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【20代の無茶な経験】富士山貧乏旅行記②
まもる店長が20代に無茶にママチャリで富士山へ行った旅行記録に基づいて作成しました。
1話は下記URLで
https://note.com/mamorutencho/n/nfc61caf28c47
2004年8月26日木曜日、危機
夜露を浴びながら寝た経験は忘れない。荷物を包んでみると一ヶ月は旅した人みたいな格好だ。
2、3時間くらい寝だが熟睡はさすがにできなかった。
おおよそ気を戻してインスタントラーメンを食べた。コペルが小さくて半分にしか入らないが、その瞬間のスープ味は忘れない。
夜明けまでずっと考えてみた。
まずは現在の生活が安定しないという考えがして家に戻ることも考えたが、ここまで来たのが惜しくてもっと旅行をつつけてみることにした。
全身が筋肉痛で痛い。特に肩が痛い。
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しばらくして2番目のパンクだ。一日一回は必ずパンクする。
やはりこの自転車では無理か。
まずは近くの公園に寄って修理をしていると、ある年配の方が声をかけてきた。
私がパンクを直してるのは雑でちゃんとした道具がないので、直接修理道具とたらいを持って来て自ら修理してくださる。
色んな話をしながらありがたいお礼として韓国の垢すりタオルを渡した。
(やさしいおじいさんは当時70歳以上には見えたので20年がすぎた今は生きていらしゃるかはわからないがその時のやさしい気持ちは私に残っている)
いなり寿司と缶コーヒーも頂いた。さて、ここで少し休んで再出発する。
箱根方面に行くか?富士山に行くか、天気は曇って気分はあまりのれなかったが真夏のわりには暑くない感じで旅行するには悪くなかった。
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上り坂が多くて汗はずっと流れて日差しで顔は真っ黒に焼けたし正しい道に進んでるとかもわからない。
その影響で気分があまりだった。今日の目的地に決めた御殿場まではまだ遠かった。
行っても行っても終わりがない…246国道を沿ってしばらく進むと歩道がなくなった。
それでも私の安全を守る命綱の歩道だったが…ダンプトラックが通り過ぎるたびに風圧で倒れそう。
トラックはとにかく多く通ってて、特にトンネルを通過するのに恐怖そのものだ。
凄い音が増幅されて通り過ぎる風が強すぎる。ちょっと間違えたら事故になるなと思った。
やはり警察車2台が来て私を止める。来るものが来たんだという気になって取り締まりを受ける。
ここの道路は自転車では危険だから戻れと言われたが、東京池袋から来たという話をしたらびっくりしながらただ、気をつけろという言葉だけを残して...去っていった。
歩道がまた現れることを期待しながら進んだが、完全に車だけ走る専用道路のような道が出た..
警察よこの先に自転車が通らないとか言ってくれ。ここを自転車で行く勇気がない。
しばらく躊躇しながら最初の場所に戻った。作戦上後退だと…自分に言い聞かせながら
ここまで来て、ただは帰れない。
富士山をのぼると決めて一旦町田まで戻った。
自転車を駅前に置いて、ヒッチハイキングする文章を書いた。
ヒッチハイキングは書いた文字の見せ場を作ることが重要だ。
通り過ぎるトラックが信号を待つ隙に、紙に書いた(御殿場)という目的地の文字を見せる。
そのために荷物を持って国道に出た。信号待ちのトラックごとに紙を見せた。
無関心な人、首を横に振る人、反応も様々だ。
30,40回はトライした末、来てもいいというサインを見てそのトラックの乗った。
富士山の近くまで行くということで連れてくれるということになった。
会話を交わしながら聞いた話では韓国に関心が多く、キムチと辛ラーメンが好きなおじさんだ。
また、珍しく奥さんががフィリピン人だと言う。自分は、韓国の女性と結婚したかったみたいだが。
トラックのおじさんの奥さんから電話があり、今の話をしたら奥さんが知らない人を乗せて危なくはないかと聞く。
よわよわしく見える私を実際に見たらそういうには言わなかったと思う。
私が危険であれば、世界の99%が危険人物だ。
電話だけでは状況把握が難しいんだろうし心配するのは当然だ。
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水ヶ塚公園駐車場に到着して降ろしてくれた。
私は感謝のお礼で韓国ののりを渡した。
ちょっと肌寒く、人がいない。向こうに車の中に人がいるようだが…
日本人は富士山のような日本一になりたいとよく言う。
何か特別なことがあるんだろうか?
空気はとっても新鮮ですがすがしい感じだ。山だから当たり前か
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2004年8月27日金曜日、山登る1
五合目までのバスを待っている。退屈だそ寒いし、朝早く上りたかったのに…鏡の代わりにデジカメで私の姿を撮ってみると、もうホームレスの状態だ。
予想した10時バスが来なかった。反対側からはバスが来たが乗らなかった。
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偶然バス乗り場の隣で登山道を発見した。 (これが後にすごく苦労した始発点になることになる。)
小さすぎて見えなかったのだ。
地図を見ると頂上まで行けそうだ。(地図がシンプルすぎて登るのも簡単に見えた)
五合目まで登山道は他の山道とそんなに変わらない。
途中で一度迷子になったが幸い再び道に戻った。
父も登山が好きで、次に機会にあれば一緒に来たかった。
4時間ほど登ると火山入口というところが見える。
ちょっと変わった風景だ。徐々に霧が覆って前が見えない。
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初めて人と会って聞いたのは水はどこで飲めるかだった。
あまりにものどが乾いて気を失うほどだった。
水を一本だけ買って来たことを後悔していた。
聞いてみるばもう少しで山小屋があると。幸いそこで水をゲットしなければ。
六合目の山小屋だ。そこでラーメンをためて、ここから出る水は飲めないと言われたので水を買った。
300円か…わかるけど高い…だが私には生命水だ。
これからは火山帯のようだ。草がどんどん少なくなり、道に黒い砂利が多く、砂に足が取られる。
通る人間に「こんにちは!」と挨拶をする。登山しながら挨拶するのは万国共通だ。
登るほど天気が悪く、雨が降ってパンスまで全部濡れた。あれあれ..
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結局午後6時ごろに山小屋に泊まることにした。宿泊費は高いが仕方ない。
雨は激しく降り、体が全部濡れて体温も下がり、震えるくらいに寒かった...
富士山頂の写真も撮りたい。かなり高価な写真になりそう…
こうして山小屋にいると、友達と智異山という韓国の山に行った思い出が浮かぶ。
その時も雨がたくさん降って山小屋に泊まった記憶がある。
なぜ険しい山に行く際には雨が降るだろうか...
ここでゆっくりして明日の日の出も見に行く。天気が良ければと期待する。