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UKからリリーアレンとキワヌーカの登場だ!しかも監督のナズもUKだ!(オススメMV #63)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の63回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回はUK縛りでオススメのMVをお届けします。
元々プログレが好きというのもあり、USチャートだけでなくUKチャートに登場する楽曲もよく聴くのですが、USチャートにはぜんぜん出てこないがUKチャートでは上位にランクインするイケてる楽曲もたくさんあります。
その中より今回はオススメの楽曲かつオススメのMVを紹介します。

まず最初のUK縛りのオススメMVはこちらです。
リリー・アレンの「The Fear」です。どうぞ!

オシャレでキュートなMVですね。
でも、不思議と少し毒の味がするような、不思議なMVです。
そして何より、楽曲がいいですねー。

リリー・アレン(Lily Allen)は、イングランドのシンガーソングライターで、2006年に1stアルバムをリリースしたのですが、シングルカットされた「smile」がUKチャートでいきなり1位になるという華々しいデビューを飾っています。(ちなみに、「smile」のUSチャートは最高59位)

この「The Fear」は、2009年リリースの2ndアルバム「It's Not Me, It's You」からの先行シングルですが、なんとUKチャートで4週連続1位となります!
しかし、ここでもUSチャートでは最高80位と100位には入ったもののその差は歴然としています。
自国のアーティストの曲が人気になるのは当然ですが、日本人の私からすると同じ英語圏の楽曲なのでこれほど差が開くのは不思議な気がします。

さて、この「The Fear」のMVですが、建物や衣装はもちろんですが色使いから構図までオシャレ感満載で、キュートな長い黒髪のリリーアレンも際立っています。
MVだけを見ているとただ単にオシャレな映像で終わりそうですが、このMVのすばらしさは歌詞との連動性にあります。
歌詞の意味を把握してから再度観てもらえれば、このMVの奥深さが分かり、更に楽しんでいただけます。

なお、このMVはネズ(Nez)という方がDirectionされているのですが、この方もUKの方で、良質のMVを多数監督されています。
注目しているMV監督の作品はリリースと同時にチェックしているのですが、このネズが2016年に制作されたMVが次に紹介するUK縛りのオススメMVとなります。
マイケル・キワヌーカの「One More Night」です。

ヘンテコなMVですが、なぜか癖になり繰り返し観てしまいます。
楽曲自体も、どうってことないのですが、不思議な味があり、繰り返し聴いてしまう...という不思議の塊の楽曲でありMVです。

マイケル・キワヌーカ(Michael Kiwanuka)も英国のシンガーソングライターで、2012年に1stアルバムの「Home Again」をリリースし、2016年にリリースした2ndアルバム「Love & Hate」にこの「One More Night」は含まれています。
ちなみに、2ndアルバム「Love & Hate」は、UKチャートでは1位になりましたが、USチャートでは170位が最高となっていて、その違いも歴然です。

キワヌーカの楽曲自体は私の好みとは少し違っていて、普通ならキワヌーカの楽曲を耳にしてもスルーしてしまうと思うのですが、ナズが監督したMVとしてじっくりと視聴して良さを体感できたので、その意味ではMVをきっかけに新たなアーティストと出会えて、このMVに感謝です。

しかし、この「One More Night」のMVは、ふざけたアイデア(体が伸びている、しかも膝から下だけ!)を映像化しているため、渋めの楽曲とはマッチングしないように思うのですが、不思議なことに違和感がなく、逆に味わいのあるMVとして仕上がっています。
これぞ監督の力量なのか感性なのか分かりませんが、いずれにせよ常人では作れないMVです。

今回はアーティストもMV監督もUK縛りで2つのMVを紹介しましたが、2つだけでは寂しいので、最後にもう1つ、オススメMVを紹介しましょう。
この2つのMVを監督したナズの処女作となるMVです。
M.I.A.の「Jimmy」です。どうぞ!

まるでB級インド映画を観ているかのような錯覚に陥るMVです。
あまりに映像のインパクトが強く、楽曲の印象が弱くなっている感もありますが、それを承知の上で制作したぶっ飛びMVであると確信しています。

M.I.A.も英国のシンガーソングライターなのですが、才能の塊のようなアーティストなので、また本連載で特集を組めればと思っています。(ちなみにM.I.A.は芸名で、本名はマヤといいます)
そのM.I.A.が2007年にリリースした2ndアルバム「Kala」に収録されているのが、この「Jimmy」です。

この「Jimmy」のMVを初めて見た時には、どちらかというとマイナスの印象で、映像が強すぎて楽曲とのバランスが悪く、ギラギラの映像かつ詰め込みすぎで再見はないな...と思ったのですが、なぜか定期的に繰り返し観てしまっている、というワケがわからないMVです。

そして、このMVを監督したのは上にも書きましたがネズとなります。
ネズの本名はネザール(Nezar Khammal)といい、リリース当時は本名でクレジットされていました。
というのも、ネザールはM.I.A.ことマヤの友人で、この「Jimmy」でMV初監督を務め、その成功からMV監督の道に入るのです。
それを踏まえてこの「Jimmy」のMVを観ると、また違った趣がありますね。

今回はUK縛りでオススメのMVを2つとおまけで1つの合計3つを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
UKにはオススメの楽曲やMVも多数あるので、皆さんもUSだけでなくUKチャートもチェックしてもらえればと思います。

ではまた次回に。

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