アニメの思い入れすごすぎ!家宝にすべきレッドスパイダーのタイムボカンに、松本零士のダフトパンクの2本立て。(オススメMV #37)
こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の37回目です。(連載のマガジンはこちら)
今回のテーマは「アニメ」のMV。
しかし、そんじょそこらのアニメMVとは一線を画する、「アニメへの思い入れ、すごすぎだろ!」というアニメMVを2本紹介します。
最初のすごすぎアニメMVはこちら。
レッドスパイダーの「ONE OF A KIND」です!
もう、何も言うことが無いぐらい、「よくここまでタイムボカンシリーズのエッセンスを抽出してMV化した!」というMVですね。
楽曲も素晴らしいのですが、その楽曲に合わせたカット割りはもちろん、なんと映像の中の人物が楽曲にあわせて歌っているようにさえ感じる作りこみが驚愕です。
私的に、アニメのMVの中では断トツのNo.1です。
レッドスパイダー(RED SPIDER)との出会いは、このMVです。
最初にこのMVを観た時、レッドスパイダーは海外のアーティストと思い色々調べたのですが分からず、ふとしたことで日本、それも関西のレゲエアーティストであることが分かり、驚きました。
Juniorという方のソロプロジェクトのようですが、レゲエの王道のような濃い楽曲からポップテイストあふれる楽曲までふり幅の広いアーティストで、好きな楽曲もたくさんあります。
ライブパフォーマンスも素晴らしいとネットの口コミでは評判なのですが、まだ体験したことが無く、一度観てみたいと思っています。(客層がチョット恐そうで心配ですが...)
この「ONE OF A KIND」は、 ALAINE(アレーン)さんというジャマイカの女性シンガーをフューチャリングしているのですが、このALAINEさんがまたいい声されていて、彼女のアルバムもお気に入りです。
MVがきっかけで普通では接することが無いレゲエアーティストのレッドスパイダーと出会い、そしてALAINEさんにつながってゆく...と、MVで世界が広がっていく感じがしています。
MVという文化に感謝です。
さて、MVの「ONE OF A KIND」ですが、タイトル通り家宝にするレベルの超絶素晴らしいMVになっています。
私はカット割りが細かいMVは苦手なのですが、楽曲との連動が素晴らしくこのMVでは全く苦にならずに観ることができます。
懐かしい感じがするエッチなシーンもあり最初から最後まで楽しく観れるMVなのですが、ただ単に楽しいだけでなくドロンジョの人生模様が垣間見え、せつなくなるような部分もあるのが絶妙です。
そして何より、主にドロンジョの口の動きとALAINEの歌声がシンクロしているところが驚愕の仕上がりです。
オリジナルの映像のままうまく切り取って編集しているのか、それともCGで加工して動かしているのかは分かりませんが、いずれにせよここまで手を掛けて制作されるのは並大抵のこだわりではありません。
このMVは森義仁という方が手掛けられているのですが、盛大な拍手を送るとともに、日本のMV史に残るであろうこのMVを制作されたことをぜひ誇りに思っていただきたいと切に願っています。
あまりに素晴らしいMVなので語り出したらきりがなく、これぐらいで泣く泣く次のMVに移らせてもらいます。
2つ目のすごすぎアニメMVは、Daft Punkの「One More Time」です。
もう完全にアニメ作品のレベルです。
松本零士節炸裂!とでもいうような独自の世界観があり、ついつい銀河鉄道999やキャプテンハーロックを思い出しながら見てしまいます。
しかし、この強烈な映像の世界観に負けないDaft Punkの楽曲があってこそ、この作品がMVとして成立しています。
Daft Punk(ダフト・パンク)は説明も不要とは思いますがフレンチエレクトロの大御所のひとり(デュオなのでふたりかな?)で、1993年に結成されたので30年近くのキャリアを誇ります。
おふたりともロボットのような被り物をしているのが印象的です。
しかし、先日解散が発表され驚きましたが、始まりがあれば終わりもある、ということで次の活動に期待ですね。
話がそれますが、Daft Punkで印象に残る楽曲は「Get Lucky」です。
ファレル・ウィリアムスがボーカル、ナイル・ロジャースがギター、他にもセッションにはそうそうたるメンバーが揃い、エレクトロミュージックの枠を超えた楽曲に仕上がっています。
オススメなので未視聴のかたはぜひ聴いてみてください。
話を戻しましょう。
「One More Time」のMVについて先ほど『アニメ作品のレベル』と書きましたが、実はアニメ作品としてリリースされているのです。
この「One More Time」が収録されているDaft Punkの2ndアルバム「Discovery(ディスカバリー)」の全14曲が全て松本零士さんのアニメMVとしてリリースされており、この「One More Time」から始まって全曲のMVをつなげるとひとつのアニメ作品として完結するのです。
そして、全曲のMVをつないだ作品が実際「インターステラ5555」というアニメとして公開されリリースされています。
こんなMVはありません。
アイデアとしてはすぐ思いつくのですが、それを実行するには様々なハードルがあるでしょうし、やったとしても高いクオリティーで提供することも難しいでしょう。
そして、この作り方の最大のリスクは「MVではなく、アニメ作品になってしまう」ということです。
しかし、そうならずに「素晴らしいMV」になっているのはDaft Punkの存在感のある楽曲あってこそです。
「One More Time」をはじめアルバム「Discovery」の全楽曲のアニメMVも、MV史に残る仏日合作のMVであると確信しています。
今回は数あるアニメMVの中でもオススメの2つを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
特にレッドスパイダーの「ONE OF A KIND」は、40代後半以降の男性の方には感涙モノです。ぜひ一度ご覧ください。
ではまた次回に。