シャレオツでナイスなMVはこれだ!スイングアウトシスターは文句なしだがケミカルブラザーズもイケてるヨ(オススメMV #17)
こんにちは、吉田です。
オススメMVをご紹介する連載の17回目です。(連載のマガジンはこちら)
今回は、オシャレなMVの中でもお気に入りの3つを紹介します。
といっても、オシャレMVは多数あるので、その中でも全くテイストの違う3つを取り上げてみました。
まず最初は、スイング・アウト・シスター(Swing Out Sister)の「Breakout」です。
もう、オシャレ!としか言いようがないMVですよね。
ただオシャレだけではなく、楽しくって朗らかで、観ている人を幸せな気分にしてくれるMVです。
映像もどこを切り取ってもポートレートになりそうなほどオシャレです。
楽曲も、軽やかなメロディーラインでありながら程よくコクもある...という珍しい楽曲です。
洋楽MVの黄金期ともいえる1980年代のオシャレビデオの筆頭は、この「Breakout」ではないかと考えています。
スイング・アウト・シスターは1980年代半ばにイギリスに登場し、すぐにこの「Breakout」をヒットさせたグループですが、そのサウンドはポップス色が強いものの多国籍っぽいというか曲によって違う表情を見せる不思議なグループです。
最初は女性1名と男性2名だったのですが、今は男女2名で活動しています。
日本での人気も高く、何度も来日しています。
2018年にも来日公演があったのですが、日程が合わず行けなく落ち込んでいたところ、今年4月に来日が決定しチケットを取って「絶対行くぞ!」と気合をいれていましたが、なんとコロナで公演中止に...
来年にでもぜひ来日公演していただきたいものです。
さて、この「Breakout」のMVですが、モノクロとカラーをうまく組み合わせた映像で、その色使いもシンプルで曲調とマッチしています。
ストーリーがあるようですが、すべてを描いておらず、視聴者に行間を想像させることで膨らみを持たせています。
潤沢な制作費ではなかったと思いますが、お金を掛けなくても素晴らしいMVが作れることを証明しているようなMVです。
そして、映像はしっかり印象付けられているものの、楽曲がメインで押し出されていて、これもお手本のほうな作り方です。
本当に何度観てもほれぼれするようなMVです。
スイング・アウト・シスターについて話すとキリがないので、次のMVに行きましょう。
次のオシャレMVは、ガラッと変わってEDM系です。
ケミカル・ブラザース(The Chemical Brothers)の「Swoon」です。
これまたオシャレなMVですよね。
シルエットの男女が画面を行き交う、という変わった映像のMVです。
でも、こんなMVって見たことないですよね。
しかも、男女のシルエットの中に様々な色や模様が流れる演出って、もう絶句です。
ケミカル・ブラザーズは、イギリスのテクノユニットです。
上にEDM系と書きましたが、EDMというカテゴリに包含できない多様性を持っていて、どんな楽曲が出てくるか想像できないアーティストです。
元々DJのユニットですが、メロディーラインなどDJっぽくなく、その意味でも不思議なテクノユニットです。
ではMVの話に入りましょう。
ケミカル・ブラザーズの楽曲のMVはいい意味でのヘンテコ系というか変わったMVが多く、(おっ、そうくるか!)と毎回思うようなMVばかりです。
そこで今回の「Swoon」のMVですが、メチャクチャ凝っています。
男女のシルエットだけですが、そこには物語があり、表情や感情もしっかり描かれています。
どういうことかというと、シルエットの中の色や模様に注目してください。
色や模様できちんと表情や感情が表現されています。
和やかな時、テンションが上がっている時、戸惑っている時...様々な表情や感情が見て取れます。
しかも、最初は男女が別々のシルエットで、全く違う色や模様であったものが、最後にはシルエットが一体化し、同じ色、同じ模様で、しかも心の平穏を表す映像になっています。
途中で一度、男女が寄り添うところがあるのですが、その時はまだ二人の模様が同じではなく、完全に心が通い合っていないことが分かります。
そして、そのあとまた分かれて紆余曲折があったうえで最終的には上に書いた通り寄り添い心も通い合う...というエンディングです。
もう脱帽です。
なお、このMVには対になるMVがあります。
同じケミカル・ブラザーズのMVなのですが、シルエットの内側だけで表現するのではなくシルエットをひとつのパーツとして使っているMVです。
この対比については、また別の回で同様のMVを集めて特集を組んで説明したいと考えています。
では、最後のMVです。
このMVは、多くの方にお勧めかというとビミョーではありますが、オシャレMVとしては気に入っているので、おまけで紹介します。
デュラン・デュラン(Duran Duran)の「Ordinary World」です。
オシャレなMVで、楽曲もメロディーラインがオシャレで、イケてるMVですが、バンドメンバーが出すぎなのが唯一の難点です。
上のYouTubeのサムネイル画像を見たら、ちょっとうんざりですよね。
クリックする気持ちになれないと思いますが、思い切ってクリックしてMVを見てみてください。
(なるほど、こういうことか!)と理解してもらえると思います。
デュラン・デュラインはイギリスのロックバンドで、以前この連載でも紹介したABCなどのニューロマンティック系の筆頭ともいえるバンドです。
1980年代の洋楽黄金期の代表ともいえますが、超メジャーなバンドなので私としてはあまり好みではなく、楽曲もMVもあまり視聴しません。
しかし、1980年代の終盤からデュラン・デュランの勢いというか輝きが無くなり低迷期に入ります。
その低迷期を打ち破ったのが1993年にリリースされた7thアルバム「Duran Duran」で、その中にこの「Ordinary World」は含まれています。
ちなみに、1981年リリースの1stアルバムも同じ「Duran Duran」というタイトルということもあり、この7thアルバムは「The Wedding Album」と呼ばれているのですが、その理由はアルバムジャケットのデザインにあります。
イケてるジャケットデザインですので、ぜひネットで検索して観てみてください。
この「Ordinary World」は、1980年代のイケイケだったデュラン・デュランとはチョット違い、優しいメロディ―ラインに加え、深みのある歌詞に特徴があるすばらしい楽曲になっています。(いい歌詞なので、ぜひネットで検索して観てみてください!)
さて、このMVですが、上にも書きましたがオシャレな映像で楽曲とのマッチングもいいのですが、バンドメンバーが出すぎるのでせっかくの映像の良さが打ち消され、全体としての質を低下させています。
あまりに気になったので、以前ケーブルテレビのMTVの放送を録画したものを編集し、メンバーの登場シーンを抜いた映像に元の楽曲をかぶせて観てみたのですが、メリハリのない凡庸なMVとなってしまいました。
つまり、ある程度メリハリをつけるための映像は必要であり、このMVの制作者はそこにバンドメンバーの映像を差し込んだ、というワケです。
しかし、できることなら違う映像でメリハリをつけてもらいたかったと残念でなりません。
さて、今回はオススメのオシャレMVのうち、全くテイストの違う3つを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
それぞれ名付けるとすると、楽しい系オシャレMV、テクニック系オシャレMV、しっとり系オシャレMV...という感じですね。
皆さんも、ぜひ違うテイストのオシャレMVを探してみてください。
ではまた次回に。