ブラックアイドピーズの特集だ!チョット古いがやっぱりLet's Get It Startedが最高だ!(オススメMV #58)
こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の58回目です。(連載のマガジンはこちら)
今回は私のお気に入りのグループの中のひとつ、ブラック・アイド・ピーズの特集をお送ります。
詳しい話はあとに回すとして、まずは私とブラック・アイド・ピーズが出会った記念すべき最初のMVを紹介しましょう。
ブラック・アイド・ピーズの「Let's Get It Started」です。どうぞ!
このMVは、本当に何度見てもイイ!
様々な工夫が施され、かつその工夫が全く邪魔になっていないという洗練されたMVです。
もちろん楽曲も素晴らしく、楽曲と映像のバランスもピカイチです。
ブラック・アイド・ピーズ(The Black Eyed Peas、以下BEP)は、1995年に結成したHIPHOPグループで、メンバーはウイル・アイ・アム、アップル・デ・アップ、タブーの男性3人でスタートし、2003年に女性メンバーのファギーが加入し4名体制になりますが、2011年の暮れに活動を休止してしまいます。
2015年に活動を再開した矢先の2016年にファギーが子育てに専念するということで脱退し、今に至ります。
昨年女性メンバーのJ・レイ・ソウルが加入したというアナウンスがあったのですが、楽曲のクレジットではBEPとレイの名前が並べて表記されていたりするので、メインメンバーは3名体制のままのようです。
実はこの「Let's Get It Started」のMVは、この連載の4回目、「ウイルアイアム+ニッキーミナージュ×ラジオスターの悲劇=???」の回で紹介しているので、MVの解説はそちらをご覧ください。
最初にも書きましたが、この「Let's Get It Started」のMVを観て初めてBEPの存在を知り、かつこのMVと楽曲自体に衝撃を受け、いつものようにBEPの源流をさかのぼることになります。
この「Let's Get It Started」は、2003年リリースの3rdアルバム「Elephunk」に収録されている「Let's Get Retarded」のリミックスバージョンで、2004年にNBAのイベント用に制作されたものです。
あまりに評判になったため急きょ同年2004年にシングルリリースされ、大ヒットし様々な賞も受賞しています。
そして、その翌年の2005年にBEP最大のヒットアルバムとなる4thアルバム「Monkey Business」をリリースします。
BEPの源流をさかのぼる前に、その4thアルバム「Monkey Business」からオススメMVを紹介します。
ブラック・アイド・ピーズの「Don't Phunk With My Heart」です。
「徹底的に面白くしてやる!」という意気込みが伝わるイイMVですね。
しかも、楽曲も「これってHIPHOP?」というぐらいブッ飛んでいます。
楽曲も映像も、視聴者を楽しませてくれる最高のMVです。
このMVを観てもわかる通り、BEPは「楽しませるためなら、何でもアリ」という感じで、楽曲も様々な要素を組み合わせていて「これってPOPS?」という楽曲もあり、もうワケがわからない状態ですが、素晴らしい楽曲ばかりであることには変わりありません。
さて、BEPの源流ですが、「Let's Get It Started」のMVを見たあと、オリジナルの「Let's Get Retarded」が収録されている3rdアルバム「Elephunk」を聴いたところ、「これ、すげー!!」とBEPにはまってしまいました。
その勢いで、2ndアルバム「Bridging the Gap」から1stアルバムの「Behind the Front」を聴いたところ、「あれっ、ゴリゴリのHIPHOPだ...」と驚きつつ、じっくり聞くといい楽曲もあり、「やっぱりBEPはいいな!」と再認識した...という経緯があります。
すると翌年の2005年に4thアルバム「Monkey Business」がリリースされ、完全に振り切ったBEPの姿がそこにあり、「楽しませるためなら何でもOK!」というアゲアゲのBEPが完成したのです。
しかし、2009年リリースの5thアルバム「The E.N.D.」からは(私的には)軽い迷走状態に入ってしまいます。
