エロオモMVと勝手に命名。エッチだけど面白い、中でもDJスネイク&リルジョンはピカイチだ!(オススメMV #106)
こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の106回目です。(連載のマガジンはこちら)
今回は勝手に命名シリーズの第11弾として「エロオモMV」を紹介します。
「エロオモMVって何なんだ?」ということですが、エッチな映像や表現にもかかわらず、面白いMVとして楽しく観ることができるMVのことを言います。(というか、勝手に言っています)
エッチで面白いMVは結構あるのですが、そもそも楽曲自体が私のお気に入りでないとダメですので、そうなると紹介できるMVは限られてきます。
その中でも厳選された3本のMVを紹介します。
まず最初は、ダントツ文句なしのNo.1のエロオモMV。
DJスネイク&リル・ジョンの「Turn Down for What」です。どうぞ!
もう、最高の「エロオモMV」です。
「エロオモMV」という言葉は、このMVのためにあるといっても過言ではないほど、エッチなのに面白く、しかも独創的ですね。最高です。
この楽曲は、DJスネイクというフランスのDJとリル・ジョンというUSのラッパーが組んで2013年にリリースした楽曲です。
DJスネイク(DJ Snake)は、10年ほど前から活動を開始しているようですが、単独ではなく他のアーティストと組むことが多く、私の好きなメジャー・レイザーとも組んだ楽曲もリリースしている売れっ子DJのひとりです。
そしてもうひとり、リル・ジョン(Lil Jon)は、だみ声が特徴のラッパーで、この方も他のアーティストと組むことが多く、逆にコラボしたほうが印象に残っている楽曲が多い感じです。
中でも、アッシャーの「Yeah!」などは超絶素晴らしい楽曲でありMVですので、また別の機会に紹介できればと思っています。
ちなみに、だみ声というと、私の中ではnobodyknows+のノリ・ダ・ファンキーシビレサスさんやレゲエのRYO the SKYWALKERさんが思い浮かびますが、そのおふたりは真面目なだみ声で、リル・ジョンの場合はチョット悪童っぽいだみ声という印象です。(ヘンな表現ですが...)
なお、nobodyknows+もRYO the SKYWALKERさんも以前本連載で紹介していますので、ご興味ある方はご覧ください。
⇒祝!連載100回。となると、やっぱりnobodyknows+しかないだろ!
⇒RYOtheSKYWALKERからZeebraそしてLEVEL42へと数珠つなぎ?
さて、MVの話にまいりましょう。
この「Turn Down for What」のMVは、オープニングからイケています。
画面全体が下に流れる映像から始まり、「なんだろう?」と思っていると窓が目に入るので、「あっ、これビルの外壁?」と思った瞬間に屋上にたどり着きます。
このビルを駆け上がるかのような動きのある映像から屋上に到達したときの動きのない映像への切り替えにより視聴者の意識が屋上の男性に集中するのですが、その時の映像はハンディカムで撮ったかのような多少手振れのある映像で、妙なリアル感も出しているところが技ありですね。
そして、あとは怒涛のような展開で、男性が屋上を突き破って下の女性の部屋に落下し、腰を振って踊り続けると女性に踊りが伝播して、男女とも下の階の家族の部屋に落下します。
そのあと、同様に家族全員に伝播して踊りまくり、最後は更に下の階の何かの集会っぽい部屋に落下し、みんなで踊り狂う...というメチャクチャなストーリーですが、随所に「オモエロ」が満載で、飽きることなく最後まで一気に観ることができます。
そして最後のオチ(みんな踊り疲れて眠る中、最初の男性の股間だけがピクッと動く)も、大げさではなくちょうどいい感じです。
「Turn Down for What」のMVの話をするとキリがないので、続いては2つ目の「エロオモMV」にまいりましょう。
ギャランティスの「Peanut Butter Jelly」です。
妙に明るいというか朗(ほが)らかなMVですが、きっちり「エロオモ」していて、楽しいMVとして仕上がっています。
ギャランティス(Galantis)は、活動を開始して10年ほどになるスウェーデンのユニットですが、本連載で3回も紹介しているものの、楽曲のみではあまり聞くことがないという、ほぼMVだけでお付き合いしているアーティストになります。
ちなみに、過去回は以下になりますので、興味ある方はご覧ください。
⇒実写にイラストや文字を重ねるって、簡単なようで難しい。
⇒面白ダンスMVと勝手に命名。
⇒バスとダンスって相性イイの?
この「Peanut Butter Jelly」は、2015年の1stアルバム「Pharmacy」から先行シングルとしてリリースされた楽曲ですが、ギャランティスの他の楽曲と同じく楽曲のリリース時には未聴の状態で、MVで初めて視聴しました。(というか、以降もMVでしか聴いていないのですが...)
