
このオッサン、誰なんだ!ネイサンバーナットを起用したフローライダーはやっぱりスゴイ(オススメMV #159)
こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の159回目です。(連載のマガジンはこちら)
今回は「このオッサン、誰なんだ!?」ということで、ネイサン・バーナットというヘンなオッサンが登場するMVの特集をお送りします。
前回、ロビンシュルツの「Sugar」というMVに登場するヘンなオッサンとしてネイサン・バーナットを紹介したのですが、その際に「ネイサン・バーナットの特集を組みます!」とお約束しましたので、忘れないうちにと今回お届けする次第です。(参考までに前回はコチラ⇒「ロビンシュルツのシュガーは最高!」)
なお、以前の回で「実業家がアーティスト活動もしている」というオッサン縛りで2組のアーティストのMVを紹介していますので、「ヘンなオッサン特集」としては今回は2回目となります。(1回目の「ヘンなオッサン」の特集はコチラ⇒「このオッサン、何なんだ!実業家兼アーティストつながりでご紹介」)
では、さっそく1つ目のネイサン・バーナットが登場するオススメMVを紹介しましょう。
フロー・ライダーの「Let It Roll」です。どうぞ!
ヘンなオッサンことネイサン・バーナットのひとり舞台とも言えるMVですが、インパクト絶大な映像に負けることが無いノリノリの楽曲とのバランスが良く、パワフルなMVとして仕上がっています。
いやー、ここまで振り切ったMVもなかなか無いですね。脱帽です。
フロー・ライダー(Flo Rida)はUSのラッパーですが、なんといっても2009年リリースで最大のヒット曲となった「Right Round」が印象的です。
かの有名なデッド・オア・アライブの「You Spin Me Round (Like a Record)」をサンプリングしており、他にもイケてるサンプリングの楽曲がたくさんあるのが特徴のひとつです。
しかもパクリ的なサンプリングではなく、原曲の良さも抽出しつつ、きっちりオリジナリティも付加しているというところがイイですね。
ちなみに、前回、ネイサン・バーナットが出演するMV、ロビン・シュルツの「Sugar」を紹介しましたが、フロー・ライダーでも同じタイトルである「Sugar」という楽曲があり、同じくサンプリングによる楽曲ですが、こちらもオススメです。
楽曲だけでなくMVも超オススメなのですが、以前本連載でも紹介していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。(超オススメのフロー・ライダーの「Suger」を紹介している回はコチラ⇒「実写ストーリー系でイケてるMVはコレ。トレーシーウルマンとフローライダーと・・・」)
オマケと言ってはなんですが、上にチラッと話に出たデッド・オア・アライブの「You Spin Me Round (Like a Record)」のMVもおすすめです。
こちらも以前の回で紹介していますので、ぜひご覧ください。(超絶オススメの以前の回はコチラ⇒「ジャミロクワイとデッドオアアライブのMVは、今もなお色あせず輝き続けている!」)
だいぶ話がそれてしまったので、MVの話に参りましょう。
まず楽曲自体は、2012年リリースの4thアルバム「Wild Ones」に収録され、2013年にシングルカットされています。
上でも書いた通り、フロー・ライダーの特徴でもあるサンプリングがここでも生かされており、ベースとなる楽曲はあるのですが、『ほんとにサンプリング?』と思うほどの流用で、サスガと言わざるを得ません。
そして、このMVはアルバムリリースの1ヶ月前である2012年6月に公開されており、いわばリードMVというべき役割となっています。
それだけこのMVは市場に対してインパクトを与えることを狙ってリリースされており、実際にその効果はあったのではないかと思われます。
このMVの特徴は、ネイサン・バーナットがメインで出演しているということですが、逆に言うとフロー・ライダーが出ていないというのも特徴になっています。
というのも、フロー・ライダーの楽曲のMVには、ほとんど本人が出演しており、自己主張の強さが見て取れるのですが(悪い意味ではなくイイ意味でです)、本人が出演していないMVというところにも、このMVの割り切りが見て取れます。
自己主張の強いフロー・ライダーが、敢えて自分は出演せず、ネイサン・バーナットをメインに据えたMVを制作し、アルバムに先駆けて先行公開させた判断が、『さすが、フロー・ライダーだ!』というところでしょうか。
しかし、この話には続きがあるのです。
実は「Let It Roll」のMVは2つあり、1つは上で紹介したMVは(Keith Apicary video)というバージョンですが、もう1つ(Official Video)というバージョンが存在し、そのMVにはフロー・ライダー本人が出演しているのです!
