このオープニングはめちゃくちゃイイ!でも、エンディングはやっぱりファルコだな(オススメMV #98)
こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の98回目です。(連載のマガジンはこちら)
今回はオープニングがイケてるMVの特集をお送りします。
といっても色々なパターンがあるので、今回はその中でも違った3つのパターンのMVを紹介しましょう。
1つ目は全員が勢ぞろいしてドドーンと登場するパターン、2つ目は映画のオープニングのようなパターン、3つ目はインパクト重視のパターンです。
まず最初は、全員が勢ぞろいしてドドーンと登場するパターンのMV。
レディ・ガガの「Bad Romance」です。どうぞ!
女王であるレディ・ガガを中心に大勢の手下を従える映像からスタートするという、なかなか無いパターンのオープニングですね。
引きから段階的に寄っていき、オーディオのスイッチを入れて大きなボーカルが流れるとガガが「びくっ」と驚いたタイミングで映像が暗転する...と既にここでMVの世界に意識が引き込まれてしまっています。
レディ・ガガ(Lady Gaga)は説明するまでもないUSのビックアーティストですので、紹介は割愛させてもらいます。
この連載では以前にレディ・ガガの特集を組んでおり、そちらで簡単に紹介をしていますし、ガガのオススメMVも紹介していますので、ご興味あるかたはぜひ過去回をご覧ください。(過去回はコチラ→「レディガガの特集だ!」)
実はこの「Bad Romance」のMVは以前のレディ・ガガの特集で紹介してしまっていますが、私の中での「イケてるオープニングMVのナンバーワン」がこの「Bad Romance」ですので、2度同じMVを紹介するという禁を犯して今回紹介させてもらう次第です。
しかし、この「Bad Romance」のオープニングは本当に素晴らしい!
最初の引きの構図はシンメトリーのように見せてバランスを保ったまま崩しつつ、そのまま寄っていくと思いきやオーディオの操作パネルのアップを差し込み、大きなボーカルが流れたタイミングで元のガガの映像のアップに切り替わった瞬間に暗転してカプセルのある部屋に場面が転換する...という流れは、もう何回観ても脱帽です。
そして、このオープニングの全員集合の映像は、このMVの集大成と呼べる内容になっているのです。
MVの内容は人身売買で組織のボスに買われたガガがそのボスを倒すというストーリーなのですが、ボスを倒して組織のトップに君臨したガガが手下を従えて王座に座る姿、すなわちストーリーの結末が最初のオープニングとして使用されているという構成になっています。
この構成は、映画やアニメなどではたまに見受けられますが、MVとしては私の知る限りこの「Bad Romance」だけです。
続いては、映画のオープニングのようなパターンのイケてるMVです。
エイバ・マックスの「Kings & Queens」です。
青空にハトが羽ばたく映像と同時に楽曲もスタートするので、最初からテンションMAXですね。
そしてタイトルが表示されたあと暗転したと思ったら剣を握るエイバ・マックスが王座に鎮座している姿が浮かび上がる、という構成も最高です。
エイバ・マックス(Ava Max)はUSのアーティストで、押し出しの強い風貌からてっきりシンガーと思っていたのですが、ほとんどの楽曲を自作あるいは共作しているシンガーソングライターと知り驚いたことを覚えています。
実はエイバ・マックスの楽曲もMVも視聴したことがなく(視聴したかもしれませんが記憶になく)、この「Kings & Queens」のMVを観て「このオープニング、めちゃくちゃイイ!」となりました。
そして、あらためて過去のエイバ・マックスの楽曲とMVを視聴したのですが、残念ながら私の嗜好に合うものはなく、エイバ・マックスとのお付き合いはこの「Kings & Queens」のMVだけとなっています。
では、MVの内容に話を移しましょう。
この「Kings & Queens」のMVは、最初のオープニングこそ特徴的ですが、それ以降はいたってシンプルで、しかも2分42秒という時間も相まってあっという間に観終わってしまうMVになっています。
映像も白基調で、悪く言えば単調ですが、ダンスシーンを中心にいくつかの場面を切り替えることで飽きさせず、アッという間に終わってしまいます。
「Kings & Queens」のMVは、映像の印象付けが弱いものの、逆に楽曲のインパクトというかパワーが強く、楽曲を前面に出したMVのお手本のようなMVとして仕上がっています。
なんでこんなに楽曲の印象付けが強いのか、その理由は明白です。
この「Kings & Queens」は名曲のエッセンスを組み込んだ楽曲なのです。
その名曲とは、ボン・ジョヴィの「You Give Love A Bad Name」とボニータイラーの「If You Were A Woman」で、ぜひこの2曲を聴いてみてください。
「あっ、なるほどな」と思っていただけること確実です。
ちなみに、この「Kings & Queens」のクレジットには、その2曲のソングライターであるデズモンド・チャイルドも記載されています。
まあ、そういうことです...
