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嫌いな要素ばっかりでも、ついつい見てしまうこのMVは何なんだ?クリスブラウンとタイガのコラボはええよ!(オススメMV #8)

こんにちは、吉田です。
オススメMVをご紹介する連載の8回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は、「嫌いな要素ばっかりなのに、なぜか観てしまうイケてるMV」をご紹介します。

まずは、イケてるこのMVを観てください!
クリス・ブラウン(Chris Brown)とタイガ(Tyga)というスターシンガーとスターラッパーがコラボした「Ayo(エイヨー)」です。

どうでしょうか?
めちゃくちゃイケてるでしょう!

「嫌いな要素がいっぱい」と言いましたが、私の嫌いな要素には主に以下のようなものがあります。
・カット割りが細かすぎる
・使っている色が原色中心で数が多い(画面がギラギラしている)
・楽曲が流れずストーリー部分だけの時間がある
・時間が長い(最適時間は3分30秒~5分)

そこでこの「Ayo」を観てみると、私の嫌いな要素が完全に網羅されているのが分かりますよね。
画面はギラギラしているし、カット割りも細かく、楽曲が流れないスポーツカーでの競争シーンもあり、時間も6分と長いMVです。

更には警察官と助手席の女性はMVに登場する必要は全くありません!

しかし、このMVはもう何回も、いや何十回も観ています。
それぐらこのMVの完成度は高い。

これだけ映像の押し出しが強いにもかかわらず楽曲が負けずにMV全体としてのバランスがいいのは、大きく2つの要因と考えられます。
まず1つ目は、強めの映像にもかかわらず楽曲を印象付けようとカット割りを工夫し、また映像のシーンもいくつかに分けて整理して構成されている点。
2点目は、なにより楽曲の持つポテンシャルの高さ故(ゆえ)です。

楽曲のすばらしさは二人の天才の才能によるところが大きいとは思いますが、MVの構成として前半に成金趣味や女性を侍らせているところが多いものの、最後にはビルの屋上で二人だけで歌うシーンを持ってきたところから、この二人の友情と音楽に対する愛情を表現していると思われます。(この二人、年齢も一緒なんですよね)

さて、クリスブラウンつながりでもう1つMVをご紹介しましょう。
少し古く2008年の作品、クリスブラウンをフューチャリングしたT-ペイン(T-Pain)の「Freeze ft. Chris Brown」です。

面白いMVでしょう!
T-ペインとクリスは多くの楽曲でお互いに客演しあっており、この楽曲のそのひとつです。(しかし、クリスブラウンが若いですね。といっても、今もまだまだ若いんですが...)

楽曲も映像も両方クオリティが高く、そのバランスもいいのですが、突出するのは映像のこだわりです。
アニメチックな背景の上にT-ペインやクリスが歌って踊り、他のダンサーの踊りもじっくりとみせてくれます。
その角度や大きさはさまざまですが、完全にワンカットで画像のテイストは全く変わりません。
オレンジ基調からブルー基調などの変化はありますが、よくありがちなアニメから実写に切り替わることなく、完全に同じテイストの映像が続きます。

これはこの手のMVでは画期的なことです。
アニメチックな映像で、かつテイストが同じでワンカットで続けると、どうしても単調になり飽きてくるのですが、このMVでは様々な工夫が盛り込まれており飽きることがありません。

3分38秒という比較的短い時間という点もありますが、制作したスタッフはギリギリの線で勝負をかけたのではないかと思います。
そしてその結果、すぐれたMVとして仕上がっています。
T-ペインやクリスをはじめ製作スタッフのチャレンジ精神を称えずにはいられません。

続いては、私のお気に入りのブラック・アイド・ビーズ(The Black Eyed Peas)と、コロンビアのスーパースターJ・バルヴィン(J Balvin)が組んでリリースした「RITMO (Bad Boys For Life)」をご紹介しましょう。

ここ10年ぐらいちょっと元気がなかったブラックアイドビーズですが、久々のヒット作となっています。
確かのこの楽曲はメチャクチャいい!!

しかし...
この楽曲、Spotifyでは結構聴いているのですが、MVでは数回しか観ておらず、しかも途中までしか観ていないこともあります。
それぐらい、このMVは観ているのがツライ。

アニメチックな暗めの背景や映像が明るい楽曲と合わず、実写の映像が意味なく混ざり、元がサントラのため仕方ないのかもしれませんが映画「バッドボーイズ フォー・ライフ」の映像が途中で差し込まれ、ダンサーの気合の入ったダンスシーンも細切れのためよくわからず...
お金をかけててんこ盛りの映像ですが、バラバラという印象です。

この「RITOMO」はオリジナルの楽曲ではなく、元はコロナ(Corona)というイタリアのダンスグループの「The Rythm Of The Night」という楽曲がベースになっています。
参考までにそちらのMVも載せておきます。

楽曲としては「RITOMO」もいいですが、コロナのオリジナルの楽曲もいいですよね。
しかし、MVとしてはお金をかけまくった「RITOMO」と明らかに低予算のコロナのMVとで差があるかというと、そんなにない...という感想です。(なぜ遊園地なのか?というのは大いに疑問ですが)

連載4回目に書きましたが、初期のブラックアイドビーズはイケてるMVが多かったので、なんとかMVもヘビロテして観たくなるものをリリースしてほしいと切に願っています。

さて、今回はクリスブラウンとタイガの「Ayo」をご紹介しました。
すばらしいMVですので、ぜひぜひご覧ください。
病みつきになること確実です。

ではまた次回に。

追記(2020/09/26)
ご覧になられた方から「RITOMOのMVもよく出来ていると思いますよ」とご連絡をいただきました。
もちろん「RITOMO」もすごく考えて作られているMVだと思います。
例えば、映画のシーンを差し込む際には、昼間の明るいシーンは同じく昼間の明るい映像の前後に差し込み、逆に夜や暗いシーンは同じく暗い映像の前後に差し込んでいます。
映画のシーンだけが「浮く」のを防ぐために工夫されているな、と感心するところも多々あります。(しかし、映画のシーンを差し込まないとダメだ、という約束でもあったんでしょうかね...)
しかし、楽曲の良さを引き立たせるためには違うアプローチもあったのではないか、とも思っています。
私のコメントでお気を悪くされたかたがおられたらご容赦ください。

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