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パープルディスコマシーンがようやく覚醒!クングスとのタッグも良さげなり(オススメMV #114)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の114回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は、パープル・ディスコ・マシーンというちょっとヘンテコな名前のアーティストの特集をお送りします。
アーティスト名からしてちょっとダサいのですが(ファンの方には申し訳ない)、実は今までリリースしたMVも「頑張っているけどイマイチ」という感じのものが多く、密かに応援していました。

しかし!
先月リリースされたMVでは、何かが吹っ切れたようなシンプルな内容で、「ようやく覚醒したのか?!」と驚き、急きょ特集を組ませていただく次第です。

まず、その吹っ切れたかと思われるMVをご覧ください。
パープル・ディスコ・マシーンの「Bad Company」です。どうぞ!

ダンス一本で勝負!という感じのシンプルなMVです。
しかし、様々な工夫で飽きさせず、最後まで一気に観させてくれるのは、良質なMVの証(あかし)です。

パープル・ディスコ・マシーン(Purple Disco Machine)は、ドイツのDJであるティノ・ピオンテックのソロプロジェクトで、2012年に1stシングルをリリースし、2017年の1stアルバムを皮切りに今まで3枚のアルバムをリリースしています。
ヒットチャートの上位に食い込むような楽曲はまだありませんが、色々なアーティストの楽曲のリミックスを手掛けたりもしており、これからが期待されるアーティストです。

そのパープル・ディスコ・マシーンですが、これまで10数曲のMVをリリースしているものの、どれも「頑張っているが、ヘンにこだわっているところが逆に洗練さを低下させている」というMVが多く、残念に思いながら観ていました。
しかし、先月リリースされたこの「Bad Company」では、今までのMVとは一線を画し、ダンス一本で勝負した結果、素晴らしいMVとして仕上がっています。

全体的にコミカルなテイストが基調にあり、その上に全編ダンスのみで映像が構成されています。
もちろん、ただ単にダンスだけであれば単調になり飽きてしまいますが、ストリートでのオープニングからすぐにオープンカーに乗った状態でのダンスが始まり、続いてはメインであるストリートでのダンスに切り替わり、途中スタジアムの客席でのダンスが差し込まれ、最後はまたメインであるストリートのダンスで締めくくっています。
全編、明るい日差しの下での撮影で、朗らかな内容と相まって観ているコチラまで明るい気分にしてくれる、ハッピーMVとなっています。
(最後のサングラスをずらしてウインクするエンディングは、あまりにダサすぎるのでチョット辟易しますが...)

しかし、オープンカーでのダンスは、セイント・ジョンの「Roses」のようでもありますし、スタジアムの客席でのダンスはシガーラの「Melody」っぽくもありますが、そのどちらも「Bad Company」ではシンプルに簡略化しつつ洗練されています。
つまり、「うまく作られている」のです。

ちなみに、両方のMVとも過去回で紹介していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
「Roses」⇒「実写にイラストや文字を重ねるって簡単なようで難しい」
「Melogy」⇒「バスとダンスって相性イイの?」

実は、この「Bad Company」の3ヶ月前、2023年3月にリリースしたMVでも、少しだけですが変化の兆しがありました。

その変化の兆しが見て取れるMVはコチラです。
パープル・ディスコ・マシーン&クングスの「Substitution」です。

いきなり「クングスだっ!」と思いきや、しっかりパープル・ディスコ・マシーンっぽくもあるという、絶妙な楽曲に仕上がっています。
そして、その楽曲に組み合わされるのはレトロ&チープなSF映像という、ちょっとヘンテコですが、妙に味があるMVでお気に入りです。

クングス(Kungs)はフランスの若きDJで、この連載でも以前取り上げたことがあるほど、お気に入りのアーティストのです。
以前の連載はコチラ⇒「新星フレンチDJクングス登場!」