今回この連載に書くにあたり調べたところ、オリジナルの楽曲ではなく、ベティ・スワンというシンガーの「Kiss My Love Goodbye」という1974年リリースの楽曲をサンプリングしていると知り驚きました。
さっそくオリジナルの「Kiss My Love Goodbye」をSpotifyで聴いてみたのですが、全くテイストが違う楽曲という印象で、ギャランティスのアレンジ能力の高さを思い知らされた次第です。
では、「Peanut Butter Jelly」のMVに話を移しましょう。
ギャランティスと思(おぼ)しき男性ふたり組が夜中にスーパーマーケットの中に入っていくところから映像は始まります。
そして、煌々(こうこう)と明るい店内では、様々なお客さんが買い物をしていますが、最初にBGMとして流れていた楽曲のボリュームが大きくなり、そのうちお客さんが次々と裸になって踊りだす...という流れです。
最初は恰幅(かっぷく)のいい黒人男性の服がパッと脱げてボディースーツ姿で踊りだしますが、どんどん他のお客さんに伝播して広がっていき、最後は全員がとんでもない衣装を着て踊りまくり、そんな中でギャランティス(らしき)ふたりがお店を出ていってMVは終わります。
「エロ」要素はそんなに高くなく衣装がきわどいぐらいですが、この明るい雰囲気の中でのハチャメチャ感はハンパない感じです。
明るい「エロオモMV」としてお気に入りですが、残念な点が3つあります。
1つ目は、楽曲が始まるまでと、このMVのメインとなっているきわどい衣装でのダンスが始まるまでの時間が長すぎるのです。
無音の時間が24秒あり、続いて店内のBGMとして楽曲が掛かりますが、きっちりと楽曲が流れるのは42秒も経ってからです。
これは「MVは楽曲のためにある」という私の(勝手に決めている)MVの定義から大きく逸脱しており、残念でなりません。
また、メインのダンスが始まるのはなんと1分26秒と、3分53秒あるMVの3分の1以上過ぎたところからとなっているのも重ねて残念なところです。
2つ目は、直接的な「エロ」が表現されている点です。
登場人物がフレンチキスをする場面があるのですが、それまでは直接的な映像ではなくギリギリの線で「エロ」を表現していたところに、この直接的な表現は残念というかもったいない限りです。
この表現がなければ、このMVはもっと洗練されたものになっていたと悔やまれます。
そして最後の3つ目は、ギャランティスのふたりとMVのストーリーとのつながりがほとんど無い点です。
ギャランティスが出てくるのであれば、もっとストーリーと絡んだ登場にしてもらいたかったですし、逆にそうでなければ全く出ないほうがよかったように思います。(上で紹介した過去の3回についても、出ないときは一切出ていませんし、出るときはガッツリでています)
と、残念な面を書きましたが、あくまで私の私見ですし、そういいながらもリピートして観ているのでお気に入りのMVではあります。
ギャランティスのMVはクオリティが高いものが多く、どうしても厳しい評価になってしまうようです...
最後の「エロオモMV」はこちら。
アレックス・ガウディーノの「Destination Calabria」です。
ここまで振り切った「エロオモMV」はなかなかありません。
めちゃくちゃインパクトが大きい映像ですが、単調であり様式化されているせいか、観ているうちに楽曲とのバランスが良くなってくるという、不思議なMVでもあります。
アレックス・ガウディーノ(Alex Gaudino)は、イタリアのDJで1970年生まれというから結構なキャリアの方のようです。
というか、この方のことをほとんど存じ上げず、実はこのMVで出会い、他のお付き合いはほとんどないという状況です。
この「Destination Calabria」は、クリスタル・ウォーターズ(Crystal Waters)というUSの黒人女性のシンガーを客演に迎えた楽曲で、オリジナルは2006年に、現在のバージョンは2007年にリリースされています。
アレックス・ガウディーノ最大のヒット曲で、今でも色褪せずにガンガン演奏されており、TouTubeでも色々な動画がアップされています。
この「Destination Calabria」のMVですが、女性のヒップのドアップや舌で舐めまわす唇など、一見インパクトが大きいというか、ちょっとエロ度が高すぎるように思えます。
しかし、女性が演奏する楽器が変わるものの同じパターンの繰り返しがほとんどで、そのせいか映像の印象付けが思ったより高くなく、観ているうちに楽曲とのバランスがどんどん良くなってくるという、ある種、奇跡的なMVかとも思えます。(この効果を狙って作っているのであれば、それこそ神業レベルです)
このMVのメーキングビデオもYouTubeにアップされているのですが、出典というか出どころが分からないため、紹介できないのが残念です。
なお、女性がたくさん出てきて楽器を演奏するMVとしては、有名かつお気に入りのMVがあります。
それは、ロバート・パーマーというアーティストのMVなのですが、特集を組むほど秀逸なMVですので、別の機会に紹介できればと考えています。
さて、今回の「エロオモMV」の特集はいかがでしたでしょうか。
どれもオススメですが、特にDJスネイク&リル・ジョンの「Turn Down for What」は名作でもあるので、未見の方はぜひご覧ください。
ではまた次回に。