(Official Video)の公開は2012年11月と、(Keith Apicary video)の5ヶ月後なのですが、『やっぱり我慢できなかったんだな』と思うことしきりです。
(Official Video)のほうは、結構フツーのMVですが、楽曲とのマッチングもよい良作なので、ご興味ある方はそちらもご覧ください。(リンクは割愛させていただきます)
と、ここで、1つ重要な情報をお伝えします。
(Keith Apicary video)にある「Keith Apicary」ってなんやねん?ということですが、この「Keith Apicary」(キース・アピカリー)こそ、今回紹介する3つのMVの主役となる人物で、ネイサン・バーナット演じる架空の人物となっています。
胸に2本の青い横棒が入っている白いVネックのアッパーがトレードマークで、キース・アピカリーという人物としてネットで動画を公開したりTV番組に出演したり、ひいては映画にまで出演しています。
一番最初にMVにキース・アピカリーを登場させたのは、キンバリー・コールなのですが、その際はサブメンバーとしての登場でした。
そして、自身は登場せず、キース・アピカリーをメインとして起用しMVを制作した初めてのアーティストがフロー・ライダーとなるのです。
出来そうで出来ないことをサラッとやっているのが、なかなかスゴイですね。
では、2つ目のネイサン・バーナットが登場するオススメMV。
レディ・アンテベラムの「Freestyle」となります。
ネイサン・バーナットの独壇場と化しているMVですが、カントリーミュージックとのマッチングがイマイチと思いつつも、最後まで観せられてしまうのは、ネイサン・バーナットのパワーなのかもしれません。
レディ・アンテベラム(Lady Antebellum)は、2006年から活動しているUSのカントリーミュージックのバンドですが、2020年にレディ・A(Lady A)というバンド名に変えているようです。
実は全くこのバンドのことを存じ上げず、このMVで知り、このMVでしか彼らの楽曲を聴いていないというのが正直なところです。
(私とカントリーミュージックとの相性がイマイチというのが原因かと思います)
この「Freestyle」は、2014年リリースの6thアルバム「767」に収録された楽曲で、MVも同年に公開されています。
上にも少し書きましたが、カントリーミュージックとネイサン・バーナットのダンスを中心とした映像がマッチしているかというと、微妙ではありますが、『微妙だな...』と思う間もなくグイグイと映像に引っ張られて観てしまい、気が付いたら終盤を迎えていた...という感じです。
しかし、終盤がダレてしまっていますが、それもそのはずで、このMVはストーリー仕立てになっており、キース・アピカリーがバンドメンバーに会いたいもののなかなか会えず、ライブの警備員として潜入することで最後には会える...という内容です。
キース・アピカリーを前面に出しているようですが、ストーリーの中でバンドとの関係も描き、バンドメンバーも登場しているため、中途半端なMVになっていることも否めません。
と、悪いような書き方になりましたが、深掘りして観てしまうのが私の癖ですので、フツーに観る分には楽しんで観てもらえると思います。
何より、カントリーミュージックと疎遠な私も、このMVがあるからこそ、カントリーミュージックとの接点ができているという事実もあるワケですし。
さて、最後のネイサン・バーナットというかキース・アピカリーが登場するオススメMVはコチラ。
レイドバック・ルーク&メイド・イン・ジューンの「Paradise」です。
ストーリーも何もなく、もう完全に割り切ってキース・アピカリーだけを前面に押し出したMVとなっています。
これぐらい振り切っているほうが気持ちがいいですね。
レイドバック・ルーク(Laidback Luke)とメイド・イン・ジューン(Made in June)は、おふたりともオランダのDJのようですが、詳しい情報がなく、どんな方々なのかは不明です。
スティーヴ・アオキ(Steve Aoki)のレーベル「Dim Mak Records」から2016年にリリースされた楽曲が「Paradise」で、翌2017年にこのMVが公開されています。
ちなみに、スティーヴ・アオキについては、以前この連載で取り上げたことがあるので、ご興味ある方はそちらもご覧ください。(以前の回はコチラ⇒「スティーヴアオキとラヴフォックスって最強の組み合わせかも」)
このMVは、なんといっても割り切りがスゴイ!
フロー・ライダーの「Let It Roll」と同じくアーティストは登場せず、キース・アピカリーを前面に出したMVとなっていて、かつストーリーもなく、ただ単純に楽曲と組み合わせて楽しんでもらうだけに徹しているMVとなっています。
その結果、シンプルで最後までストレスなく観ることができる良質なMVとして仕上がっています。
さて、今回紹介した3つのMVはいかがでしたでしょうか?
ネイサン・バーナット扮するキース・アピカリーが登場する面白MVとなっています。
それぞれ違った良さがあるので、ぜひ3つともご覧ください。
ではまた次回に。