ちなみに、エイバ・マックスはレディ・ガガに似ていると巷で言われていますが、パワフルな歌い方に加えて同じプロデューサーがプロデュースしている楽曲も多く、ある程度似るのは仕方ないかなと思っています。
脱線ついでに、「Kings & Queens」のMVで女王役のエイバ・マックスは目のところだけ青くメイクしていますが、これはブレードランナーのプリスをリスペクトしてるんだろうか...とも思ったりします。
以上、余談でした。
最後は「インパクト重視のパターン」のイケてるMV。
ケミカル・ブラザーズの「Go」です。
ヘンテコMVとしても十分通用する、一度見たら忘れられないMVです。
4人の女性がリズムに合わせて次々と顔を上げるドアップから始まるMVというのは、後にも先にもこのMVしか観たことがありません。
ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)はイギリスで活動している(しいて言えば)テクノのユニットで、1990年前後から活動を開始しているベテランのアーティストです。
この連載では過去に2回登場しており、私のお気に入りのアーティストの一組でもあります。(過去の連載はコチラ→「シャレオツでナイスなMVはこれだ!」、「カンフーMVって勝手に命名」)
この「Go」ですが、最初観たときはあまりイイとは思わず、結構長い期間スルーしていました。
しかし、YouTubeでケミカル・ブラザーズの他のMVを観るたびにレコメンドされ、続けて観るうちに「あれっ、このMV、結構イイかも。特にオープニングがなかなか無いパターンだな」と思い、繰り返し観るうちに虜になった...というMVになります。
楽曲自体はポップ色が強いものの、ケミカル・ブラザーズの楽曲ではおなじみのQティップ(Q-Tip)のボーカルもいい味だしていて、すっきりと聞きやすい楽曲に仕上がっています。
楽曲はすっきりしていますが、逆にMVの映像は「なんじゃ、こりゃ」という内容で、ヘンテコな被り物をして2本の長い棒を両手に持った7人の女性が、街を練り歩く...というワケの分からない内容になっています。
しかも、2本の棒を頭上で回転して交差する際や、同様に2本の棒を頭上で左右から交差させる際など、チープな映像編集になっており、これが狙ってなのか、単に雑なだけなのか分かりませんが、そのチープさ含めて「アリ」と思わせるのがこのMVの凄さでもあります。
さて、3つの「オープニングがイケてるMV」をご覧いただきましたが、最後に締めとして逆に「エンディングがイケてるMV」の最高傑作をご紹介しましょう。
それは、ファルコの「Rock Me Amadeus」です。どうぞ!
もう、最高の「締め」ですよね。
これ以上のエンディングのMVは今後も出てこないのではないでしょうか。
それ程このMVのエンディングは素晴らしい!
この「Rock Me Amadeus」については過去の連載で詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひそちらもご覧ください。
過去連載はコチラ⇒「比するものがないこのラップは何なんだ!」
今回のイケてるオープニングの3作品はいかがでしたでしょうか?
結局最後はファルコのエンディングで締めてしまいましたが、「Rock Me Amadeus」を未見の方は、ぜひ一度ご覧ください。
ではまた次回に。