2020-07-11 5番山崎の勝負強さとライアンに見た変化と #018
貯金3。首位巨人まで0.5ゲーム差まで詰め寄ることが出来た。正直出来すぎだと思う。出来すぎな理由は今後語ることになるだろうが、せっかくなのであと1つ勝って首位浮上と行きたいところ。ほんと大健闘だよ。
青木の先制弾。8000号も大きかったが試合を分けたのは巨人先発のサンチェスを引きずり下ろすきっかけとなった山崎の打席になるだろう。
気づけば5番起用。登場曲で「ヤマザキ一番」が流れる中、当の本人は5番を打っている(今日はビジターなので曲は流れてないが)。西浦の不在、得点圏打率の高さ(.500)もあるとはいえ、シーズン前には考えられなかったことだ。それどころかキャリアを通じても5番を打つイメージの無い選手だった。オープン戦期間中、長打力が出始めた気配はしていたが、今もしっかりボールが追えている。
早々に追い込まれたら広く待つ必要がある。おそらく狙い自体はストレートで変化球に対応する形のバッティング。甘く入ったのもあるがしっかりセンター方向に合わせながら運ぶ事ができた。例年と比べて球速に振り遅れている感じもするが、広く待てるこのバッティングができるのなら簡単には打率は落ちてこないよ。
そしてライアン。今日の勝利で3勝目。ハーラーダービートップに立った。ただ、今日のピッチング内容は、特に前半決していいものには見えなかった。
左の亀井や丸が簡単に内角のカットボールをライト線に運んでいく。一昨年までのカウント球が通用しない。昨年もこれで苦しんでいた。球も球速こそ140中盤は出ていたもののそこまで走っているようには見えなかった。
あと今日の球審のゾーンがアバウトで制球重視のピッチャーにとってはかなり難しい日にも見えた。岡本への内角を攻めた結果三塁線を破られて以降は全体的にアウトコース中心の粘りの配球にチェンジしていったと思う。
ちなみに昨日解説のノムケンが「小川はもっと早いカウントから思い切ってストライクを取りに行かないと窮屈になっていく」的な事を言っていた。ごもっともな話にも聞こえるが、こういう時のライアンはその思い切ったボールをいとも簡単に打ち返されている。解説は「甘く入っちゃいましたねぇ」って言えば済むから無責任だなぁと感じた。
今のライアンは失投の許されないピッチャーになってしまってるところはあると思う。
閑話休題。光明が見え始めたのは4回2死、若林の打席。ここで見逃し三振を奪うことができた。外へのカットボール。
この勝負を亀井の打席で応用することになる。
このカットボールがストライクになったことで左への対処法ができたように感じた。亀井への勝負は外の出し入れ勝負。最終的には若林と同じカットで同じように見逃し三振を奪えた。終始球審との相性が良くなかったライアンだったが、ここだけは前の回から審判と会話ができたように思う。
選択肢が広がることでいままで使えなかった球も使えるようになる。
左のアウトコースに意識があるところでここまでとらえられていた内角カットを選択。左右の揺さぶりをかけながら最後はフロントドアの内角ストレートで空振りを奪う。この打席はそれまでの左打者への外攻めがあったからこその配球に見えた。
今季から取り入れた、左打者に対して外から曲げてストライクゾーンに入る「バックドア」を駆使。4回2死三塁では左打席の若林をバックドアで見逃し三振に仕留めた。
意識的に投げてたんだね。今までやってきた事が通用しなくなったら別の方法を考えて変化していく。その対応力が決して大きくない体で通算65勝をあげてこれたライアンの強みだ。
昨年から配球中心に野球を見てきて感じることは、その打席だけ見ても全然答えなんてみえないんだなぁと。その日の打席、それまでの登板での内容、相手との相性、色々と鑑みた上でこの1球への配球が決まるっていく。月並みな言い方になるけど野球って奥が深いよ。
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