないようにしてますが、ほぼ毎日ずっと自宅で仕事をしているのでLAN環境にも影響が。

VPN経由の通信にQoSが働かず、大きなデータを長時間やり取りするとプライベート端末(iPhoneとか)側が輻輳してます。スパイクする程度なら気にも留めないのですが、数十分も天井にへばり付くような時にはGoogle検索もままならないため、何とかしてみようと思いました。

1. 準備するもの

・IPoE対応ISP契約(クロスパス方式以外を推奨)
・Wi-FiをOFFにしたルーター x1
・Wi-Fiアクセスポイント 必要数
・帯域制御可能なスイッチングHUB

この記事はQoSで解決できないLAN内の不平等を何とかしようって内容なんですが、前提条件を揃えるということで推奨環境を書いておきます。

PPPoE接続してる人はまずIPoE接続に変えましょう。細かい話は他記事にお任せするとして、速度が遅い理由でこの記事を読んでいる人はたぶんそれだけで解決すると思います。まずは自分の契約プロバイダー公式サイトを確認して、やれることはやっておきましょう。

クロスパス方式以外を推奨っていうのは、クロスパス対応ルーターの選択肢が少ないためです。楽天ひかりがクロスパスを採用してます。nuro光とかソフトバンク光のようにサービスや機器の選択肢がそもそも無い人は無視してOK。

ルーターのWi-FiをOFFにするのは、Wi-Fiの暗号化通信によるルーター負荷を軽減し通信状態を安定させようという意味合いです。これは必須じゃないんですが、一般的にISPレンタル品は性能があまりよくないので、私はルーターとアクセスポイントを分けてトラブル回避しています。

2. 帯域制御可能なスイッチングHUB

最初はルーターの性能を上げることを考えていたのですが、我が家はクロスパス対応ルーターしか使えないため選択肢が少なかったわけです。QoSがダメなのでYAMAHAのRTXくらいしか代用品が無い、、

しかし、見つけてしまいました。既存設備はそのまま、安価な帯域制御機能の追加方法を。記事化したのはこれを紹介したかったってだけです。

業務用PCには何の変更も加えないので、管理者権限も必要ないし、規程違反に問われることもありません。そういう意味でも超おすすめ。

3. GS105E アンマネージプラス スイッチングハブ

家電量販店で売っているアンマネージスイッチと業務用マネージスイッチの中間(の中でも機能が少ないほう)に位置する業務用通信機器です。量販店でこれを取り扱っているところは皆無と思います。価格も個人向け製品とほとんど差がないので、特別な理由がない限りこっち買ったほうが幸せになれます。

4. 帯域制御しようね

まずWi-Fiを切ったルーターからGS105EにだけLAN配線します。
GS105EからWi-FiアクセスポイントやVPN接続PCに分岐させ、その各ポートに帯域制御をかければOK。すごくシンプル。

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我が家はプライベート端末側の帯域占有がほぼ無いので、VPN端末が刺さってるポートにだけ上下32Mbpsの制限をかけています。たったこれだけなんですが、Teams/Zoom会議に支障も出ず、公私とも良い感じに棲み分けできています。プライベート端末側も帯域多めに使う場合は、それぞれのポートに上限設定すると安定すると思います。ルーターとGS105E間を繋ぐポートに帯域制御かけないように注意。

5. ほかにも(ネットワーク対戦ゲームの帯域確保とか)

期待値として上下100Mbps取れるWi-Fi環境があったとしましょう。4人家族で各々がゲームや動画に帯域を使いまくってる場合に通信が不安定に感じる場合があるかもしれません。そんなときは4人を各々別ポートに収容してそれぞれ32Mbpsの帯域制御をかけてしまいます。すると、設定値を超えた通信速度は得られませんが、一人当たりの帯域は公平になり、結果として体感できる遅延を減らせるかもしれません。

ちなみに、32Mbpsの制限の場合32Mbpsぴったり使えるわけじゃなくて、実行速度はせいぜい28〜30Mbpsあたりに落ち着くんだと思います。誰か1人が帯域占有する問題が回避できそうなだけで、帯域がフル活用できないばかりかWi-Fiアクセスポイントが4人分必要になる例なのであくまで理論上はという話。ここまでストイックに分けようとしないで、遊び用と仕事用で使える帯域の上限を決めるくらいでちょうどいいんじゃないかなって思います。いまこれを読んでいる人が困っていることへのヒントになれば幸いです。

6. さいごに

上限を設けるということは各端末の通信速度が設定値で頭打ちになるということなので、最大速度のような見かけ上の満足感とトレードオフであることを覚えておいてください。水とか電気と同じで、通信も一定の品質を保った安定供給が重要だと思うんですよね。

最低限の記事はここまで。有料部分はちょっと役に立つかも程度のを書かないと良心の呵責に耐えられないので少し頑張ってみました。

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