レディーガガの特集だ!でも、マドンナやリアーナも出てくるよ(オススメMV #89)
こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の89回目です。(連載のマガジンはこちら)
今回はアーティスト特集として「レディ・ガガ」のMVをお送りします。
レディ・ガガは今では大御所ともいえるスターのひとりですが、最初の衝撃的な登場は今でも忘れることができません。
まずはその衝撃的なデビュー作をご覧いただきましょう。
レディ・ガガの「Just Dance」です。どうぞ!
おしゃれで洗練された映像に、ノリのいいダンサブルな楽曲との組み合わせが秀逸なMVです。
この楽曲とMVでレディ・ガガは衝撃的なデビューを飾るのです。
レディー・ガガとの出会いはこのMVです。
最初にどこで観たのかは記憶に定かではありませんが、ドはまりして何度も繰り返し観たことを昨日のように覚えています。
それぐらいこのMVは私に、そして全世界に衝撃を与えました。
レディ・ガガ(Lady Gaga)は、この「Just Dance」で2008年に衝撃的にデビューし、今に至るまでグラミー賞を13回も受賞しているビックアーティストです。
この「Just Dance」は同年にリリースされた1stアルバム「The Fame」のリードシングルとしてリリースされましたが、UKやUS含む多くの国で1位になるなどから、いかに衝撃的なデビューであったかが伺えます。
さて、肝心な「Just Dance」のMVに目を向けてみると、ポップなダンスナンバーの楽曲とダンスパーティーの映像とのマッチングが良く、良質なMVとして仕上がっています。
最近のMVはガガの印象付けが強すぎるものが多く、多少食傷気味でほとんど観ないのですが、これぐらいの印象付けがちょうどいい気がします。
4分6秒とそれほど長いわけではないのですが、途中少し間延びした感もあり、あと30秒ほど削ったほうがよさそうにも思いますが、しいて言えばというぐらいで、完成度が高いMVであることには間違いありません。
なお、以前に本連載でもチラッと触れましたが、レディー・ガガのDJでもあるスペース・カウボーイがこのMVでガッツリ出ているのも、このMVを観る小さな楽しみとなっています。(以前の連載はコチラ→「ユクセクとスペースカウボーイって誰?」)
続く2ndシングル「Poker Face」は「Just Dance」を超えるビックヒットとなりましたが、私としては「Just Dance」の衝撃が強すぎて、それに比べると「Poker Face」の印象が少し弱いとういのが正直なところで、かつMVとしても印象に残るものではありません。
「Just Dance」を超えるMVとしては、初期のガガのMVの最高峰でもあるこちらのMVではないでしょうか。
レディ・ガガの「Bad Romance」です。
もう、オープニングからインパクトがスゴイ!
エロティックな映像ですが、それにもましてヘンテコ感がすざまじく、それが不快感のないMVとして仕上げています。
ビートのきいた楽曲とのマッチングもよく、まさしくガガ節さく裂のMVとなっています。
この「Bad Romance」は、2ndアルバム「The Fame Monster」からのリードシングルで、UKでは1位になったもののUSでは最高2位と「Just Dance」や「Poker Face」には及びませんが、ヒットした楽曲ではあります。
しかし、MVとしては、初期のガガのMVの最高傑作ではないかと(私が勝手に)思っており、それぐらい完成度が高いMVとして仕上がっています。
まず、オープニングがいいですね。
全員勢ぞろいして「ドドーン」という感じでテンションMAXです。
「イケてるオープニングMV」というジャンルがあったら、上位に食い込むこと間違いなしです。
手作り感満載のヘンテコなメガネをかけたレディー・ガガのちょうどよい押し出し感も最高です。(m-floのマーベルも掛けなさそうなヘンテコなメガネですが...)
場面が一転し、7つの白いカプセルから、7名の白いボディースーツを着てヘンテコな白い被り物をしたヒト(?)が出てきて踊り出す...という、全く予想できないぶっ飛び具合も最高です。
そのあとは、レディー・ガガ扮する女性が、オークションにかけられるというメチャクチャきわどい内容ですが、現在のガガの際どさと比べるとぜんぜんOKです。
しかし、あえて言うなら残念な点もいくつかあります。
エンディングの映像で、レディー・ガガのブラジャーの先から火花が出るのはチープすぎます...