そのクングスとパープル・ディスコ・マシーンがタッグを組んだと聞いて、どんな楽曲に仕上がるかと思いきや、思った以上にマッチングが良く、クングスっぽくもあり、パープル・ディスコ・マシーンっぽくもあるという両者の良さを掛け合わせたような楽曲になっています。

そして、肝心のMVですが、明らかにレトロ&チープを狙った演出で、撮影するカメラは今どき無いような大型ですし、登場する車はポルシェの928(多分GTS?)、異星人もいかにも着ぐるみっぽいという、ギリギリの線をついた演出になっています。
余談ですが、登場する異星人は、レプティリアンと呼ばれる爬虫類型異星人で、地球に訪れる異星人の中でも悪者として分類されています。もちろん、「信じるか、信じないかはあなた次第」ですが...

ちなみに、構成をもう少しスッキリさせたほうが良かったとは思いますが、その点でもギリギリセーフというところです。

実は、パープル・ディスコ・マシーンの過去のMVでもSF系のものがいくつかあるのですが、狙いすぎていたり盛り込みすぎていたりで、「もうチョットすっきりしてくれたらいいのに...」と残念に思っていました。
それが今回、なんとかギリギリのところまでそぎ落としてもらえたので、少しホッとしつつ、次回のSF系には期待せずにはおれません。

参考までに、過去のSF系で実写とアニメのMVを1つずつ紹介しましょう。
まず1つ目はアニメのSF系MV。
パープル・ディスコ・マシーンの「Playbox」です。

悪くはないのですが、盛り込み過ぎ感は否めません。
ヘンな異星人の文字っぽい演出も、「勘弁して...」という感じです。

そして、2つ目の実写のSF系MV。
パープル・ディスコ・マシーンの「Dopamine」です。

このMVも頑張って作ってあり悪くなないのですが、狙いすぎで何が何だか分からなくなってしまっています。

過去のSF系の2つのMVを観ていただきましたが、古いMVから徐々に良くなってきているので、次回のSF系のMVには期待しています。

なお、SF系のMVでの超オススメは、なんといってもN.A.S.A.の「Gifted」がダントツですので、未見の方はぜひご覧ください。
「Gifted」⇒「SFアニメのMVではやっぱりN.A.S.A.が最高だ!」

ついでに、と言ってはなんですが、SF系のMVだけでなく、ダンス系のMVでも進化していますので、過去のダンス系MVも紹介しておきましょう。

2021年リリースのダンス系MV。
パープル・ディスコ・マシーンの「Fireworks」です。

狙いは分かるのですが詰め込み過ぎ感がハンパなく、かつ暗い映像でせっかくのダンスが生かされておらず、残念です...

そして、2つ目のダンス系MVは、2018年と初期の作品です。
パープル・ディスコ・マシーンの「Love For Days」。

ダンス中心の演出で、かつ明るい映像が多く、先ほどの「Fireworks」よりも良い印象を持ちます。
しかし、不要な映像がいくつも差し込まれていることが残念です。

この2つのダンス系MVを観てから、最初に紹介した「Bad Company」を観ていただくと、「Bad Company」がどれだけシンプルで洗練されているかが分かります。

なお、ダンス系では良質なMVが多数ありますが、ギャランティス&スロットルの「Tell Me You Love Me」とモンドテックの「Alive」とかが個人的に超お気に入りです。(それぞれ紹介している過去の連載は以下に)
「Tell Me You Love Me」⇒「実写にイラストや文字を重ねるって・・・」
「Alive」⇒「ダンス系洋楽MVの三連発」

気が付いたら、メチャクチャ長文になり、かつ6つもMVを紹介してしまいました。(紹介したMVの数は過去最多かもしれません)

さて、今回のMVはいかがでしたでしょうか?
パープル・ディスコ・マシーンをまだ未体験の方がおられたら、ぜひ最初に紹介した「Bad Company」をご覧ください。
そして、今後のパープル・ディスコ・マシーンの更なる活躍に期待しましょう。

ではまた次回に。

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