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味わい深いレベル42とニックカーショウの謎なMVなど、1980年代は良質MVがてんこ盛り(オススメMV #23)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の23回目です。(連載のマガジンはこちら)

ここ2回連続でファルコブライアン・フェリーという特定アーティストに絞った内容でしたが、今回は2組のアーティストのMVを紹介します。
1つはあまり有名ではないがシブくてオススメのMV、そしてもう1つは最初のMVとチョット関連があるMVの2本立てです。

最近紹介するMVは1980年代半ばのものが多いのですが、今回も懲りずに1980年代半ばのMVとなります。(1980年代は良質のMVが多いのです)

では、最初のMV、レベル42の「Something About You」です。

シブイ...シブすぎるMVです。
ボーカルのマーク・キングの顔もシブすぎる...
でも、何回でも見たくなる、良質のMVです。

レベル42(Level42)は、1980年結成のイギリスのフュージョンバンドで、現地ではかの有名なシャカタクと同じほどの知名度のようです。
しかし、日本ではシャカタクはそこそこ知られていますが、このレベル42を知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。
かくいう私も、このMVでしか接点がなく、アルバムを買ってはみたものの、他のアルバムまで広げることなく今に至っています。

このMVの楽曲「Something About You」は、結成5年後の1985年にリリースされたアルバム「World Machine」に収録されており、レベル42の代表曲の中の1つです。
上にも書きましたが、他にピンとくる楽曲がなく、正直この1曲かつこのMVだけでのお付き合いになっています。
誤解いただきたくないのですが、他の曲だダメというのではなく、あくまでも私との相性が合うのがこの1曲だけ、ということです。(他の楽曲も演奏は素晴らしいと思っています)

しかし、他がどうあれ、この楽曲はイイ!
リーダーでボーカルのマーク・キングの声もいいですし、演奏もすばらしく、
(あまりじっくり聴いたことはないですが)シャカタクより味のある楽曲のように思います。

そして、このMVも秀逸です。
歌詞とうまくリンクした映像になっている点もいいのですが、現在がモノクロに近い抑えた色調で回想シーンがカラーという普通とは逆のパターンになっているのは新鮮で、かつ効果的です。
3名のカップルの物語をうまくつなぎ合わせているのですが、その3組のカップルが全員美男美女で、マークの個性的な風貌がいい意味で際立っているのもこのMVの特徴になっています。
もう1つの特徴が、道化師なのか悪魔のような役で出てくるマークですが、これがシブイ映像を壊しているようでもあり、アクセントになっているようでもあり、少しビミョーな感じではあります。

ということで、次のMVとのつながりは、この「道化師」です。

次に紹介するMVは、ニック・カーショウの「The Riddle」です。

不思議な味のあるMVですね。
上のレベル42とは違い(失礼...)イケメンのニック・カーショウが際立っているMVです。

レベル42のMVとのつながりである道化師ですが、こちらのMVはコミカルな側面もあるため、あちらほど違和感はありません。

ニック・カーショウ(Nik Kershaw)は、イギリスのシンガーソングライターで、他のアーティストに楽曲を提供したりプロデュースもしたりする才能豊かなアーティストです。
見ての通りイケメンで、当時このニックとハワード・ジョーンズ、ポール・ヤングで「若手御三家」と呼ばれていたのですが、今や皆さん60歳を超えておられるので「若手」とはさすがに呼べないですね。

しかし、皆さん活動はされているようで、一番活発なのはハワードジョーンズさんですが、確か昨年は来日してビルボードライブでライブもされていたと思います。(特にファンということも無かったので行かなかったのですが、記憶には残っています)
ニックは若手御三家の中では一番人気がなかったように思いますが、私的にはこの「The Riddle」がお気に入りということもあり一番好きなアーティストでした。

この「The Riddle」は、1984年リリースの同名のアルバム「The Riddle」からのシングルカットですが、ニック・カーショウの最大のヒット曲です。
区切りがないような独特の歌いまわしの楽曲で、一度聴いたら忘れないメロディーラインを持つ名曲です。

後年、アコースティックバージョンを出されていますが、印象がガラッと変わってアレンジでこんなに変わるものかと驚かされます。

さて、MVのほうですが、実はこのMV自体はそんなに好きではありません。(でも、定期的に観てはいるんですが...)
「Riddle」というのは「謎」という意味なのですが、映像も「謎」を表現している内容になっています。
しかし、違う表現方法がなかったものか...と。

(このMVのテイストは、往年のニュー・オーダーに近いですね)

楽曲もいいですし、歌詞もいい意味で不思議な内容になっています。
映像だけが、ちょっとチープな意味の「謎」になっているように思います。
ご覧になると分かりますが、壁にたくさんの穴が空いていて、そこに唇だけが突き出ている...というような『この演出、勘弁して...』というものが多数あります。
楽曲がイイだけに、MVが違うものであれば、もっと後世に残る名曲として認知されていたのではないか...とも思い、残念でなりません。

と書くと、ダメなMVのように思われますが、それでもMV制作側の「謎」を表現しようとした様々な努力は伝わってくるMVなので、見ていてがっかりするようなことは全くありません。
ですので、私は今でも定期的にこのMVは見ています。(楽曲を気に入っているから、というのが一番の理由ですが)

ニック・カーショウは、もっと評価されてもいいアーティストのように思いますが、この「The Riddle」のMVといい、アルバム「The Riddle」の後にはプロデューサーとの相性が悪かったようでチグハグなアルバムがリリースされたりと、ちょっと波に乗り切れなかったような感じもします。
ニックは他のグループのプロデュースをしてヒットさせたりしているので、完全にセルフプロデュースでやっていたらよかったのでは...とも思いますが、今更ですね。

今回のMV紹介は以上です。
あまり知られていないMVですが、1つはオススメMV、もう1つは楽曲は超オススメだがMVはちょっとヘンテコ系...という2つでした。
両方とも1980年代テイスト満載のMVですので、ぜひ観てみてください。

ではまた次回に。

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