また、5分8秒と少し長めなMVなのですが、途中間延びするところも若干あるところも残念です。
間延びした部分を削って4分程度にすると、楽曲もMVもよくなるように思いますが、これもガガの想いが詰まった5分8秒なので、致し方ないですね。
色々マイナス面を書きましたが、もちろん全体としては素晴らしいMVであり、初期のガガのMVは好きで今でもたまに観ます。
しかし、最近のガガのMVはやりすぎ感がすごすぎて、1回観たあとはほとんど再見がないという悲しい状況です。
観なくなったのがいつごろか考えてみたのですが、このMVがターニングポイントになったようです。
そのMVが、レディ・ガガの「Born This Way」です。
「これでもかっ!」というぐらいにテンコ盛りのMVですね。
7分を超える長尺MVですが、楽曲は4分弱と、MVというより映像作品というほうがよいのかもしれません。
この「Born This Way」ですが、楽曲自体は悪くないのですが、映像がモリモリすぎてバランスが悪いように感じます。
かつ、楽曲が始まるのはMV開始後2分53秒と3分近くは楽曲が無い状態で映像のみとなっています。
これは「映像が楽曲のためにある」という私の(勝手な)MVの定義には反しており、決してダメということではなく、これはMVではなく映像作品という範疇に入るべきではないかと思っています。
また、「楽曲自体は悪くない」と書きましたが、確かに楽曲は悪くないのですが、この楽曲はマドンナの「Express Yourself」にそっくりで、フレーズが似ているだけでなく楽曲も世界観もパクっているように感じています。
マドンナ信者の私としては、これは許されざる所業であり、それもあってこのMVからガガに対するテンションはダダ下がりとなっています。
確かにレディ・ガガはマドンナと比較されることが多く、共通点も多々ありますが、その根本的な思想や立ち位置は全く違うと考えています。
マドンナは、女性の社会的な立場や生い立ちにも起因する精神面の葛藤などに重きを置いて楽曲もMVも制作されているように思えます。
それゆえに、MVもインパクトが少ないものも多いのもまた事実です。
それに対して、レディー・ガガは女性の性的な面を直接的に描くことが多く、MVでの表現もインパクト重視のように思えます。
なお、レディ・ガガはマドンナをリスペクトしていると言っていますが、楽曲をリスペクトしている(パックっている)だけで、マドンナの本質をリスペクトしているようには思えません。
それを考えると、前回紹介したリアーナは、マドンナの本質をリスペクトしているアーティストのひとりではないかと考えています。
といっても、マドンナとリアーナは大きく違う面があります。
それは、マドンナはシンガーではなくシンガーソングライターであり楽曲や歌詞も制作しますが、リアーナはシンガーです。(ちなみに、ガガはマドンナと同じくシンガーソングライターで、それゆえ「Born This Way」での「Express Yourself」リスペクトは問題であると考えられます)
しかし、リアーナはマドンナと同じように毎回新たな作風にチャレンジし、かつ新しい取り組みを色々なスタッフと組むことで実現しているのです。
その貪欲さはマドンナを超えているのではないかと思うほどで、あえて言うとプロデューサーやディレクター、ソングライターたちに身をゆだねているかと思わずにはいれません。
自分を生かしていい作品を世に出すためには、どんなことにも言われたまま取り組むような覚悟が見えます。
マドンナ同様、リアーナが大好きな理由はそこにあります。
ちなみに、マドンナの「Express Yourself」のMVは以前この連載でも紹介していますので、リスペクト具合を皆さんご自身で確認してもらうのもよいかと思います。(以前の連載はコチラ→「マドンナのメッセージMVでは、サステナブルなExpress Yourselfが最高だ!」)
今回はレディ・ガガの特集をお送りしました。初期のガガのMVはバランスがいい良作が多いので、オススメです。
レディ・ガガの最近のMVと相性が悪い方は、初期作品を観ていただければ、もしかしたらお気に入りの作品が見つかるかもしれません。
ではまた次回に。