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アンニュイなナイトテープのMVは、狙い過ぎてはいるけれど実は結構お気に入り(オススメMV #157)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の157回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は、ナイトテープのレトロチックなMVを2つ紹介します。
ナイトテープと言ってもご存じの方は少ないかと思いますが、実は私も1ヶ月ほど前に彼らのMVと出会い、それ以降チョットしたマイブームになっており、今回満を持してお届けする次第です。

では、その初めての出会いとなった記念すべきMVはコチラ。
ナイトテープの「to be free」です。どうぞ!

レトロチックな映像とアンニュイな女性ボーカルの楽曲との組み合わせが絶妙で、ついつい繰り返し観てしまう中毒性のあるMVです。
チョット狙いすぎの映像ではありますが、それが鼻につくことはなく、世界観としてギリギリ構築できています。

ナイトテープ(Night Tapes)は、2019年にデビューしたイギリスの3人組のアーティストですが、なんといっても「これぞアンニュイ」と言わんばかりのボーカルのアイリス(Iiris)の歌声が特徴です。
アンニュイと深く考えずに書いてしまいましたが、気怠い感じや神秘的という意味があるようで、まさしくピッタリな表現ではないでしょうか。

同居人であったアイリスと男性2名が、暮らしていた部屋の中で手作りで作った音楽から端を発し、その活動が今に続いているというチョット変わったアーティストです。
彼らの音楽は「ドリームポップ」というジャンルに分類されているようで、ロックというよりポップス寄りのサウンドで、幻想的でゆったりとした楽曲のことを言うようです。
そして面白いのが、彼らはドリームポップの他のアーティストたちの音楽をほとんど知らない状態で、彼ら自身の試行錯誤の中で生み出された楽曲が、市場の中で「ドリームポップの新星現る!」という感じで取り上げられているという事実です。
それを考えると、真似ではなくオリジナルとして生み出されたからこそ、市場の中で高く評価されているのではないかと考えられます。

また、ボーカルのアイリスですが、パッとでのアーティストではなく、地道に活動していた事実を知り、驚くと共にファンになった次第です。
元々エストニア出身で、地元で音楽活動をはじめ、しっかり音楽に取り組むためにイギリスに出てきて音楽学校に通いながら音楽活動を続けていた中で、二人の男性ミュージシャンンと出会い、同居しながら音楽に取り組んだ結果がこの「ナイトテープ」となったのです。
この背景を知ったうえで彼女のアンニュイな歌声を聴いていると、なぜか感慨深いものがあります。

この「to be free」は、先月2024年11月にリリースされたシングルで、同時にMVも公開されており、公開直後にYouTubeの新作MV紹介でレコメンドされて視聴したことでこのMVと出会いました。
本当はレコメンドされたMVを視聴するのは好きではなく、新たなMVは自分で探して視聴するのが好きなのですが、今回ばかりはレコメンドしてくれたYouTubeに感謝という感じです。

そして、この「to be free」のMVで彼らと出会ったあとは、いつもと同じく遡って過去の楽曲やMVを視聴していきました。
その中でもうひとつ、素晴らしいMVを見つけたのです。
それが2つ目に紹介するMV、ナイトテープの「drifting」です。

シンプルでありながらも深みがあり、印象付けが弱いにもかかわらず脳裏の奥底にまで浸透してくるような映像で、もう参りましたのレベルです。
もちろんアイリスのアンニュイな歌声ともベストマッチしており、何も言うことが無いほどの出来栄えです。

この「drifting」は、2023年12月にリリースされ、同時にMVも公開されていますが、今までの彼らの活動の中では一番のヒットとなっています。
というものの、YouTubeでの視聴回数は135万回とまだまだ少なく、もっと多くの方にこの素晴らしいMVを観ていただければと思っています。

紹介した2つのMV、「to be free」と「drifting」を観ていて、以前観た何かのMVと似ているな...と思ったところ、思い出しました。
それは、フィッシュマンズの「ナイトクルージング」のMVで、照度も解像度も低く、かつゆったりとした映像に、同じくゆったりとした楽曲が組み合わされた名作と呼べるMVです。
しかし、「ナイトクルージング」のMVを見返してみると、あまりナイトテープの2つのMVとは似ておらず、ヒトの記憶や印象は曖昧なものだと思いつつも、ある種の共通性はあるように思えてなりません。
そう思いながらも、フィッシュマンズの情報を調べてみると、ドリームポップのカテゴリにも含まれていることが分かり、『やっぱりな...』と思った今日この頃です。

最後に1つ紹介したいのですが、それはMVではなく楽曲になります。
「Humans」という楽曲がナイトテープの楽曲の中では一番のお気に入りなのですが、悲しいことにMVが好みではないのです...
しかし、皆さんに紹介したい衝動を抑えることができず、どうしようか考えたところ、Lyric Videoがありますので、そちらを紹介させていただきます。
(このLyric Videoも正直好みではありませんが、MVでヘンな印象を持っていただくよりまだマシなので...)

では最後に最もオススメの楽曲となります。
ナイトテープの「Humans」です。

アイリスのボーカルのアンニュイ感は少し薄く、楽曲としてはメリハリが効いているためドリームポップっぽさも少なめですが、私の好みとしてはこれぐらいの明るさがベストです。
もちろんSpotifyにもありますので、できればSpotify等で楽曲だけで聴いていただければと思います。

今回のナイトテープの2つのオススメMVはいかがでしたでしょうか。
どちらもアンニュイな歌声とレトロチックな映像の組み合わせが最高なMVですので、ぜひ2つともご覧ください。
(できれば、「Humans」は楽曲だけで聴いてみてください!)

ではまた次回に。

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