楽曲もそうですが、MVもお金はかけているようなのですがイマイチ楽しめない作品が多く、このころのMVは繰り返し観ることはほとんどありません。
そうこうしているうちに2011年に活動を休止したのですが、突然2015年に活動を再開し、少し経った2018年に復活後の最初のアルバム「Masters of the Sun Vol. 1」をリリースします。
このアルバムは黎明期のBEPを彷彿させるゴリゴリのHIPHOPがてんこ盛りで、「EPBはこっちの路線で行くのかな?」と思っていた矢先の昨年2020年にまたまたBEPは我々を驚かせてくれます。
2020年リリースの8thアルバム「Translation」では、「なんでもアリのBEP」に戻っていて、更には「アゲアゲ」ではなく「なんでもアリの大人のBEP」になっていた...と進化していました。
ぜひ進化した「なんでもアリの大人のBEP」を観ていただきましょう。
最新アルバム「Translation」からオススメのMVを2つ紹介します。
まず最初のMVは、ニッキー・ジャムとタイガというイケてる2人を客演に迎えた素晴らしい楽曲のMVです。
ブラック・アイド・ビーズの「VIDA LOCA」です。
もうなんでもアリの極致ですよね。
しかし、「真面目にふざけている」ことが伝わってくる楽しいMVです。
楽曲も映像も、これ以上ないほど完成されています。
続いて2つ目のMVです。
先ほどの「VIDA LOCA」とは違った方向で尖っているMVです。
こちらは、オズナとBEPの4人目のメンバーともいわれているJ・レイ・ソウルを客演に迎えた楽曲となります。
ブラック・アイド・ビーズの「MAMACITA」です。
不思議な世界観のMVで、引き込まれてしまいますね。
映像の構成と色使いが独特で、「これ以上は行き過ぎだ!」というギリギリのところで止めているのが技ありのMVです。
もちろん楽曲もよく、映像とのバランスも秀逸です。
復活後のBEPは、「ゴリゴリのHIPHOPのBEP」と「なんでもアリのBEP」の2つの側面があるのですが、どちらが本当のBEPなのでしょうか?
それは、「両方とも本当のBEP」ではないかと考えられます。
その理由は、復活後に最初にリリースした以下のMVを観ればわかります。
ブラック・アイド・ピーズの「Yesterday」です。
HIPHOPの名曲をオマージュした、メチャクチャ渋いMVです。
BEPの3人が、HIPHOP好きの少年のように楽しんでいる姿が印象的です。
このMVを観て、迷走していたBEPが休止期間に考えた結果、「オレたち、みんなを楽しませるために(そして自分も楽しむために)色々やるけど、やっぱりHIPHOPがメチャクチャ好きなんだ!」と宣言したように思います。
つまり、「ゴリゴリのHIPHOPのBEP」も「なんでもアリのBEP」も、両方やっていくのではないか...と推測しています。
今後BEPは、ゴリゴリのHIPHOPのアルバムをVol.2、Vol.3とリリースし、なんでもありの楽しいアルバムをその都度のコンセプトを掲げてリリースしていくのではないでしょうか。
さて、最後になりますが、黎明期のHIPHOPグループのBEPと、なんでもアリのBEPの転換点が、最初に紹介した「Let's Get It Started」とそのオリジナルの「Let's Get Retarded」の間にあると思われます。
3rdアルバム「Elephunk」はHIPHOPをベースに様々な要素を組み合わせた名盤ですが、まだHIPHOPが色濃く残っていて、「Let's Get Retarded」にもそれが伺えます。
しかし、「Let's Get It Started」では味付けがガラッと変わり、その次にリリースした4thアルバム「Monkey Business」では完全に吹っ切れてたBEPが誕生します。
そして、復活後のBEPは、2つのBEPを使い分ける完全体となった...というワケです。
ヒトでも同じですよね。
大勢の仲間とはしゃいで楽しんでいる自分と、ひとりで本を読みまったりしている自分、その両方とも自分であり、どちらが本当とかはありません。
様々な側面や要素を併せ持っているのがヒトであり、アーティストやグループもまた同じではないでしょうか。
今回はブラック・アイド・ビーズの特集をお送りしました。
ゴリゴリのHIPHOPのBEP、なんでもアリの楽しいBEP、ぜひ両方とも味わってみてください。
ではまた次回に。