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コールドプレイの最新作HigherPowerもいいけれど、SF系ではTalkのほうが味がある!(オススメMV #48)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の48回目です。(連載のマガジンはこちら)

先日コールドプレイの最新MVが公開されましたが、SF系のすごいMVですので、今回はそのMVを題材にコールドプレイのSF系のMVを新旧2本立てでお届けします。

ではまず、先日公開された最新のMVをご覧ください。
コールドプレイの「Higher Power」です。

これでもか!という感じのてんこ盛りの映像ですね。
まさしくSF映画を見ているような、というか低予算のSF映画よりすごい映像です。

コールドプレイ(Coldplay)は1997年に英国で結成されたロックバンドで、2000年にリリースされた1stアルバム「Parachutes」がいきなり全英1位になり、その後リリースするアルバムも全英ではすべて1位、全米でもすべてトップ10に入るなど、押しも押されぬ売れっ子バンドです。
日本とのなじみが深く、1stアルバムリリース同月の2000年8月のサマーソニックで来日したのを皮切りに、サマソニやフジロック、ワールドツアーでも日本公演をしており、日本を題材にした楽曲もリリースしています。

そのコールドプレイが先月ネットで新しい楽曲を配信し、今月YouTubeのオフィシャルチャンネルで公開したMVが、この「Higher Power」です。

このMVの監督は、今ノリにノッているデイブ・マイヤーズ(Dave Meyers)というミュージックビデオ監督の作品です。
今流行りの楽曲のMVもたくさん作っており、MTV Video Music Awardsも12回も受賞している一流のMV監督です。
このデイブ・マイヤーズは、ほぼMV専門の監督として活躍されており、MV好きの私としては応援したいところですが、実は私との相性がイマイチ悪いようで、彼の作品はあまり繰り返し観ることはありません。

この「Higher Power」についても、スゴイことはスゴイのですが、なぜかピンとくることはなく、今回のnoteの記事を書くにあたり再度見た程度です。
なぜ「Higher Power」のMVは私的にイマイチなのか...
その理由はのちほど解説します。

同じSF系のMVでも、繰り返し見ているお気に入りのMVがあります。
それが次に紹介するコールドプレイの「Talk」です。どうぞ!

モノクロの映像とちょっとヘンテコな世界観のMVですね。
素晴らしい楽曲とのマッチングもよく、5分ほどの時間があっという間に過ぎてしまう、良質のMVとして仕上がっています。

コメディタッチのSF系MVですが、シュールなモノクロ映像と不思議な世界観に引き込まれてしまいます。
宇宙船に乗ったコールドプレイのメンバーがどこかの星に着陸して、その星の地面に寝転がって見上げる月のような星は、ジョルジュ・メリエス監督の映画「月世界旅行」の月をモチーフにしているかのような懐かしくも逆に新鮮でもあり、しみじみ良い作品だ...と思わざるを得ません。

かと思えば、昔の3D映画用の安っぽい赤と青の3Dメガネを掛けてみたり(掛けたほうが見難いだろ!と思わず画面にツッコミ入れてしまいます)、別れ際に手を電話の形にして顔にかざして「電話するからねー」と言うようなそぶりをしたり(同様に、宇宙でしかもロボットに電話もないだろ!とツッコミを入れてしまいます)、あげくの果ては最後に宇宙船をロボットが食べてしまいますが明らかにロボットと宇宙船のサイズがおかしく(もうメチャクチャや!と最後のツッコミを入れました)、ヘンテコ感が満載です。
しかし、このMVは「まじめにふざけている」というか、あえて狙ってヘンテコにしていると思われ、タモリさんの「狂気を演じることができるのは理性だけだ」という名言にも相通ずるものがあるようにも思います。

この「Talk」は、アントン・コービン(Anton Corbijn)というロックミュージシャン専門の有名な写真家が監督を務められています。
アントン・コービンは多くのMVも監督されているのですが、その多くは私のお気に入りで、どの作品も絵画のような美しさがあるのですが、それも写真家というバックボーンが影響しているのかもしれません。

さて、この2つのSF系のMVを比較すると多くの違いがあります。
ひとつずつ解説すると相当なボリュームになるので、わかりやすい部分を1つ取って説明しましょう。
「Talk」のほうは、始まって3秒でメロディラインが始まり、36秒でボーカルが歌いだします。
それに比べて「Higher Power」は、47秒でメロディライン、60秒でボーカルと、ボーカルが入るまでの1分も長いですが、それよりメロディが始まるまでの47秒は長すぎます。
「Talk」はオリジナルの楽曲のメロディラインとボーカルの入り時間と全く同じで、逆に「Higher Power」はオリジナルの楽曲のメロディライアンの入り時間は1秒ですので、36秒もMVが長くなっています。
しかも、「Higher Power」の出だしでは映画ばりにクレジットが表示され、例えば『A FILM BY DAVE MEYERS』などとデカデカと表示されるのですが、これはMVとしては全く不要な内容です。
もちろん、制作に携わられた方を称える行為は素晴らしいのですが、それをMVの貴重なリソースを使ってやるべきではありません。

なお、「Higher Power」のMVが悪いというわけではなく、あくまで私の嗜好や価値観に合うのは「Talk」のほうだ...ということですので、誤解なきようにお願いします。
コールドプレイのMVはチャレンジングで面白い作品も多いので、また別の機会に紹介できればと考えています。

今回はコールドプレイのSF系MVで新旧2つを紹介しました。
皆さんにもぜひ2つのMVをご覧いただき、皆さんの嗜好や価値観に合う作品がどちらか、確認いただくのも良いかもしれませんね。

ではまた次回に。

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